日記

私のルーツ

この週末、母方の祖母のお墓参りに行ってきました。山口県周南市の大島。瀬戸内海に面した小さな入り江に祖母のお墓はあります。
瀬戸内海を背に


久しぶりに目にした日本の田舎風景。それはまさに悠久の風景。見渡す限り広がる青い海と白い空。瀬戸内海ならではの穏やかで優しい表情をしています。「ああ、瀬戸内海だ~」と心の中で叫びたくなる、そんな感じ。
まずは母と一緒にお墓参りへ。海を一望できる山の中腹に祖母のお墓は位置しています。おばあちゃんは毎日ここから海を見ているのかな?
お墓参り
その後は大島で呉服屋を営んでいる武ちゃん(祖母の弟)の家に遊びにいきました。家の中には反物や帯がごろごろ転がっています。まあ呉服屋なので当然ですが。
反物
武ちゃんはもう80歳なのに、根っからの商売人。ゴールデンウィークも毎日、全国からやってくるおば様たちを相手に、着物を売りさばいていたそうです(笑)
武ちゃんの口車にのせられて、私もついつい試着を始めてしまいました。最初に袖を通したのはなんと定価700万円の着物!なんでそんなに高いかというと、人間国宝の絵付師が柄を手染めしているからだそうです。着物の値段は本当に意味がわからない。やくざな商売です。もちろんそんなもの買えるわけありません。
700万円の着物
次に武ちゃんがもってきたのがこの着物。
この着物を買っちゃいました
200の独自の版を組み合わせてつくられているデザインなのだそうです。袖をとおした瞬間に、まずい、これすごく欲しい!
武ちゃんも心得ています。私ではなく母を説得に入りました。「恵子、これくらい千晶に買ってやらないとだめだよ」と。結局、母はこれを私に買う羽目になり、私は満面の笑み。これに黒と金の帯を締めるつもり。なかなか素敵な雰囲気になりそうでしょ?
大島からの帰りに、小学生の頃よく遊びにいった公園の前を通りました。
子供の頃遊んだ公園
「まだこの公園あったんだ!」あまりの懐かしさに車を停め公園に入ってみることに。すると昔と全く変わらずに砂場があり、そこにいつも背中にのって遊んでいた動物のおきものが残っていました。
でも近づいて見てみると何かが違う。そう、子供の頃はきれいに彩られていた動物たちはすっかり着色がはげ、顔や耳などの細かい部分は溶けてなくなっていました。
昔これにのってたよ
この瞬間に、あれから20年以上の時間が経っていること、大好きだった祖母はもういないことを実感しました。
ああ、時は驚くほどのスピードで流れている。

これから残りの時間で自分は何を成し遂げられるだろう?
未来がどうなるかわからない不安よりも、残された時間でどこまで自分の目標に到達できるかの不安が先立つ。その瞬間に、私は人生の折り返し地点を通過したんだな、生まれて初めてそう思いました。



Comments 12

  1. taiichi

    なんて寂しい終わり方の記事なんでしょう。(笑)
    僕の祖母は83ですが今でも現役でお医者さんしてます。
    とてもエネルギッシュに生きてるところを見ると、年齢を意識したら生きられないなぁと思う反面、人生ってなんだろうって考えさせられます。
    でもほんとは人生短すぎてそんなこと考えてる暇なんてないのかもしれません。
    千晶さんが目標に到達したら。。。。。 飯おごってもーらお♪  以上

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  2. chiaki

    さみしい終わり方だった?ごめんなさい(笑)
    でもね、さみしい気持ちで書いたんじゃないんですよ。なんかね、時が流れたのを本当に「実感した瞬間」だったんです。そして折り返したことも、悲しい気持ちではなくて、むしろ今まで以上に時間を大切にして精一杯頑張ろう、って思ったの。
    ただ私はみんなから「生き急いでいて絶対長生きしないタイプ」と言われています。でも早死にもしない。なんか、ああ、楽しみ尽くしたって思える気がしています。考えるのが早すぎる?(笑)

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  3. taiichi

    なるほど。ほんとはポジティブな終わり方だったんですね。(笑)
    千晶さんそんなに生き急いでるんですね。
    楽しみつくしたって過去を想う時間も取れずに死んだら
    ただのワーカホリックかもしれません。(笑) 冗談です。
    今後も素晴らしい千晶ワールドを見せてください。
    僕は千晶さんのブログからいつも勉強させてもらってます。

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  4. 匿名

    久しぶりに思い出してのぞいてみました。
    林さんの珍しい(?)ファッションと、バックのセカチュー的匂いのする海が
    非常に印象的なオープニングの物語りですね。
    時間だけは、神様が万人に平等に与えているはずですが、時にゆっくり
    と流れているようです。
    都会で生き馬の目を抜くが如くセカセカ働いている人がいるかと思えば、
    毎日同じ事を繰り返しながら、自分の生まれ育った土地を一生守り抜い
    ていく人もいる。しあわせって何なんだろうなと、ふと考えてしまいました(笑)。

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  5. chiaki

    >taiichiさん
    そうですね、ワーカホリックにならないように、時に過去をゆっくり思い返す時間ももとうと思います。taiichiさんのコメントで私もいつも励まされています。
    匿名の誰かもコメントありがとうございます。珍しいファッションということは私のこともご存知なんですね。キャップをかぶっているからかな?自分でもちょっと自分じゃないみたい、と思い面白いからブログに使いました:)
    おっしゃる通り、地方には自分の生まれ育った土地を守り抜く人たちがいて、脈々とそのエリアの文化を引き継いでいく。そういう人たちにとっての時間の流れはどんなものなんだろう、と私も思います。
    私は当然都会のせかせかした生き方の代表ですが、でも楽しいな!と思う実感やゆとりも毎日の生活の中に散りばめられていて、とてもしあわせなのです。

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  6. 大島がご実家でしたか!
    良いところですね(^^)
    大学時代を山口で過ごしましたが、その時に思ったことは
    「月って明るい」
    ということでした。街灯がほとんどなく、民家もまばらなので夜に田んぼの畦道を歩いていると真っ暗かと思いきや月明かりに照らされて思った以上に明るくて感動しました。
    その時に、英語のくどき文句である「Moon is blue」も実感しました。
    月って黄色く見えますが、明かりは青白いんですね。
    昨日まで実家(福岡)に帰っていました。
    福岡は都市化が激しくて、実家の周りの田んぼは次々とマンションになっていっています。近くの公園の遊具は老朽化で取り壊され、盛り土されていたところも表土が流出して時間の流れを感じさせます。
    それでも、ほっとした二泊三日の里帰りでした。

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  7. chiaki

    賢太郎さん
    コメント遅くなりすみません。読み飛ばしていました。
    「Moon is blue」ってくどき文句なんですか?どんな風にこの言葉で口説くのかな?でも確かに田舎にいくと、月の明るさにビックリします。月明かりで読書っていう感覚がわかりますよね。
    福岡もいつか行ってみたい街のひとつです。

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  8. > 「Moon is blue」ってくどき文句なんですか?
    高校の時の英語の先生が言っていました。理由は覚えていません。印象的だったので覚えています。「The moon is blue」っていう映画もあるそうです。
    > 福岡もいつか行ってみたい街のひとつです。
    まだ、行かれたことがないとは不幸な(^^)
    福岡は僕が子供のころは天神がビジネスでも文化でも買い物でも中心地でしたが、今は天神より南西側の大名に特に若者文化の中心が移ってきているそうです。このエリアは古くからの町家が多くて、それを改装してお店にしたり、新たな文化発信の拠点となっているとか。あと西の方も色々とあります。野球がお好きなら福岡ドームもいいですね。

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  9. chiaki

    野球はぜーんぜん興味ないけれど、福岡は行ってみたい街のひとつです。十和田、福岡、高知。今年中に行ってみたいところの候補。

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  10. 高知は良いですね。昔、ちらっと行ったことがあります。坂本竜馬の銅像を見ました。
    四万十川とか行ってみたいです。ああいう風景は大事にするべきですよね。

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  11. chiaki

    そうなんです、四万十川行ってみたいです。
    日本にもまだまだ行ってみたい場所がたくさんあります。
    ちなみに昨日はJoiに会いに千葉の印旛村までいってきたけど、千葉もなかなかいいところでした。

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  12. 屋久島は如何?高校生の頃に登りに行ったことがあります。登頂したら雷が鳴ったり(パーティーの中で一番背が高かったのでヒヤヒヤでした)、下山道が倒木で覆われて道が分からなくなったり(野生的な勘で下山道を見つけました)、海岸温泉で混浴したり(甘酸っぱい青春)、楽しい夏休みでした(^^)。
    印旛村は行ったことないですね。北総線だと矢切までしか行ったことはないですね。これまた甘酸っぱい思い出(^^;

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