日記

対峙、中庸、そしてアウフヘーベン

ああ、またすっかりブログ更新が滞ってしまいました。
巨大プロジェクトの波に飲み込まれ、
息もつく暇もありません。
すっかり怒濤に飲み込まれています。
非力なProject Management Officeですみません。


どんなプロジェクトでも、必ずコンフリクトは発生すると思います。
(人間関係においてコンフリクトがないなんて状態はありえないですから)
PMBOKでは、コンフリクトへの対処として5つの手法を提示しています。
 撤退 (withdrawal) 解決を諦め議論を放棄する
 鎮静 (smoothing) 対立事項が重要じゃないように働きかける
 妥協 (compromising) 双方が完全な解決は諦めて手をうつ
 強制 (forcing) どちらかの解決策を他方に押し付ける
 対峙 (confrontation) 問題を定義し、分析し、解決のための意思決定をする
この中でwin-winの関係に導けるのは「対峙」のみなのです。
対峙のポイントは、お互いが自分の意見は固執せず、問題の原因を追及し、ひとつ上の次元で両者にとって納得の結論を追求することなのです。
この話を友人にしたところ、「それはヘーゲルのいうアウフヘーベン(止揚)だ」と。
そしてまた別の友人は「それはポジティブな中庸だ」と。
(ちなみにこの「中庸」という言葉も奥深いのです!)
そしてすべての言葉の意味するところは、
AとBとが出会って、Aが支配するのでもなければBが支配するのでもない。
新たなCをうみだす。

そんな視点だと思うのです。
これってすごく素敵な概念ですよね!
そう考えると、すべてのコンフリクトは、自分に新たな視界を開いてくれる大切なぶつかり合いになるわけです。そのときは苦しくても、逃げないで対峙しないといけないのです。
言い訳しない。
逃げない。
対峙する。
頑張ります。



Comments 4

  1. ご無沙汰しています。お忙しいのがよく伝わります。
    私も、「それすらも」(乗り越える)という使い方のように、アウフヘーベンというか、どっちかじゃなくてどっちもっていう考え方が好きです。なんだかあっという間に1ヶ月が経ってしまいました。早い〜。
    風邪をひかないようにがんばってください!

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  2. こんにちは、twitterでは突然失礼しました。
    PMBOKのコンフリクトへの5つの手法、面白いですね。
    コンフリクトが発生して、すぐに対峙し止揚できれば理想ですが、なかなかそうは行かないですよね。思うに、この5つの手法は、その為の駆け引きも含めているのかなと思いました。
    結論を急がず時間に解決させ、妥協できるところは妥協し、強制と撤退をちらつかせる…などなど
    初回で新たな次元に移行できれば理想ですが、次回へ持ち越す、貸し借りの意識を共有するといった方法で、じっくりと環境作りをしていく。こういう関係がつくれるようになってきたお客さんとは、結果、長いつきあいができるようになっているよなぁと思うのです。
    そうやって考えると、奥深いですね….PMBOK

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  3. 撤退 (withdrawal)、鎮静 (smoothing)、妥協 (compromising)、強制 (forcing)、対峙 (confrontation)は交渉学でも出てくる話ですね。コンフリクトの解消というのは確かに”交渉”です。
    確か、、、
          自分    相手
    撤退   LOSE   WIN
    鎮静   LOSE   LOSE
    妥協   -      -
    強制   WIN    LOSE
    対峙   WIN    WIN
    という様な関係になっていたかと思います。
    WIN-WIN交渉のポイントは「問題を人につけない」ということなのだと思います。問題が交渉相手であれ、自分であれ、人についてしまうと、交渉の場は対決の場になってしまいます。しかし、問題を人から引き剥がし互いの横においてしまえば、問題は両者が協力して立ち向かっていく相手となっていくことでしょう。そして、その問題に対してお互いに見解や解決手段を載せていく。そうすると、お互いに利益となる解決方法が見つかってくるのだと思います。
    これはプロジェクトマネジメントに限らないですね。顧客との関係の間にも同じようなことが横たわっている。ビジネス上の関係というのはどうしても「ゼロ・サム」になり勝ちで、長続きしないことも多いです。ドライに割り切れば、その瞬間瞬間で最大の利益を生めばよいということになるのかもしれませんが、結局新たな取引相手を探して関係構築をし続けなければいけないので、コストもかかれば持続的でもないということになるのでしょうね。
    不況の世の中、どうしても「コスト・カット!」に傾きがちで、直ぐに価格交渉になってしまいますが、逆に不況だからこそ、協力して「どうやれば売れるのか?」とか「どうすれば無駄がなくなるか」ということに集中した方が良いのだろうと思います。

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  4. chiaki

    武山さん
    「どっちかじゃなくてどっちも」という考え方、私も大好きです。数年前に買い物をしていてすごくかわいいピアスを2つ見つけたんですね。なぜか「う〜ん、どっちにしよう」と悩んでいたんですが次の瞬間ブレイクスルー。「両方かえばいいんだ!」って(笑) こんな話で例えたら申し訳ないですが、でもそういうことって世の中多いと思います。
    コヤマさん、賢太郎さん、こんにちは!
    セミナーにも来てくださったようでありがとうございます。
    ご指摘の通り、問題を人に起因しない、問題の事象、それ自体を解決するために話をする、というのはその通りだと思います。責任のなすり付け合いしても、何も解決しないですからね。
    コンフリクトへの対応、本当に奥深いです。
    でもこの対峙の概念に今の私は夢中です。

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