キュンチョメ
作品紹介
これは作者が住んでいたフィリピンの田舎で配達員へ住所を説明する際に使うランドマークの記録である。届け先がわからない配達員からの電話で「ランドマークを教えてくれ」と必ず聞かれる作者は、「焚き火をしているバナナ畑の横」「白くて大きな牛がいる空き地を右に曲がってすぐの家」と、なんとなく目につく曖昧なランドマークを答える。決まったものではないその時々に出会う曖昧なランドマークは、世の中をより多様に捉えるヒントを与える風景である。
artist
キュンチョメ
ホンマエリとナブチのアートユニット。さまざまな土地に滞在しながら、この世界を見つめ直し出会い直すための、詩的でユーモラスな作品を制作している。近年の主な展覧会に「六本木クロッシング2022:往来オーライ!」(森美術館 東京)、「現在地:未来の地図を描くために[1]」(金沢21世紀美術館 2019)、「あいちトリエンナーレ2019」(愛知)などがある。