Webサイトを訪れたときユーザーの印象に残るのは、グラフィカルなデザインや仕掛けのある動き、読み応えのあるコンテンツなどの「見えるもの」に限られるでしょう。しかし、普段は目に見えないけれど、実は目に見える部分と同じくらい重要なシステムがすべてのWebサイトを支えています。今回はクライアントにとって最適なシステム設計を提案する、テクニカルディレクター、関井遼平をご紹介します。ロフトワークの縁の下の力持ちです。

ディレクターと開発技術者の調整役、それがテクニカルディレクターの仕事です

まず、テクニカルディレクターというのはどういう仕事なのでしょうか? 

「ロフトワークのテクニカルディレクターは、案件を技術面からマネジメントする役職です。といっても、テクニカルディレクターが、実際にコーディングしたり、プログラミングをするわけではありません。社内にクリエイターを常駐させないロフトワークのスタイルはシステムサイドでも共通で、都度外部の方々とプロジェクチームを結成して、制作をしています。その中で、プログラマーやコーダー等の技術者とWebディレクター、そして時にはクライアントとWebディレクターの間に入って、案件に対してどんなシステムの構築が最適か、ディレクターが作成した仕様書を実現できるコーディングがどんなものか、またはクライアントが運用しやすい作りになっているかなどを精査・調整します」

ロフトワークの最終面接で落ちたとき、手紙を書いて食い下がった

関井はコンピュータ理工学系の単科大学出身で、2008年4月、新卒でロフトワークに入社しました。SE職への就職が一般的な中、ロフトワークを選んだモチベーションとは何だったのでしょうか? 

「在学中から自分はプログラマーというよりも、人と接して何かを作っていくディレクター的な立ち位置が合っているなとは感じていました。なので、最初はWebディレクター職を探していてロフトワークと出会ったんです。今でこそロフトワークは、大手企業のグローバルサイトの開発から、ゲームコンテンツ、またFabCafeというものづくりカフェまで幅広いプロジェクト手がけていますが、僕が入社した当時は今よりももっと小さな会社でした。けれども、入社した頃からWebの制作だけにとらわれず、たとえば建築をしたいとか、柔軟な発想と広い視野を持って新しいものを作っていきたい、という姿勢だったのを記憶しています。それが僕にはとても魅力的でした」

しかし、入社を希望するも、関井は最終面接で落選してしまいます。でも関井はここで諦めませんでした。 

「最終面接が代表の林だったのですが、落選の結果を手にした後、林に宛ててもう一度面接をしてほしい、という手紙を書いたんです(笑)。すると返事があって、もう一人の代表である諏訪と話をしてみないか、というオファーをいただきました。そして諏訪から勧められたのが、システムdivだったのです。実際、自分が大学時代に学んだ技術系の知識を役立てることのできる部署でもありましたし、徐々に自分のやりたいことにチャレンジしていくこともできるだろう、ということで二つ返事で入社を希望しました」

パーティーにてお客様を迎える(写真左)

クライアントの気持ちに寄り添う、テクニカルディレクターという仕事

技術的な知識や調整力を必要とするシステムdiv.の仕事。関井のテクニカルディレクターとしてのモットーとはなんでしょうか。 

「モットーはクライアントにとって使いやすいものだったり、お客さんにとって嬉しいものをきちんと作れることですね。クリエイティブディレクターは、クライアントの求めるWebサイトやサービスを作ることでユーザはどう反応するか、などWebサイト構築の先の効果を見ていると思うのですが、僕たちテクニカルディレクターは、もっとクライアント自身の使いやすさや運用のしやすさを考えますね。だから、いつもクライアントの会社の中の運用体制を考えたり、より使いやすいものがないか、という視点で考えています」

最後に仕事のやりがい、そしてこれからの目標について尋ねました。 

「実際にディレクターが書いた仕様書が開発者に手渡され、デザインが実装されて、動きや形になったところを見る瞬間というのは、やはり胸が熱くなり、ああ楽しいな、と思いますね! そして、やっぱり僕は技術者としてプログラミングをするより、実際にクライアントと話すのが楽しいなと日々実感しています。今は、クライアントと直接会うのはプロジェクトの始まりなどシステム側の意見が必要な時だけ、プロデューサーやディレクターとともに話しにいくのですが、今後は、もっとクライアントと対話しながら、より良い提案をしていけたらと思っています。いやー、まだまだですね。がんばらないと」 

一見見えにくくテクニカルなシステムの裏側には、クライアントの気持ちになって使いやすさを追求する、温かい想いがあるようです。その姿勢は社内においても同じで、何かネットワークに不具合が生じたり、PCの操作が分からなくなると、スタッフは皆関井に助けを求めに行きます。そのたびに関井は嫌な顔一つせず、一緒に解決方法を考えてくれる。その優しく真摯な姿勢と、常に妥協を許さない向上心で、これからもロフトワークを力強く支えていってほしいと思います!

屋上にてスタッフと皆既月食を見る(写真左)

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