この度、内閣官房が推進する「レギュラトリーサンドボックス Regulatory Sandbox in Japan」の評価委員を務めることになりました。
硬直的で一律な制度設計では、世界に遅れを取ってしまう。リスクの適切な管理を行いながらも規制を緩和し、社会実証を積み重ねていくプロセスが、イノベーションには不可欠であると判断し、政府主導で推進する取り組みです。
現行ルールの中には、戦前や戦争直後に制定されたものもたくさんあります。当時と今では、当たり前ですが、社会環境は大きく変わっています。インターネットやブロックチェーン、人工知能などの技術も進化し、「ルールの想定外=グレーゾーン」も増えていくばかり。だからこそ、「まずはやってみる」を推進する必要がありますよね。
ちなみにこのアプローチ、規制以外の領域では先行して実践されています。ソフトウエアでは「ベータ版」、ハードウエアでは「プロトタイプ」として。どちらも、幅広く提供する「量産モデル」の前に位置付けられ、限定した範囲で社会実装することで、フィードバックループを素早く回し、事業化を早めることを目指しています。
今回のレギュラトリーサンドボックスでは、革新的な技術や事業アイディアを対象に、「プロジェクト」単位で申請、まだ事業ではなく「社会実験である」と位置付けることで、各種業法の適用を免除するスキームが採用されています。
具体的には下記のようなパターンを想定しています。
●そもそも規制の対象とならないように構成する
●期間や参加者が限定されており対公衆性を有しないことを根拠に、事業等として行うことを規制する法律(いわゆる業法)における規制の対象ではないものとして構成する
●適用除外や例外規定に該当するものとして構成する
●新技術等の位置付けが確定していないため、個別状況に応じた柔軟な判断をすることができるものとして構成する など
(詳しくは「新技術等実証計画の認定に関する調査審議の視点(案)」の4ページをご覧ください)
始動することで、実際の規制緩和もさることながら、危ないからやめておこうという「心理的な規制」が緩和される効果が大きいと思っています。上述の通りルールには、解釈の余白があります。無理だろうと諦めてしまっているのは、法ではなく、私たちのマインドなのかもしれません。だからこそ、
できない理由より、やるための工夫に全力を尽くしたい。
丁寧な分析と大胆な解釈で、未来への挑戦を支援していくつもりです。革新的な技術や事業アイディアをお持ちの皆さん、ぜひ内閣官房の「新技術等社会実装推進チーム」まで、どんどんお問い合わせください。
TEL 03-5253-2111 (代表) 内線 84866
03-3581-0769 (直通)
E-mail shingijutsu_sb_atmark_cas.go.jp