感動のTEDxTokyo

今週末はTEDxTokyoに出席しました。
母体となる「TED」というカンファレンスは、テクノロジー、エンターテイメント、デザインの頭文字をとったカンファレンスで毎年2月にカリフォルニアで開催されます。このイベントが網羅する分野は本当に多岐に渡り、あらゆる領域のプロフェッショナルがスピーカーとして登場。参加者も含めて一体となってインスピレーションを共有し、想像もしなかった連携が生まれる、恐らく世界で最も注目されているカンファレンスのひとつです。
ただ参加費6,000ドルと安くありませんし、主に招待制で参加者が決まるため、行ってみたくも行けない人がたくさん。そこでより多くの人を対象にTEDの遺伝子をもったイベントを各国／各地で開催しよう、ということで生まれたのがTEDxなのです。（詳しくはTEDxTokyoサイトをご覧ください）

▲TEDxのライセンス・ディレクター　ララ・スタイン

▲茂木健一郎さんも登壇

TEDxTokyoは今年で二回目。私は今回初めて参加させてもらったのですが、本当にそのクオリティの高さに圧倒されました。あまりに色んな刺激がありすぎて、当日は頭の中がクラクラしてしまいました（笑）。二日経った今日、やっと整理してブログしようかなと思った次第です。
カンファレンスの素晴らしさは私の稚拙な日本語で解説するべきではありません。どうぞ動画アーカイブをみてください（世界中のTEDxの動画はこちら）。すべてのセッションが日英両方で提供されています。映像クオリティも秀逸で、まるで現場にいるかのような臨場感を味わえます。いくつかピックアップしてみましょう。
　心に染み入る感動のウクレレ奏者　ジェイク・シマブクロ氏
　感動のドキュメンタリー「地球交響曲」の監督　龍村仁氏
　人権問題に取り組むHuman Rights Watchの日本代表　土井香苗氏
　あっという間に紙を芸術作品にしてしまう紙切り名人　林家今丸氏
　自称日本以外ではとても有名なコメディアン　神田瀧夢氏
上記以外にも素晴らしいプレゼンが沢山ありました。
最後に、TEDxTokyoが自分にとって新鮮だったところを整理しておきました。
一つ目：軽快なテンポ

登壇するスピーカーは世界トップレベルにも関わらず、与えられている時間はみんな等しく一人18分。長過ぎず、短すぎず。ぎゅっと凝縮されたエッセンスを味わうことができました。最近、Web関係のカンファレンスでもライトニングトークなどで数分形式でのリレートークが増えていますよね。でもTEDが見出した最適解は18分なのですね。参考にしよう。
二つ目：敢えてテーマを縛らない

TED自体にも言えることですが、トークの対象領域をかなり幅広く設定しています。今回もウクレレ奏者から始まり、人権問題、ロボット科学者、宇宙飛行士、コメディアン、シルクドソレイユというパフォーマンス革命団、寄席伝統芸の紙切り名人まで。
こんなにも才能に溢れた人たちが世の中にはいるんだな、人間の可能性ってすごいなと、思いました。そしてこれらが全く無関係かというとそうでもなくて、緩やかに相互連携しながら、全体として何か大きな未来に向かってのビジョンを感じさせるのです。それがまた面白いところです。
三つ目：ボランティアの真価
最も驚いたのはこのイベントの多くがボランティアによって成り立っているということです。企画から登壇者とのスケジュール調整、当日の運営やPRなど、多くの業務がボランティアによって実現している。スピーカーさえも世界から無償で登壇してくれていると聞き、さらに驚きました。
ボランティアだから二流のことしかできない、というイメージは早急に捨て去る必要がありますね。今の時代、逆にボランティアのパワーなくして大きなことはできないのではないか、とさえ感じました。実際、私がメンバーになっているクリエイティブ・コモンズの活動も世界54カ国以上で展開されていますが、私も含めほとんどがボランティアベースですし、例えば越後妻有アートトリエンナーレなどの大型アートイベントも数百名のボランティアの貢献によって実現しています。
この流れは今後ますます強まるのではないでしょうか？　サービスグラントやプロボノといった言葉もよく聞かれるようになりましたね。まさに「多くの人の善意」を集めていかに大きな力と変えていくか。この発想はこれからの時代の様々な活動に重要な視点になっていくと思います。
ということで、日本人は日本語でのプレゼンでも良いかも？とか、いくつか改善提案はありつつも、大満足の一日でした。
しかしJake Shimabukuroのウクレレ、見ているだけで感動です！

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