日記

一年の計

時間は、人が捉えづらいものの筆頭だと思う。見えないし、比べられない。さらさら気付かぬうちに流れていく。

捉えようのない時間に対して、少しでも有効に向き合いたいという日本人の知恵が、元旦にまつわる文化慣習を生み出したのかもしれない。

一年という単位で生活を区切り、ちゃんと立ち止まり、省みて、リセットし、新しい一年の計をたてる。それによって時間を少し制御可能なものに感じ、安心するのではないか。(逆に有限とはいえ、何十年も区切りなく明日が続く人生は怖くて想像できない。

この推論があたっているかどうか知らないけれど、元旦という仕組みは素晴らしくよくできていると思う。日本中の多くが、1月1日というこの日に、気持ち新たに夢や目標を考えてしまうのだから。LINEやFacebookなどで交わされるメッセージをみていると実感する。そして今日生まれたであろう数千万個の希望の中に、私のささやかな目標も滑り込ませておくことにする。

朝6時に起きて料理の腕を磨く

菊のお弁当作りもあと一年強。朝からゆっくり出汁をとったり、下ごしらえをしよう。料理は驚くほどその時の気持ちが味にでるから、ゆっくり愛情をかけて美味しい料理をつくれるように心がける。そのために30分起きる時間を早くすることにした。朝に余裕をもつと、一日にゆとりがうまれる。慌てず、焦らず。週末には友だちとホームパーティを開いて、料理の腕へのフィードバックをもらうのも楽しそうだ。

毎週文章を書く

昨年末から始めたこの取り組みを今年も続ける。読まれることより、自分の思考整理を目的とする。格好をつけて抽象化したり、感覚的に細部に囚われることなく、強い言葉で扇動もしない(プレゼンテーションに慣れすぎると強い言葉中毒になっていけない!)。努めて率直に、エッセンスを圧縮する。感じていることの情景がありありと浮かぶような文章を目指す。

拙くても、短くても、時間がなくても、毎週書くルールを守る。テーマは決めない。書きためたら、おのずからどこに向かいたいか見えてくるはず。それまでは徒然なるままに。

インパクトにコミットする

ロフトワークを通じて新しいビジネスの創造に取り組んできた。自社の取り組みもあれば、クライアントとのプロジェクトで進めることもある。領域も生活家電、教育、ヘルスケア、旅、ゲーム、カフェなど多岐に渡る。望んだ通りの成果を得ることもあるし、ごめんなさい!と謝らなくてはいけない時もある。でも総じて、各々の実践プロセスは一定水準に高めることができたように感じている。

一方未だ課題に感じているのは、これらプロセスがまだ手法の羅列になっていて、全体構造になっていないこと。投資に値する「方法論」にまで昇華されていない。例えば、なぜブレーンストーミングをするのか、なぜハッカソンなのか、なぜ多様性が必要なのか。収益には直接表れない「価値」とは何か、なぜそれが重要なのか。こういった質問に、「やればわかる」ではなく、そろそろビジネス視点で説得力のある回答ができるべきではないか。方法論としても、成果としても。それができなければ、私たちのイノベーションへの挑戦は「サークル活動」と揶揄されても、反論の術をもたない。

どの目標も、自分一人では到底実現できないし、するつもりもない(断言)。周りのみんなを全力で巻き込んで、一緒に苦しみ、一緒に楽しむつもりなので、どうぞ今年もお付き合いください。

今日生まれた多くの夢が叶いますように。
2015年1月1日
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