

都市の気候をめぐる未来の暮らしをシステム思考で探索するレクチャープログラム
2025年 8月22日(金) 〜 10月17日(金)

Systems Thinking, Future Design
都市の気候にどう適応する?
熱中症やゲリラ豪雨。都市の気候は独特な生活条件をつくりだし、それに合わせた社会や経済のシステムの変化が問われています。都市開発からファッションまで、ビジネスに関わる登場人物は多岐に渡るでしょう。しかし一方で、気候変動というマクロスケールな問題への印象は、どこか自分ごとにしづらい現実もあります。
このギャップを縮めるために、微気候(Microclimate)に着目します。局所的な気候を表すこの言葉が示すスケールは、身体や住宅、あるいは通勤路や商業施設といった、都市の暮らしそのものです。この視点に立ったとき、熱、雨、風、雲、光、影といった現象への適応・緩和は、私たちの未来の暮らしとどのように絡み合っていくのでしょうか。
こうした問いに基づいて「変革のデザイン」シリーズのスピンオフ企画として、システム思考を下敷きにして課題探索を行う全7回のレクチャープログラムを開催します。扱うトピックは、人類学、データ、都市気候、需要予測、ヘルスケア、ツーリズム、宇宙と多岐にわたります。研究者・実践者の知見に学びながら、自らも観察したり記録する中で、都市の気候をめぐる未来を一緒にリサーチしていくことを目指すプログラムです。

POINT
1
ビジネスに活かせる課題を探索する
気候の問題を身の回りのサイズで捉えます。自分の暮らし、または自分の関わるビジネスやサービスにおいて、どのような未来の都市のエコシステムが描けるかをリサーチし、ブックにまとめます。
2
システム思考を経験を通じて学ぶ
大局、全体で捉えるだけでなく、経験、身体で学習することを重視します。そのために、多視点でのレクチャー、日陰のプラクティス、富山でのフィールドワークを通じて、実感を獲得します。
3
共創のフレンズを見つける機会に
参加者同士で振り返ったり話したりする機会を設けることで、つながりやシナジーを生み出すきっかけづくりをします。最終日にはFabCafe Osakaでの懇親会を設けます。
こんな方におすすめ
-
緑化や冷涼さを組み込んだ場づくりを計画する都市開発・公共サービスの事業責任者の方
-
街のインフラとして機能する憩いのシェルターやコモンズを考えたい官公庁・自治体の方
-
気候への適応や緩和を盛り込んだプロダクト・サービスを構想する事業開発担当者の方
-
気象・気候データと都市におけるニーズとのマッチングを探究したい研究機関の方
-
その他、気候の変化がもたらす都市の未来の構想を、自社の経営や事業に活かしたい方
TIMETABLE
タイムテーブル
LECTURE
オンライン参加(最終日のみ会場参加)
全7回(計5日)です。レクチャー後はQ&Aタイムを挟み、ディスカッションします。
DAY1 : 8/22(金)オンライン
19:00-21:30
OPENING MESSAGE
- 株式会社ロフトワーク シニアディレクター 国広 信哉
- 株式会社ゴールドウイン Goldwin Field Research Lab. 上沢 勇人
LECTURE 1
ミクロに気候を捉える/都市のエコロジーを観測する
- 大阪大学人間科学研究科 教授 森田 敦郎
LECTURE 2
データで課題解決するための思考フレーム
- 滋賀大学データサイエンス学部 教授 河本 薫
DISCUSSION
- グループに分かれてディスカッション
DAY2 : 8/27(水)オンライン
19:00-21:00
LECTURE 3
気象・気候ってどんなもの?/都市気候研究の最前線
- 筑波大学計算科学研究センター 教授 日下 博幸
DISCUSSION
- グループに分かれてディスカッション
PRACTICE
- 株式会社ロフトワーク シニアディレクター 国広 信哉
DAY3 : 9/8(月)オンライン
19:00-21:00
LECTURE 4
気象データのビジネス活用/気象とヘルスケア
- (一財)日本気象協会 気象予報士・シニアアナリスト 小越 久美
DISCUSSION
- グループに分かれてディスカッション
PRACTICE
- 株式会社ロフトワーク ディレクター 村上 航
DAY4 : 9/25(木)オンライン
19:00-21:00
LECTURE 5
都市の建築における気候(自然)の捉え方とは?
- 株式会社日建設計 執行役員 設計グループ代表 羽鳥 達也
DISCUSSION
- グループに分かれてディスカッション
PRACTICE
- 株式会社ロフトワーク ディレクター 村上 航
DAY5 : 10/17(金)
FabCafe Osaka
17:30-21:00
LECTURE 6
Play Earthの事業とは?/自然と都市との関わり方
- 株式会社PLAY EARTH PARK 代表取締役社長 木村 宏
LECTURE 7
ALEの事業とは?/宇宙から都市の気候をみる
- 株式会社ALE代表取締役/CEO 岡島 礼奈
TALK SESSION
- 株式会社ロフトワーク Culture Executive 岩沢 エリ
- 株式会社PLAY EARTH PARK 代表取締役社長 木村 宏
- 株式会社ALE代表取締役/CEO 岡島 礼奈
CLOSING TALK
- 株式会社ロフトワーク シニアディレクター 国広 信哉
- 株式会社ゴールドウイン Goldwin Field Research Lab. 上沢 勇人
- 大阪大学人間科学研究科教授 森田 敦郎
NETWORKING
- 簡単なフィンガーフードをご用意しています。
FIELDWORK
現地参加(任意 / 抽選)
現地集合・現地解散です。会場の広さの都合上、抽選となります。希望される方は、申し込みフォームにて受付します。
9/16(火)Goldwin Tech Lab(富山県小矢部市)
13:30-16:00
視察・ディスカッション
前半はテックラボを見学し、後半は参加者で振り返りを予定しています。
Goldwin Tech Labについて
Goldwin Tech Labは創業の地である富山県にあり、ゴールドウインのものづくりの技術を礎にした研究開発機能、アイディアをすぐに実践、実装するためのマザー工場機能、そのインスピレーションで世の中とコミュ二ケートしていく情報発信機能をもち、これからのものづくりのあり方を探求し続ける施設です。
https://corp.goldwin.co.jp/techlab/ 新しいタブで開く

SPEAKER
登壇者
-
森田 敦郎 大阪大学人間科学研究科 教授
都市エコロジー観測所 LECTURE プロフィールを見る森田 敦郎
大阪大学人間科学研究科 教授 / 都市エコロジー観測所
人類学者。テクノロジー・社会・環境の関係をエスノグラフィの手法を通して研究してきた。とくに、日々の暮らしが環境・気候危機といかに繋がっているのかを、物流、エネルギー、生産などのインフラストラクチャーに注目して理解しようとしてきた。「つくること」を通して暮らしを支えるテクノロジーと環境の関係を探究するクリティカル・メイキングの実験も行っている。
-
河本 薫 滋賀大学データサイエンス学部 教授
元 大阪ガス(株)ビジネスアナリシスセンター 所長 LECTURE プロフィールを見る河本 薫
滋賀大学データサイエンス学部 教授 / 元 大阪ガス(株)ビジネスアナリシスセンター 所長
1991年、京都大学応用システム科学専攻修了。大阪ガスに入社。1998年から米国ローレンスバークレー国立研究所でエネルギー消費データ分析に従事。帰社後、大阪ガスにてデータ分析による業務改革を推進。2011年からデータ分析組織であるビジネスアナリシスセンターの所長を務め、大阪ガスにおいてデータ分析組織を定着させた。日経情報ストラテジーが選ぶ初代データサイエンス・オブ・ザ・イヤーを受賞。2018年4月より現職。2024年3月まで大阪大学招聘教授を兼任。博士(工学、経済学)。著書に『会社を変える分析の力』(講談社現代新書)、『最強のデータ分析組織』(日経BP)、『データドリブン思考』(ダイヤモンド社)、『データドリブンカンパニーへの道』(講談社)など。厚生労働省が選ぶ「卓越した技能者(現代の名工)」。NHKプロフェッショナル仕事の流儀にも出演。
-
日下 博幸 筑波大学 計算科学研究センター
教授 LECTURE プロフィールを見る日下 博幸
筑波大学 計算科学研究センター / 教授
博士(理学)。1997年筑波大学大学院修士課程修了。1997年(財)電力中央研究所研究員。2002年-2004年アメリカ国立大気研究センター(NCAR)に滞在。2006年筑波大学講師、2011年同准教授、2016年同教授。ヒートアイランド現象、都市豪雨、フェーン現象、局地風、富士山の笠雲・吊るし雲、雲海などの日本各地の身近な気象を研究している。スーパーコンピュータと野外観測の二刀流のめずらしい気象学者である。アメリカ気象学会Helmut E. Lansberg Awardおよび日本気象学会賞の受賞者。著書『学んでみると気候学はおもしろい』(ベレ出版)、『見えない大気を見る』(くもん出版)、『日本気候百科』(丸善出版)ほか。
-
小越 久美 (一財)日本気象協会 気象予報士・シニアアナリスト LECTURE プロフィールを見る
小越 久美
(一財)日本気象協会 気象予報士・シニアアナリスト
1978年生まれ、岐阜県出身。筑波大学第一学群自然学類地球科学専攻(気象・気候学)卒業。「日テレNEWS24」などのTV・ラジオで気象キャスターとして活躍。気象予報士・健康気象アドバイザーとして生活と気象に関する本を複数出版。現在は日本気象協会の商品需要予測事業シニアアナリストとして、企業のマーケティング向け解析や気象による経済への影響のコンサルティングを行っている。より多くの企業課題を解決するため、気象業界初となる「2年先長期気象予測」を開発し、令和7年度 文部科学大臣表彰(科学技術振興部門)を受賞。
著書「かき氷前線予報します~お天気お姉さんのマーケティング」「低気圧女子の処方せん」「天気に負けないカラダ大全」 -
羽鳥 達也 株式会社日建設計 執行役員 設計グループ代表
東京都市大学 建築都市デザイン学部 客員教授 LECTURE プロフィールを見る羽鳥 達也
株式会社日建設計 執行役員 設計グループ代表 / 東京都市大学 建築都市デザイン学部 客員教授
建築の設計監理、都市・地域計画などを行う日本最大の総合設計事務所、日建設計の設計グループ代表を務める。JIA新人賞を受賞した神保町シアタービルや、日本建築学会賞を受賞したNBF大崎、桐朋学園音楽学部調布キャンパス1号館。JIA環境建築賞最優秀賞を受賞したコープ共済プラザなどを手がけるほか、避難計画手法を応用し開発した「逃げ地図」は、全国に広まっている。近年、より包括的な環境問題である、地方の人や物の移動やインフラを含めた複合的な社会課題解決のため、地域や街の可動性について研究するCo-Mobility Labを設立し、国交省の補助事業でもある「コミュニティ ドライブ プロジェクト」に参画。
2021年には日経アーキテクチュア誌「建築デザインを改変する最重要人物10人」の一人に選出されている。 -
木村 宏 株式会社PLAY EARTH PARK 代表取締役社長 LECTURE プロフィールを見る
木村 宏
株式会社PLAY EARTH PARK 代表取締役社長
日本大学文理学部ドイツ文学科卒業後、リゾート開発、ホテル経営会社の勤務を経て、長野県に移住、自らの宿泊施設の経営後の後、長野県飯山市のグリーンツーリズム事業に参画、体験型宿泊施設の立ち上げ、温浴施設、道の駅、アートミュージアム、郷土料理店などの公共施設運営、着地型商品の造成、観光まちづくり事業を推進し、新幹線飯山駅構内の観光交流拠点整備にも関わる。日本のロングトレイルの普及活動にも従事する。
2015年10月より株式会社小布施堂に常務取締役として就任し、観光施設のリニューアルを推進。2015年12月には北海道大学大学院観光学高等研究センターに着任し、2023年10月には同センターの教授を経て客員教授(現職)に就任。さらに、2023年4月からは株式会社PLAY EARTH PARKの代表取締役社長(現職)を務める。 -
岡島 礼奈 株式会社ALE代表取締役 / Founder & Chief Executive Officer LECTURE プロフィールを見る
岡島 礼奈
株式会社ALE代表取締役 / Founder & Chief Executive Officer
鳥取県出身。東京大学大学院理学系研究科天文学専攻にて博士号(理学)を取得。修了後、ゴールドマン・サックス証券株式会社へ入社。2009年から人工流れ星の研究をスタートさせ、2011年9月に株式会社ALEを設立。現在、代表取締役/ Chief Executive Officer。
宇宙・科学以外のcuriosity: 生物観察 -
国広 信哉 株式会社ロフトワーク
シニアディレクター OPENING / CLOSING / PRACTICE プロフィールを見る国広 信哉
株式会社ロフトワーク / シニアディレクター
美術展やVIのグラフィックデザインを7年間手掛けたのち、2011年ロフトワーク入社。ロフトワーク京都ブランチの立ち上げに従事。企業や省庁の新サービスの顧客開発や、新技術の用途開発などの機会領域を社会に問いながら探っていくプロジェクトが得意。主な担当に、高齢社会の機会領域を探る基礎調査「Transformation」、オンライン融資サービス「ALTOA」顧客開発、成安造形大学特別授業「デザインdeath」など。米国PMI®認定PMP®。趣味は山のぼり、辺境音楽収集、野外録音。大阪大学人間科学研究科博士前期課程に在籍しながら、デザインと人類学の周縁を研究中。
-
上沢 勇人 株式会社ゴールドウイン マーケティング部
Goldwin Field Research Lab. OPENING / CLOSING プロフィールを見る上沢 勇人
株式会社ゴールドウイン マーケティング部 / Goldwin Field Research Lab.
2019 年入社。THE NORTH FACE STANDARD のショップスタッフを経て、2023 年よりマーケティング部所属。趣味はロングトレイルやバックパッキング。ここ 3 年ほどはトレイルランにハマり 100mile の完走を目指してトレーニング中。
-
岩沢 エリ 株式会社ロフトワーク
Culture Executive TALK SESSION プロフィールを見る岩沢 エリ
株式会社ロフトワーク / Culture Executive
東京都出身、千葉市在住。大学でコミュニケーション論を学んだ後、マーケティングリサーチ会社、不動産管理会社の新規事業・経営企画室を経て、2015年ロフトワークに入社。マーケティングチームのリーダーとして、ロフトワークのコミュニケーションデザイン・マーケティング戦略設計、チームマネジメントを担う。2022年4月からCulture Executiveを兼任し、未来探索と多様性を創造力に変えるカルチャー醸成に取り組む。最近では、「分解可能性都市」をテーマに、生産・消費に加えて分解活動が当たり前となる都市生活へシステムチェンジするためのデザインアプローチを探究している。1児の母。
-
村上 航 株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター PRACTICE プロフィールを見る村上 航
株式会社ロフトワーク / クリエイティブディレクター
大学在学中に「地域おこし協力隊」に着任し、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等に携わる。そのなかで出会った農林漁業やものづくりを生業とする人の知恵や語る言葉が強く印象に残り、見聞きしたことを伝える手段としてのデザインに興味を持つ。その後6年間、デザイン事務所で印刷物やWEBなどビジュアルデザインの経験を積む。日々伝えるためのデザインを制作する中で、目の前にある問題だけでなく、顕在化されていない課題にもアプローチしていきたいと考えるようになり、2022年7月ロフトワークに入社。
TICKET
チケット概要
含まれるもの
- 全レクチャーへの参加
- アーカイブ動画とレクチャー資料
- PDF版リサーチブック(2026年1月配布予定)
含まれないもの
- FabCafe Osakaまでの交通費
- FabCafe Osakaでのドリンク代
- ゴールドウイン・テックラボまでの交通費
ご注意
- 本プログラムは、システム思考のプロセス、ツールを体系立てて学ぶ講座ではなく、一部のツールを使いながら経験や対話に重きをおくカジュアルな講座です。
- 各レクチャーのテーマは仮です。
- フィールドワークは任意参加です。現地集合・現地解散になります。会場の広さの都合上、抽選となります。希望される方は、申し込みフォームにて受付します。
- お支払い方法について、申し込みの方には決済用のURLをお送りします。7月31日(木)23:59までに支払いをお願いします。
- 購入後のキャンセル・返金は、8月14日(木)23:59以降、不可となります。また、プログラム開始後、欠席される場合も返金は不可となります。ただし、急病や天災などの特例に限り、対応を検討いたします。
- チケットの転売・譲渡については原則禁止ですが、同じ社内の方への譲渡は可能です。その際は、事前に運営までご連絡をお願いいたします。
- 参加者の皆さんの写真・議論・ノートの内容は後日ロフトワーク及びFabCafeのWebサイトやメールマガジン、及び各種SNSリサーチブックに掲載する場合があります。
- プログラムは、予告なく変更される場合があります。
- 本プログラムの取材をご希望の方は、ロフトワークまでお問い合わせください。
OUTLINE
プログラム概要
イベント名 | Y/Our Climate(ユアクライメイト) ー都市の気候と未来の暮らしをシステム思考で探索するレクチャープログラム |
---|---|
開催日 |
レクチャー DAY1:2025年8月22日(金)19:00-21:30 DAY2:2025年8月27日(水)19:00-21:00 DAY3:2025年9月8日(月)19:00-21:00 DAY4:2025年9月25日(木)19:00-21:00 DAY5:2025年10月17日(金)17:30-21:00 フィールドワーク 2025年9月16日(火)13:30-16:00 (任意 / 抽選) |
会場 | zoom(最終回のみFabCafe Osaka / フィールドワークは富山) |
配信 | なし(参加者には動画アーカイブの配布あり) |
参加費 | ¥66,000(税込) |
参加人数 | 40名 |
主催 | 株式会社ロフトワーク、FabCafe Osaka |
協力 | 株式会社ゴールドウイン、都市エコロジー観測所 |
ロフトワークは「すべての人のうちにある創造性を信じる」を合言葉に、クリエイターや企業、地域やアカデミアの人々との共創を通じて、未来の価値を作り出すクリエイティブ・カンパニーです。目先の利益だけにとらわれず、長い視点で人と企業と社会に向きあい、社会的価値を生み出し続けるビジネスエコシステムを構築します。
FabCafeは、世界中に拠点を持つクリエイティブコミュニティです。 人が集うカフェに、3Dプリンターやレーザーカッター等のデジタルものづくりマシンを設置。 “デジタル”と“リアル”の壁を自由に横断し、未来のイノベーションを生み出します。
ゴールドウインは、モノづくり、コトづくり、環境づくりの3つを軸に、スポーツやアウトドアの領域を中心に人々の新たな挑戦を支え、その可能性をひらいていくライフスタイルクリエイティブカンパニーです。素材や技術、テクノロジー、環境の研究を日々行いながら、多様な背景、専門性をもったブランドの知恵やアイディアをゴールドウイン全体で共有し、モノづくりとコミュニケーションを進化させ続けています。スポーツから日々の暮らしまで、人間のパフォーマンスを最大化することはもちろん、環境負荷を可能な限り減らし、人間を生かし、人間が遊ぶフィールドである自然をより豊かなものにしていきます。誰かがではなく、私たちが率先し、よりよい未来をつくっていきます。
都市での私たちの生活は、さまざまなモノや資源の流れによって支えられています。電気、上下水道、ガス、といったライフライン、スーパーマーケットに食料を供給する物流システム、インターネット。ネットワーク状のインフラストラクチャーが、私たちの都市での生活を成り立たせています。そして都市は、複雑な生態系でもあります。公園や庭、街路樹、河川、周辺の農地や山地、そこに降り注ぐ太陽光や雨、風が、建物や舗装された道路などの建造物環境と相互作用しています。都市エコロジー観測所は、この複雑な関係性が私たちの生活をどのように形作っているかをDIY的に探求し、観測、記録する市民参加型の施設です。
Q&A
Q. 全日程に参加できませんが、申し込みは可能ですか?
A.
はい、可能です。登壇者または参加者同士の交流もあるため、なるべく全日程参加いただくことをおすすめしています。やむなく欠席される際には、アーカイブ動画でレクチャーのキャッチアップをお願いします。
Q. キャンセルはできますか?
A.
はい、できます。ただし払い戻しは、8月14日(木)23:59までとさせていただいておりますので、以降はご対応できないことをあらかじめご了承ください。
Q. チケットの追加販売はありますか?
A.
いいえ、ありません。レクチャーでのコミュニケーションをなるべく豊かにしたいため、最大40名としています。最終日の会場のキャパシティも40名です。
Q. 領収書発行はできますか?
A.
はい、できます。別途、ご相談ください。
Q. 請求書払いはできますか?
A.
はい、できます。mkuni@loftwork.comまでお問い合わせください。
Q. フィールドワークへの抽選結果はいつわかりますか?
A.
8月中旬を予定しています。

MESSAGE
メッセージ
今年も全国的に猛暑になるでしょうー。
ニュースで語られる夏の予報に一喜一憂しながらも、心のどこかで「またか」と意識の外に置いてしまうことはないでしょうか。そこには、暮らしと天気の分断があり、影響のある生業を持たない限り、必要に応じてスマホのアプリを開くだけという関係性にとどまってしまうのが都市の暮らしです。
しかし、重要なのはこの気候があるからこそ社会が成り立っていることに敬意を払うことー、そのためには、見えないものを見ようとしたり触ることができる実感を持つことなのかもしれません。例えば、私が取り組んでいる太陽光だけでウェブサーバを動かす「オフグリッドウェブサイト」の試みは、その土地の日照時間、日射角度、曇天や影といった気候のライフサイクルに左右されます。これは自然のエネルギー利用を推進する持続可能なデジタルデザインへの挑戦でもありながら、環境や技術を管理・コントロールすることから離れ、見えないものへの存在を尊び、身を委ねていく試みでもあります。
ここで微気候のような、スケールのパラメータを大きなものから小さなものへ移動させることの重要さを再確認することができます。気候との距離を自分ごとへ引き寄せることによって、取り組みたい / 取り組むべき対象へと変容させ、そこにビジネスやデザインを介入させることができるのです。ファン付き衣服を身につけることや天井の断熱を行うといったDIYレベルから、都市景観や行政サービスの設計・計画といったDITレベルまで、大・中・小・微の気候がどのように暮らしと関わっていくかをみんなで探索し考察していくことは、まだ見ぬ課題と機会の種ー私たちがポジティブな気持ちをこめて呼ぶ「Wish」ーを発見していく貴重な場になると考えています。
最後に、農学者のT.B.フランクリンが1955年に書いた『Climates In Miniature』には、以下のような文章が書かれています。いかに気候を自分ごととして腹落ちさせ、それに対して応答していくか。都市で失われた感覚へのヒントはこの一説にも隠されているはずなのではないかと思います。
私たちの庭では天気をあるがままに受け入れ、それを自分たちの目的に合わせて修正するために何ができるかを行います。私たちの最も野心的な予報は、今夜(自分の庭が)凍結する可能性があるかどうか、そしてもしそうなら、何をするかを決めることだけです。(Frankin 1955)
企画:株式会社ロフトワーク シニアディレクター 国広 信哉
FabCafe Osaka
FabCafe Osakaは、天神祭で有名な大阪天満宮や、淀川流域の文化に育まれた天満・南森町エリアにオープンしました。私たちは、この地域は、都市的な賑わいと地域性が調和する独特の魅力を持ち、新しい都市のあり方を探求するエリアになると考えています。
私たちが提案するのは、形式に縛られない美しさを追求する美術の思想「L’Informe(アンフォルム)」を取り入れた体験です。地域の歴史や文化に眠る価値を再発見し、形を持たない「感性」や「情緒」をテーマに、新しいカルチャーを創造します。
FabCafe Osakaでは、これまでの3Dプリンターやレーザーカッターに代わり、「L’Informe」を具現化するツールとして“蒸留器”を導入。香りを活用した飲食体験や、感覚を刺激するアクティビティを展開します。訪れる方々が感性や情緒を育み、新たな可能性を発見できる体験を提供します。