招待制イベント大阪城東部地区セッション Vol.3
土地を文化とサイエンスの視点で深掘りする

文化の視点と科学の視点で、清濁併せ持つ土地の魅力を深掘りする

大阪城の麓・森之宮エリアでは、2028年春の「まちびらき」に向けて、新しい街の姿を描く活動が進行中です。 森之宮団地においても、地域に根ざした歴史や文化的文脈、そして人と自然の共生をテーマに、これからの団地・まちのあり方を模索しはじめています。

本イベントでは、森之宮のまちを多角的に紐解く第一歩として、4名の異なる領域の専門家/実践者から、土地を捉え、関与する視点を学ぶことで、森之宮を再発見するアプローチを探る機会です。開発に関わる関係者はもちろん、過去や現在に森之宮に関わりのあった方や、これから関わりたいと思っている方もぜひお越しください。

物語、都市、科学、デザイン —4つの視点から森之宮を見つめ直す

森之宮という土地の過去と現在をどう捉え、そこからどんな問いを立て、どんな未来のストーリーを地域とともに紡いでいくか。人間社会の歴史や文化の深掘りだけでなく、人間以外の生物や環境に現れる現象にも目を向け、両者を行き来しながら捉えることが、これからのまちづくりには重要ではないでしょうか。

今回のイベントでは、4名のゲストをお招きし、それぞれの専門性から森之宮を見つめるための視点を共有いただきます。

物語の視点|陸奥 賢氏(大阪まち歩き大学 学長)

まちの記憶を読み解き、風景に宿る物語を人々と共有する場をデザインする“まち歩き”の専門家。土地に眠る歴史や人々の営みに耳を澄ませ、地域の方々と愛着や誇りを育んでいく手がかりを探る活動を展開されています。森之宮という場所がどのような時代の流れとともに変化してきたのか。まちのストーリーをどう立ち上げ、地域とどのように共有するのか、そのアプローチを伺います。

都市の視点|杉本 容子氏(株式会社ワイキューブ・ラボ 代表取締役)

パブリックスペースと市民をつなぐ実践を重ねてきた都市デザインの実践者。現在も進行中の東横堀川のプロジェクトをはじめ、水辺をハブとしたまちの営みの仕掛けや、地域・行政・民間が連携しながらまちの未来を形づくるプロセスを共有いただきます。「共に構想し、共に育てる」都市の文化をどのようにデザインしていくか、その視点に触れます。

科学の視点|伊勢 武史氏(京都大学 フィールド科学教育研究センター 准教授)

環境科学・生態学を軸に、人間と自然の共存の可能性を科学的に探る研究者であり、市民と科学をつなぐ活動にも取り組まれています。複雑に変化し続ける都市環境の中で、自然と人間がどのように影響を与え合っているのか、そしていかに調和・共存しうるのか。人間以外の視点も含めた多層的な捉え方を共有いただきます。

デザインの視点|狩野 佑真氏(Creative Director /Designer)

下水汚泥から釉薬を作り、タイルを作り出すプロジェクトや、あらゆる環境下で立ち現れるサビを「育て、収穫する」プロジェクトなど、素材に向き合うことで、人間や人間以外の活動の痕跡をデザインとして昇華するデザイナー。清濁ある都市の特徴を、物質性との対話から見出すアプローチを共有いただきます。

会場となる「ほとりで」について

現在、大阪城の麓、大阪城東部地区(JR/大阪メトロ森ノ宮駅周辺)において、2028年春のまちびらきを目処にまちづくりの検討が進んでいます。大阪公立大学森之宮キャンパス開設や新駅開業もひかえ、地域や大学と共に進める街づくりが目指されています。そうした中、この地区にUR賃貸住宅とUR森之宮ビルを所有するUR都市機構では、UR森之宮ビルの1階部分を活用し、UR賃貸住宅や地域の“あたらしい関係性”から“あたらしい価値”を創出する取組をはじめようとしています。

1年目の活動は、まずはインプットとコンセプト醸成のフェーズとして、文化的な視点や科学的な視点など、複数の視点から森之宮を見つめることを通して、エリアの開発に関わる方々や自治体、地域の方々と一緒に、森ノ宮団地のこれからのコンセプトを作っていこうとしています。(現時点では「AQUA GROVE構想」という言葉を掲げながら、土地の歴史や特徴を踏まえたうえで、人々の生活と環境が共存できる街のあり方を探索しようとしています)

こんな方におすすめ

  • 都市における人と自然が共生するデザインについて模索されている方
  • 大阪城東部地区エリアの活動に興味のある方/関わりたい方

 

バナー写真撮影:松本 陵

Program

13:00-13:05

イントロダクション

13:05-13:15

インプットトーク|UR都市機構

  • 森之宮エリアにおける開発計画や目的、コンセプトの共有
13:15-13:35

ゲストトーク1|陸奥 賢(大阪まち歩き大学 学長)

  • 森之宮エリアの歴史やエピソードの紹介
  • 人々の地域への愛着やアイデンティティを醸成する活動について紹介
13:35-13:55

ゲストトーク2|杉本 容子(株式会社ワイキューブ・ラボ 代表取締役)

  • 東横堀川でのご活動など、水辺の利活用調査やそこから展開されているご活動のご紹介
  • 地域の方々と活動を作っていくことについて
13:55-14:15

ゲストトーク3|伊勢 武史(京都大学 フィールド科学教育研究センター 准教授)

  • 地域の環境を捉える手法
  • 人と環境の幸せな共存のあり方とは
14:15-14:35

ゲストトーク4|狩野 佑真(Creative Director /Designer)

  • 清濁ある土地の特徴を価値に変えるデザインとは(〜サビや下水汚泥をプロダクトに変えていくプロセスから)
14:35-14:40

休憩

14:40-15:10

ディスカッション(参加者全員)

  • 森之宮のどこをどうやって深掘りしたいか
  • 人々と自然が共生できる団地とはどのようなものか、どのような活動があると良いか
15:10-15:15

クロージング

15:15-15:30

名刺交換会

概要

開催日
2025年7月18日(金)13:00-15:30 JST
参加費
無料
定員
50名
会場

ほとりで(UR森之宮ビル)
〒536-0025 大阪府大阪市城東区森之宮1丁目6−85(地図

主催

UR都市機構、株式会社ロフトワーク

ご注意
  • 参加者の皆さんの写真やプログラムの内容は後日レポートなどに掲載されます
  • プログラムは、予告なく変更される場合があります。
  • 応募者多数の場合は抽選になる場合があります。

ゲスト

陸奥 賢

ゲスト陸奥 賢(大阪まち歩き大学 学長)

観光家/コモンズ・デザイナー/社会実験者。1978年大阪生まれ。堺育ち。中卒。2007年に堺のコミュニティ・ツーリズム企画で地域活性化ビジネスプランSAKAI賞受賞(主催・堺商工会議所)。2008年~2013年まで大阪あそ歩(2012年に観光庁長官表彰受賞)プロデューサー。大阪七墓巡り復活プロジェクト、まわしよみ新聞(読売教育賞最優秀賞受賞)、直観讀みブックマーカー、当事者研究スゴロク、歌垣風呂(京都文化ベンチャーコンペティション企業賞受賞)、死生観光トランプなどを手掛ける。大阪まち歩き大学学長。著書に『まわしよみ新聞をつくろう!』(創元社)。2023年より「いわき時空散走」プロデューサー。

杉本 容子

ゲスト杉本 容子(株式会社ワイキューブ・ラボ 代表取締役)

工学博士 /一級小型船舶操縦士 / 国内旅程管理主任者。一般社団法人水辺ラボ 代表理事。
水辺や公園などパブリックスペースを活かしたまちづくり、市民とともに考える構想・計画づくり、公民連携の仕組みづくりなどを得意とする。民間特別任用で大阪府都市魅力創造局の立ち上げも経験。民設民営の水辺拠点「β本町橋」を運営。コンサルタント、事業者、お母さんなど、まちに関わる様々な立場を実践し、まちづくりの新しいアプローチにトライし続けている。

伊勢 武史

ゲスト伊勢 武史(京都大学 フィールド科学教育研究センター 准教授)

徳島県阿南市生まれ。京都大学フィールド科学教育研究センター准教授。ハーバード大学大学院修了(Ph.D. in Biology)。海洋研究開発機構特任研究員、兵庫県立大学准教授を経て、2014年より現職。専門は森林生態学・環境科学。人間と自然の持続可能なつきあい方について、シミュレーションや人工知能など情報科学技術を用いた研究を実施している。同時に、「人間とはなにか」という問いの答えを求めて、進化心理学にもとづく実験も継続している。サイエンスコミュニケーションがライフワークであり、著書に「学んでみると生態学はおもしろい」「生物進化とはなにか」などがある。2025年度から中学国語の教科書(光村図書・東京書籍)に著作が掲載されることに。

狩野 佑真

ゲスト狩野 佑真(Creative Director|Designer|Material Designer)

1988年栃木県生まれ。東京造形大学デザイン学科室内建築専攻卒業。アーティスト鈴木康広氏のアシスタントを経て2012年にデザイン事務所「STUDIO YUMAKANO」を設立。2023年「株式会社NOU」として法人化。ネジ1本からプロダクト・インテリア・マテリアルリサーチまで、実験的なアプローチとプロトタイピングを重視したプロセスを組み合わせて、様々な物事をデザインの対象として活動している。近年はミラノやパリをはじめとする欧州や日本国内の様々な場所で精力的に作品を発表している。主な受賞にグッドデザイン賞、M&O Rising Talents Award、German Design Awardなど。
武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科 特別講師(2019年-)
武蔵野美術大学 建築学科 非常勤講師(2022年-)
https://yumakano.com/
(Photography: Shot by Hiroshi Wada)

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ロフトワークほとりでプロジェクトチーム(太田、浦野、モンツー)
Mail:lw_morinomiya@loftwork.com