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イベント/コラボ 2009/04/14

 『万華鏡の視覚』展フォト&ブログレポート クリエイティブな発想を刺激するアートの視点

『万華鏡の視覚』展フォト&ブログレポート
クリエイティブな発想を刺激するアートの視点

John M Armleder 《Global Domes XII》2000
John M Armleder 《Global Domes XII》2000

2009年4月4日(金)、森美術館の新しい展覧会「万華鏡の視覚:ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団コレクション」展の開催に先立ち、ロフトワークは登録クリエイターのみなさんとプレス内覧会に参加しました。

ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団は、世界でも高い評価を受けている現代作家らのインスタレーション作品を、数多くコレクションしている財団。本展覧会は、アジアで初めてその豪華なコレクションを公開する機会ということで、注目を集めています。

ちなみに、この財団はもともと美術作品の蒐集家だったフランチェスカ・フォン・ハプスブルグ氏(かの有名なハプスブルグ家のお嫁さん!)が、とあるインスタレーション作品を購入するために創設した財団。創設後わずか7年間で450点を超える、すぐれた現代アート作品を蒐集するに至りました。

Los Carpinteros《Frio Esudio del Desastre》2005
Los Carpinteros《Frio Esudio del Desastre》2005

(尚、マドリッドにあるティッセン・ボルネミッサ美術館はフランチェスカ・ハプスブルグ氏のお父さんが持っている美術館ですが、ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団とは別の組織なのだそう)

「万華鏡の視覚」展では、その財団を作るきっかけとなった作品をはじめとして、人気作家の作品が勢ぞろい。ロフトワークは、この「万華鏡の視覚」展の魅力をいち早く体験し、皆さんにお伝えすべく、クリエイター、ブロガーの方々とプレス内覧会に参加。本特集では、内覧会参加者のみなさんが特にお気に入りの作品を、それぞれの視点からご紹介します。

*通常、美術館では写真撮影不可です。以下の写真は、プレス内覧会で特別な許可を得て撮影されたものです。

クラウス・ウェーバー 《LSDホールの噴水》2003

Klaus Weber《Public Fountain LSD Hall》

Reported by Fumi Yamazaki(旅人・ブロガー) http://fumi.vox.com/

photo by Fumi Yamazaki
photo by Fumi Yamazaki

美しい噴水、公園風のベンチ、そして植物などが置かれたこの作品は、見ようによってはのどかな公共スペースのように見えます。

ところが噴水はガラスの柵で囲まれ、ベンチと噴水の間には線が引かれており、「触れられない」拒絶性も内包しています。

噴水から湧き出る水にはホメオパシー(代替医療)により処方されたLSDが循環。
LSDはCIAが自白剤・薬物兵器として研究していた薬物。
噴水はロンドン万博の噴水をモデルとし、公共の物という面と国家・権力の象徴という面のアンビバレンツ性を象徴。
植物は食虫植物。

噴水にLSDを投入するセレモニーも行われました。
(もちろん、人体に影響のない安全なレベルまでに濃度を薄めたものを使用しています。)


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 http://fumi.vox.com/library/post/the-kaleidoscopic-eye.html

オラファー・エリソン 《投影される君の歓迎》

Reported by さとつん(ブロガー) http://mogumogu-aksk.jugem.jp/

Olafur Eliasson 《Your welcome relected》2003
Olafur Eliasson 《Your welcome relected》2003

オラファーエリアソンの作品は、いつも光と闇の調和がすばらしいのですが、今回の展示作品は主に「光」にスポットを充てたものでした。

何枚かの色のついたパネルを天井から吊るし、光の装置の角度を変えながら、壁に投影される影がゆっくりゆっくり色を変えてクルクルまわっていきます。ただ、それだけ。
それだけなのですが、それはまるで、夕日のようでもあり、朝日のようでもあり、かと思えばダークな紫に変身し、海のような深いブルーにもなっていく。

色の変遷を人工的に、かつ、自然と同じ仕組みで見せてくれるオラファー・エリアソンの作品はやっぱり心にじんわりとしみるものがあります。


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 http://mogumogu-aksk.jugem.jp/?eid=198

マシュー・リッチー 《家庭農園》

Reported by nipx 中村陽子(イラストレーター) http://www.loftwork.com/user/11302/

Matthew Ritchie《The Family Farm》2001
Matthew Ritchie《The Family Farm》2001

部屋一面に描かれた絵が、世界を表している作品なのだそうです。
「宇宙って、世界って、歴史って、生と死って、なんだろう」と普段からぼんやり考えている私にとって、彼の作品はそのぼんやり考えている過程そのものの様に感じました。つまり彼の作品は、制作者が作品を具体化する前の、考えを巡らせている段階のイメージも作品の一部分を為しているのではないかと感じたのです。

制作メモのような、作品のような…そして部屋全体が彼の脳で、それをを覗き見てしまったような印象を受けました。不思議と共感でき、個人的には今回最も感動して、ずっと見続けていた作品です。


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 http://www.loftwork.com/user/11302/blog/37829/

ジム・ランビー 《ソボップ・ゴールド》, イェッペ・ハイン 《映す物体》

Reported by 土田菜摘(イラストレーター) http://www.loftwork.com/user/533/

Jim Lambie 《Zobop Gold》 2000, Jeppe Hein 《Refrecting Object》 2006
Jim Lambie 《Zobop Gold》 2000, Jeppe Hein 《Refrecting Object》 2006

この美しいストライプの床は、実はビニールテープでできています。床に転がっている銀色のボールは、イェッペ・ハイン「映す物体」(Jeppe Hein "Reflecting Object")の作品。フワフワと予測不可能な動きを常にしていまして、ついつい目で追ってしまいます。

で、目が離せないこのボールには、床と、自分と、周りの人がみな映り込んでいいます。そう、自分も作品の一部になるんですって!
この説明に思わず納得する単純な私。思わず触りたくなりますが、もちろんNGですので気をつけて。


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 http://www.loftwork.com/user/533/

ジャネット・カーディフ 《触ること》

Reported by turbo10 (ブロガー) http://beatanything.jugem.jp/

Janet Cardiff 《To Touch》 1994
Janet Cardiff 《To Touch》 1994

古びた木造の机が暗闇の中に設置されている。
その部屋の壁には消音材が敷き詰めてあり、美術館の中にいる事を忘れる程の静寂に包まれている。
ペンキや溶剤がこびりついたその古ぼけた机に触れた瞬間、自らの背中の暗闇から、ささやくような女性の声が聞こえてくる。また違う点を触れようとすれば、今度は眼前から男の怒声が、鳥の羽ばたきが、様々な音が聞こえてくるのだ。

まるで一つのモノに宿る多数の人々の思い出を追体験させられるようなこの現代美術は、自分のココロの中の郷愁をゆっくりと抉り出されるような、痛痒いが、なぜか心地よい感覚を与えてくれた。


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 http://beatanything.jugem.jp/?eid=112

リテュ・サリン & テンジン・ソナム 《人間の存在に関する問答》

Reported by サ‐ナエ (イラストレーター) 

Ritu Sarin & Tenzing Sonam《Some Questions on the Nature of Your Existence》 2007

美しくてとっても魅力的な作品が多々ある中で、自分の内面に響いた印象的な作品がありました。
その作品は、ドキュメンタリーの映像作品です。 チベットの修行僧がブッダの教えをより理解し近づくために、 問答(ディベート)を延々と—パワフルかつ、時にアグレッシブに—続けています。

その中の1フレーズ。
『銅鑼(ドラ)が鳴る時に音を出すのは、銅鑼本体なのか??バチのほうなのか??』

その発言をきっかけに、 自分が忘れかけていたあらゆる思考が頭をめぐりました。
細かい事に疑問を持ちすぎたり、ナイーブになりすぎると、 日常生活に支障をきたすことがあります。 でも、彼等はそんな数々の疑問に葛藤しつつも、あえてそれを修行の中でディベートし、納得して(しなくても?)、昇華して、何があっても動じない、しなやかでたくましい人格を形成しているように見えました。

私も、何も知らないでのほほんと生きているよりも、 いろんなものや世界をみて、様々な人々に会って、いろんなことを感じて、その上で静かに自分の信じる道を選択していけたらいいな、と思いました。


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 http://www.loftwork.com/user/4091/blog/37802/

「万華鏡の視覚」展 フォトアルバムをFlickrで公開中!

Cerith Wyn Evans《
Cerith Wyn Evans《"Astrophotography-stages on photographic development" by Siegfried Marx(1987)》 2007

クリエイター、ブロガーのみなさんからの、森美術館「万華鏡の視覚」展レポートはいかがでしたか?

今回、内覧会に参加した、メディアクリエイターでアルファブロガーのサトウマサヒコさんは、「万華鏡の視覚」展について、ブログの中でこんなコメントで総括しています。

一通りの作品を見終わった後、ふと思ったのは、この「新しい視点」と言う考え方、アプローチは自分自身や仕事に対しても言える事なのではないか?と言う事でした。

案外、日々の生活って「特別」な出来事ってすごく少なくて、「まあまあ上手くいっている」と言う物事が多い気がします。そして、それをわざわざ見直そう、違う視点で見てみようとする事も少ないと思います。だけど、そう言う物事に「今までと違う視点」を持ち込む事で、また違った見え方がするのではないか?そんな事を考えました。
“straighten サトウマサヒコの記録”≫続きを読む

森美術館 館長の南條史生氏いわく、『アートは絵画ではない、彫刻ではない。アートは現代においてその様相を変えより柔軟なものになった。
アイデア、コンセプトがアートのコアを占める。柔軟な方法論によって創り出されたアートが、新しい価値を創造し、この世界的な不況も吹き飛ばしてくれるんじゃないかと思っている。』(turbo10さんのブログより引用)というように、普段とは違った視点、ありとあらゆる表現手法、媒体、マテリアルを用いた最先端のアートたちは、私たち自身の視点を大きく覆すような、新しいインスピレーションを与えてくれるのかもしれません。

また、本展覧会は、現代アートに詳しくない人でも直観的に楽しんでもらえるものがほとんど。「現代アートは難しいから・・・」と思っている方でも楽しめるはずです。

「これから展覧会に行ってみよう!」という人は、まずは今回ご紹介したレポーターのブログをチェックしてみてください。その後、実際に見た後で自分はどう感じたかを比べてみると、また面白い発見があるかもしれません。

また、プレス内覧会で参加者が撮影した写真は、Flickr のloftwork artmedia にて公開中です。特集の中だけでは紹介しきれない、作品と展覧会の魅力がたくさん詰まったフォトアルバムを、ぜひご覧ください。

≫ loftwork artmedia