国立西洋美術館のiPhoneアプリ“Touch the Museum”の発表会@銀座アップルに参加してきました。
“Touch the Museum”は、西洋美術館の所蔵作品50点以上を音声や映像で紹介してくれるiPhone/iPod Touch向けアプリ。映像はNHKが担当しているだけあって、カメラワークも映像の品質もさすがでした。
単に作品の解説だけでなく、例えば天井絵として描かれた作品はもともと飾られていたベネツィアの映像も入っていたり、作家の生い立ちも解説してくれるので、作品に対する理解や親近感がぐっと高まります。
難点と言えば、品質にこだわりすぎて重たいことかな(笑) 500MBもあるそうなので、美術館に行ってその場でダウンロードは難しそう。事前にコンピュータからダウンロードするのがおすすめです。
発表会には青柳館長がいらしていて、このアプリ開発の背景や想いを話してくださいました。
「作品解説のときは敢えて音声だけにして文字をアプリに表示させなかったのは、右脳だけで絵に向き合ってほしかったから」と。絵を見て感じるのは右脳の働き。音を感じるのも右脳。それに対して文字を識別するのは左脳。絵を右脳で見て、解説を左脳で読ませていては、頭が行ったりきたりでつまらない。
「できるだけ右脳の働きだけで絵に触れてもらいたいと思ったのです」
こういう視点は、作品に対しても閲覧者に対しても愛があってとても素敵だなと思いました。青柳さん自身、「絵を見る時は、大好きな女性に向き合うような気持ちがします」とのコメント。国立の美術館の館長とは思えない、チャーミングな人でした(笑)
しかし、最近の日本のアート業界は一気にIT対応が加速していますよね。国立近代美術館や森美術館はTwitter活用を始めているし、先日開催されたアートフェア東京などでもトークはUstream前提。メディア芸術祭のiPhoneアプリも秀逸でしたね。今年はその流れがますます加速しそうです。
そしてアート作品含めコンテンツが多様な形で利用されるには、そこにはいつもCCが必要かと。もちろん青柳館長にもCCの紹介をしました。「それはいいね。入れようよ」とのコメントをいただきましたので、早速詳細を説明しに行ってきます。実現させますよ!