
誰でもカンタンに着ることができる、「フィットきもの」 モデルは株式会社きものブレイン 販売部 辻井令恵さん
岡元: かつてきものはお嫁入りのときに持参する高価な品物でしたが、その風習は廃れています。しかし一方では、逆に日常的にきものを着たいと思っている若い女性が増えています。そこで、「これからきものを着てみたい」と考えている方のために考えたのが、フィット仕立てのきものです。これだと、まるでジャケットを着るような感覚で、約3分で着ることができます。一日中動き回っても着崩れすることがありません。また、あらかじめ自分好みの帯姿に仕立てておく帯もあり、これなら約2分で帯結びができます。
もともとは初心者向けを想定した製品でしたが、実際に販売されると、毎日のようにきものを着ている茶道や華道の先生方にも大好評でした。こうしたきものや帯が、いま、ものすごい勢いで広まりつつあります。
林: 「いまの人たちが、いまの生活の中で、きもののよさを見直す」という、そういう流れの中で、きものの文化がもう一回日本に生まれるとしたら、それはものすごく価値のある一歩になりますね。
古くから伝わってきている文化が、いまの生活スタイルとちょっとずつズレてきているということはよくあることですね。名産品・伝統工芸も、時代の変化にそっていかなければ、わたしたちの日常生活と乖離(かいり)した「一部でしか見られないもの」になってしまいます。こうした伝統的なスタイルのモノが存続するための変化が求められていますが、同時に変化することによって新しい価値が出てくるのではないかと思います。
岡元: そうですね。かつて敷居の高かったきものですが、いまはだれでも簡単に、しかも美しく着こなせます。「きものを着ること」を気軽に楽しめるようになったのだと思います。