先週金曜日はハーバード大学に飛んで行ってしまった金先生に頼まれ、慶應大学メディア・コミュニケーション研究所の金ゼミにゲストスピーカーとして遊びに行ってきました。
今の大学生は一体どんなことに興味があるのだろう?私も興味津々です。
せっかくならみんなが知りたいことをテーマに、具体的にディスカッションを展開したいと思い、最初の30分は学生一人ひとりに自己紹介もかねて私に聞きたいテーマを発表してもらいました。
そこであがったのがこのようなキーワード。
・イノベーションの精神はどうやったら身につけられるか?
・Web時代のメーカーのマーケティング手法
・グローバルに活躍できるキャリア構築法
・プロジェクトの成果を高めるPMのノウハウ
・留学から起業までのキャリアや転機
・クリエイティブへの愛情、クリエイターへの尊敬
・クリエイティブコモンズの可能性と今後の展開
・ロフトワークの人材育成方法と組織力アップの取り組み
ねえ、すごくないですか??
こんな質問ってビジネスセミナーでも挙らないですよね?
あまりのレベルの高さに私、冒頭からビックリしちゃいました。
しかも「Marketing3.0にも書かれているようにこれからの時代は企業理念が問われる時代だと思うんですね、そんな中でWebサイトが果たす役割は・・・」とかさらりと言ってのける。ちゃんとMarketing3.0も読んでるんです。ビジネスマン、負けていられません。
▲必死にとったメモの一部
さらに予定調和で「私はクリエイティブ・コモンズ」「僕もクリエイティブ・コモンズ」みたいに意見を右にならえにしてしまう生徒がいない。これもすごい!
必死でみんなの聞きたいことをメモとり、とはいえ時間は限られてますから、メインテーマは経験を交えた「自分らしいキャリアの作り方」について話をしてきました。
議論の内容は割愛しますが、その翌日、ゼミ幹事の女子生徒からメールが入り「感想がブログにアップされているのでみてください」と。早速見てみると、そこには学生たちの率直な感想が並んでいました。嬉しいコメントがたくさんあったのでいくつか抜粋。
林さんとお話して印象に残っているのが、留学に行った時に肩書がない自分を海外でどう説明し、表現していくかというところだ。自分ならどうするかと考えた時、難しすぎると思った。現在日本であれば「慶應義塾大学の・・・」と言っただけで塾講師のアルバイトは採用されやすくなるし、所属を言えばOBの方に良くしていただける。肩書って本当に楽だが、それを取り払った「肩書が守ってくれない」自分というものを表現できる方法を増やしたい、できれば日本だけでなくそれをグローバルなレベルでできたらいいなと思った。
そう、肩書きが全く効かない環境で聞かれる「Who are you?」。この感覚を持っておくことは大切だと思います。大学名、家柄、会社名、役職。ぜーーんぶなくしたときに自分の説明としてどんな内容を伝えられるか。そこには「自分」しかのこらないから。
千晶さんは相手の話を辛抱強く聞き、さらにそれに対して即座に自分の解釈と答えを返してくださっていました。相手に対する答えを出すにはただ聞いているフリでは応えられません。頭の回転の速さと温かい姿勢を感じました。
そうですか?会社では「もっと人の話を聞いてくれー」とよく言われています(苦笑)
自分の根底にあってブレナイものを一つ貫き通す事が大事ということは、良い考えだなと思った。そして何でも抽象的に考えないで、具体的に考えることも大事だと思う。抽象的に説明するのは案外難しいように見えて、定型的になることが多い。
これは就職活動の時のアドバイス。抽象的な「私は人間関係を大切にする人間です」よりも「親友だったら、おにぎりの具を全部食べられても許します」とか「酒癖が悪い後輩を飲み会の後はいつも2時間かけて送ってました。でもその過程でヤツの本音が聞けるからです。」とかの方が、等身大の人間がわかっていいよね、という話。
エネルギッシュで、パワーに溢れていて、とっても、すんごく素敵な人でした。私も将来、林さんみたいになりたい、と強く自分に願います。
エネルギー値の高さはとても大切だと思うので、学生にエネルギッシュと言われるのは嬉しい!でも私みたいになっちゃダメよ〜
などなど、私もトークと引き換えに、学生の熱い眼差しと元気づけられるメッセージを身体全身にもらいました。
学生のみんなにお礼もかねて返歌ブログをしたためました。