いよいよアートフェアー東京がスタートしました。
柳画像や小山登美夫ギャラリー、SCAIなど日本を代表するギャラリーが集まり古美術から写真、現代アートまで幅広い作品を展示する日本最大の見本市です。
そのポイントは「どの作品も買える」こと!
鑑賞するための作品ではなく買うための作品展示なのです。もちろん資金は必要ですが(笑)
私もプレイベントや特別内覧会に参加してきましたが、会場は国内外のバイヤーやコレクターで埋め尽くされており、想像以上に日本のアートマーケットは熱い!印象を受けました。嬉しいことですネ
4月12日まで東京国際フォーラムで開催されていますので、ぜひ皆さんも足を運んでみてください。
その際、ちょっと楽しみが増えるように
トークラウンジで教えてもらった「数字」も紹介しながら
最近のアート事情について説明してみたいと思います。
■日本のアートマーケットは欧米の1/200?!
世界中でアートフェアが開催されていますよね。
ただ取引額でみると、まだまだ日本は発展途上。
有名なマイアミアートフェアでは取引額は約480億円。
それに対し日本のアートフェア東京は約2〜3億円。
開催期間が短いこともありますが、マーケットサイズが全然違うのです。
またオークション市場も日本は年間取引額が160億円程度と
言われていますが、海外では一晩で600億円の取引が
発生したりしますから、まだまだなんですね。
■しかし、美術館の来場人数は世界トップレベル!
こちらもアートディレクターの辛さん情報ですが、
2006年の世界の美術館で来場者数トップだった展示は
プライスコレクション「若冲と琳派」とのこと。
メディアサボールに詳しい数字がでていましたが、
トップ10のうち4つの展示が日本の美術館というのも驚きです。
1) The Price Collection:Jakuchu
-Tokyo National Museum, Tokyo
2) Leonard Foujita
-National Museum of Modern Art, Tokyo
3) Klimt,Schiele,Moser,Kokoschka
-Grand Palais, Paris
4) Shaping Faith:Japanese Buddhist Statue
-Tokyo National Museum, Tokyo
5) Edvard Munch:the Modern Life of the Soul
-Museum of Modern Art, NY
ということで、日本人はなぜか
「アートはみるもので買うものじゃない」
と考えている様子が浮き彫りになりますよね。
ロフトワークの社内MTGでも私が「せっかくなのでまずは買ってみること!10万もあれば1作品買えます」と言ったらみんなが「たか〜い」というのですかさず反論。「Yくん、昨日冷蔵庫買ったって言ってたよね?あれいくら? そういえばFさんは子供にピアノ買ってあげてましたね〜。 ほら、みんな余裕で買えますね」と。いやな上司でしょうか??(笑)
実際、アートを買うという消費行動は
これからの10年で大きく変わると思います。
なぜなら住環境がどんどん変わってきているからです。
例えば都内で飛ぶように売れている高級分譲マンション。
あんなゆったりとした部屋だったら、
素敵な絵を一枚、買ってみようかなと思うはず。
海外のコレクターももともとの動機は「自慢したい」
ということみたいだから、日本でも近いうちに
「新しい絵を買ったからうちに見に来ない?」
と男性が女性を誘うようになるのではと思うわけです。素敵!
Comments 8
金さえあればなんでも買えるという訳ではありません。
価値が判断できる知性というものが必要です。
そこには自ずから価値がわかる者とわからない者が存在し、
価値がわかる者は金だけではなく、全体として価値をわかる
階級という世界観が存在するのではないでしょうか。
アメリカでは弁護士はメルセ○スに乗っていますが、
マフィアはメルセ○スに乗っているのでしょうか。
「じゃ、Chiakiさん、新しい絵買って!見に行くから!ついでにご飯も食べていくね。」 これじゃだめですか?
どうしても日本の金持ちは精神的に貧乏臭いのが多いから見栄を張れなかったり使えないものには価値を見出せないんですよねぇ。ところでChiakiさんは絵を描いたりはしないんですか?僕は絵を描きますが、彼女にゴミ箱に捨てられたぐらい下手です。
そうなんですよね〜。日本はまだアートを「買う」事に抵抗がありますけど、もっと気軽にアートをインテリアの1つとして買う事が定着して欲しいです。
cfr74710さんの言われるように、確かにルノアール等の古典は割と「客を選ぶ」ところは欧米でもありますが、だからこそ今どきのお金持ちはコンテンポラリーアートをバカスカ買う傾向があります。(米国人はみんな成金だ(笑)!)
マーケットが生まれれば、結果として村上隆が評価される文化や生活ができるアーティストが生まれるので、アートの持つ「インテリア+自慢道具」っていう側面、日本にもっと根付いてほしいです。良い意味で(笑)。
でもデザイン家具を買うより、無印のソファ+アートの方がイケてる気風が出てきているとは思いまーす。
Fです(笑)
2,000円のTシャツを「高い!」と思うわりに、
ピアノは、「じゃ、これで!」って、買ってしまう訳の分からん性格なのですが、
さすがにアート系は余計に手が出せない…
我が家は、絵を飾ったらその絵が可哀想なくらい、生活感ありありの
家ですし、一番クリエイティブという言葉が似合わないですからねー。
なんせ、0と1の世界で生きていますから(笑)
でも、絵の良さとか分かる様になると楽しいんでしょうね。
もっと勉強いたします。
>「じゃ、Chiakiさん、新しい絵買って!見に行くから!ついでにご飯も食べていくね。」 これじゃだめですか?
新しいワザですね(笑) でもそれじゃダメです。やっぱり絵は自分で買わないと、その醍醐味は味わえないと思いますよ。
>Fです(笑)
おお、ふっきぃの登場ですね〜。自らコメントくれるなんて素敵(笑)
でも「クリエイティブ」って、自分で考えているよりも身近なものになっていると思いますよ。そしてふっきぃが「このデザインなんかかっこ悪くない?」という時、この人鋭いな、と思ってたりしますから。
しかし我が家も無印の家具はいっぱいあるんだけど、そこに彩を加えてくれるアートがないんですよね。ということで、今回のアートフェアーで金魚の絵を買おうと思っています。
アートフェアー、買う買わないは別として、確かに目を養う為にも、見に行きたかった! んですが、残念……。
気づいたら期日が終了しておりました。あーあ。
でも、美術館に気軽に行く体質ってのは、(それで満足し、買わなくなっちゃうなら問題はありますが)いいんじゃないかな〜と思います。
観劇やコンサートは日本の価格設定が破格なせいで、なかなか手が出ないのが問題だとか言われますけどね。その分美術鑑賞にいくのかも。一緒にしちゃうのも問題かもしれませんが。
そういえば東京に来て一年になりますが、行ったのは文化村のエッシャー展だけです。演奏は結構聴きに行ってますが。いかんなあ
↑気軽に美術館に行くのはいいですね。こういうの大好きです。
落穂ひろい(17)最近のアート事情
今日ほど美術館が一般大衆に親しまれた時代はかつてなかっただろう。詳細な統計的数