初めて舞鶴と京丹後に行ってきました。京都出張は多いのですが、同じ「京都」といっても丹後半島までは京都駅から電車で3時間弱。そこには全く違う世界が広がっていました。
最初に見学したのは、舞鶴エリアの赤レンガ博物館。
この赤レンガ倉庫群は海軍が明治時代に建設したもので、昔は兵器倉庫としてつかわれていたそうです。日本でも最古レベルの赤レンガ建築を、自治体と地元のNPOが一緒にリノベーションを行い、地域の文化活動拠点に変えたことで注目されています。
実際に訪れてみると、人もまばらな海辺に沿って幾つも連なる大きな赤れんが倉庫は、百年という歳月を積み重ねたものしか持ちえないノスタルジー感に包まれていました。それと同時にこの古い倉庫を、現代アーティストたちがどのような価値を再発見したのだろう?と、わくわくせずにはいられませんでした。なぜかクリエイティブに関わる人間は、古ければ古いほど、そして汚ければ汚いほど、逆にそこに魅力を感じてしまうのですよね。
ただ外観で期待しすぎたせいか、建物の中に入ってみると残念に思う点もいくつかありました。例えばリノベーションによってヨーロッパ調の円形の柱や金色で縁取られたラセン階段が新設されており、建物本来が持っている良さを殺してしまっていました。こんなに存在感のある建物なら、リノベーションは最低限で良かったのに。また展示作品が斜めに掛けられていたり、中には壁から落ちてしまっているものもあって、企画展としてのパワーは感じられませんでした。うーん、残念。
場所自体の「磁力」は強いので、もっと力のある場所に変えられるはず。若手キュレーターやアーティストを巻き込んで、もっともっと実験的なことにも挑戦して、過去と現在が交錯する面白い場所にしてほしいなと思いました。これからの活動に期待しています。
その後は丹後半島まで足を伸ばし、東経135℃線に惹かれて丹後に住みついてしまったサウンドアーティストの鈴木昭男さんやベルリンを拠点に活躍中の和田淳子さんとハンス・ペーター・クーンさんにお会いしてきました。
彼らが10年かけて自分たちで建てた家も見せてもらいました。
▲鈴木さんが建設中のスタジオ
▲アジア風の広いスタジオ。目の前には和田さんたちが植えたバナナの木が。
▲この台所も手作り
▲お風呂場のタイルも和田さんが自分で選んだそうです。すごい!
ハンス・ピーターに「ちょっと作品を見せてほしい」とお願いしたら、笑顔で「Off cource!(喜んで)」と答えてくれて、お手製のスタジオで作品見学。
▲作品をみせる準備をしてくれるハンス・ピーター
さらに淳子さんがパフォーマンスも披露してくれました!
アーティストの心はなんて広くて自由なんでしょう!
まだまだ知らない世界が広がっている。
もっともっと色んなことに挑戦できる。
そう強く感じました。
目の前には、丹後の澄んだ空と青い海が広がっていました。