大阪ガス株式会社 PROJECT

現場の声がきっかけ、ボトムアップでスタートしたプロジェクト。

プロジェクト「TORCH」は大阪ガスのどのような想いではじまり、ロフトワークと作っていったのでしょうか。大阪ガス 情報通信部 ビジネスアナリシスセンター所長 河本薫さんにインタビューしました。

プロジェクト立ち上げの背景

── 今回どんな課題があり新規事業創出のための新しいプロジェクトを立ち上げたのでしょうか?

河本(大阪ガス):近年多くの企業が取り組んでいる、自社内からイノベーションのタネを生み出し新規事業をつくる活動を見ていて、大阪ガスとしてもゼロから新しい価値を作ることにチャレンジしていかなければと個人的に感じてしました。 

そんな折に、入社3年目くらいの若手社員たちからも「新規事業にもっとチャレンジしていきたい」といった声を聞くようになり、私のチームとして何か出来ることはないかと考えていました。

── 現場の声がひとつのきっかけとなってスタートしたプロジェクトだったんですね。

河本:特徴としてボトムアップでチャレンジを重ねていく会社なので、私自身が若手社員たちの意見を聞いたり、自分が感じている課題からまずは小さくプロジェクトを始めようと思ったんです。 

そのはじめの一歩としてMTRL 京都を使って、ある事業部のメンバーと私のチーム十数名でアイディエーションのワークショップをロフトワークと一緒に開催しました。そのときの、外部の方々とコラボレーションして新しいアイデアを生み出す体験がとても良く、参加メンバーの意識が大きく変わったんです。その経験を踏まえて今回も、外部の方々と柔軟に連携し、かつ社内も部署横断で多彩なメンバーを集めて新規事業創出のプロジェクトをスタートさせたんです。

── 河本さんやビジネスアナリシスセンターのチームのみなさんに「TORCH」事務局としてプロジェクトを先導いただきましたが、普段はどのような業務を担当しているのでしょうか?

河本:私たちは普段データ分析の専門チームとして、データ分析とITソリューションによる業務改革を担当しています。ゼロから新規事業にチャレンジしたいという声に応えるために、今回のプロジェクトではProof of Concept(概念実証) の部分で自分たちチームは貢献できると考えました。

なので、我々チームが社内に働きかけて新規事業のシーズとなるアイデアを集め、集まったアイデアをより洗練させ、プロトタイピング、仮説検証、最終的には事業化することを目的にしたプロジェクトとしてロードマップを描きました。やはりゴールは、ビジネスとして成果を出すことです。その点はロフトワークと一緒に、フェーズごとに目的を明確にしながらプロセスを組み立てていきました。

プロジェクトの次のステージとは?

── プロジェクト最初のフェーズを終えて、河本さんの実感はいかがですか?

河本:実は、ロフトワークのみなさんにプロジェクト名「TORCH」やそのコンセプトを考えていただいた時、名称やコンセプトを作り込むことがそんなに大事だとは思っていなかったんです。 

でも、今では社内で「TORCH」という言葉が行き交っていて、プログラムに参加してくれた社員はもちろん、コンテストを見に来てくれた他の社員もプロジェクトのコアとなるコンセプトをちゃんと理解してくれていると感じています。

私自身も、5日間のプログラムで実践した行動観察やリフレーミングの手法がとても勉強になりました。また外部講師の山口さんや、審査員の菊池さんのメンタリングやアドバイスが、アイデアを具体的にビジネスとして形にしてくプロセスと、その難しさを実感させてくれる貴重な機会になりました。

── 「TORCH」の今後の展望を教えてください。

河本:フェーズ1としてはプログラム最終回のコンテストが成功して社内からも好評をもらっています。プロジェクトの最終的なゴールは、大阪ガスとして新しい価値を社会に届けること。そしてビジネスとしてインパクトを生み出すことにあります。

今後は、すでに他の企業が取り組んでいるような、新規事業創出のあり方を参考にしながら、会社としてバックアップ出来るような体制に向けて少しずつ前進していきたいと思っています。

プロジェクトの詳細

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