Loftwork ちきゅうのみちくさ展

町を編む

宮田 明日鹿

作品紹介

このニットは岡山県倉敷市玉島を舞台に、作者がまちの人たちとのワークショップを通じて制作したアート作品である。一緒に街を歩いて風景写真を撮影したり、取材を経て街の人々の思い出の写真を借りた作者は、その写真を元に身に着けるサイズのニット作品を仕立てた。作者は街の人が戦争の記憶を共有してくれたことで、作品として誰かの人生や記録を残すのが可能なこと、編みものがそのコミュニケーションのツールとなることに気づいた。誰かの過去の記録に触れ、思いをはせることで未来を見通す想像力に繋がっていく作品である。

artist

宮田 明日鹿

ニット、テキスタイル、改造した家庭用電子編み機、手芸などの技法で作品を制作。近年では、手芸文化を通して様々なまちの人とコミュニティを形成する「港まち手芸部」をきっかけにプロジェクトを各地で継続している。おしゃべりしながら編む手を動かし、様々な世代が学び合い、何気ない会話を交わすなかで、見過ごされてきた出来事や家のなかの事柄も社会と密接につながっていることを参加者自身が再認識する作業を試みている。

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