EVENT トーク

トーク:あなたは「無」を買いますか?
#3 「なにもしない」時間・空間の価値 - “Doing” から “Being”へ

Finished イベント終了

ウェルビーイングに「感性と身体性」からアプローチするためのヒントを得られるトークシリーズ、第3回。主観的な身体感覚にやどる創造性とはいかなるものなのでしょうか?心理学やメディア論、哲学を専門とする研究者たちとともに考えます。(共催:関西大学「身体性とウェルビーイング」研究チーム KEWRT、株式会社ロフトワーク、FabCafe Kyoto)

Date
2023-08-16 (Wed)
19:00 – 21:00
Capacity
40名
fee
1,000円(1ドリンク付)

Finished

ウェルビーイングに「感性と身体性」からアプローチするためのヒントを得られるトークシリーズ、第3回。主観的な身体感覚にやどる創造性とはいかなるものなのでしょうか?心理学やメディア論、哲学を専門とする研究者たちとともに考えます。(共催:関西大学「身体性とウェルビーイング」研究チーム KEWRT、株式会社ロフトワーク、FabCafe Kyoto)

About

体験価値やウェルネスの意味や効果を言語化・指標化する

ウェルビーイングに「感性と身体性」からアプローチするためのヒントを得られる全4回のトークシリーズ、第3回。

心理学や哲学、認知科学などを専門とする関西大学の研究者のワーキンググループ「身体性とウェルビーイング」研究チーム KEWRTとともに、多様性やメンタルヘルス、体験価値、AIと創造性などさまざまなトピックと私たちの「生きやすさ」「ゆたかさ」の関係性を読み解きます。

「よくわからないけど、なんかいい(はず)」という結論になりがちな体験価値やウェルネスについて、その意味や効果を言語化・指標化することを試みる機会。ぜひ、みなさんの具体的な課題を持ち寄ってご参加ください。

関西大学「身体性とウェルビーイング」研究チーム KEWRTとは

2017年4月、身体性、身体と環境の相互作用、ウェルビーイング(こころと身体の健康)に関する学際的研究を目的に、哲学、心理学、宗教学、教育学、認知科学、メディア論の研究者らによって発足した関西大学の研究チーム。これまでに建築、コンテンポラリーダンス、脳神経科学、里山活動、現代アートなど多様な領域の実践者、研究者とコラボレーションしながら研究活動を展開している。

■ 参加メンバーはこちらをご覧ください。 >>> https://fabcafe.com/jp/labs/kyoto/KEWRT/

今回のテーマ

ウェルビーイングと身体性の観点から、「無」がいかなる意味を持ちうるのか?そこからどんな新しい価値の基準を定義できるのか? そんな問いについて探る本シリーズ。第3回となる今回のテーマは「 『なにもしない』時間・空間の価値 – “Doing” から “Being”へ」です。

タイパ・コスパという言葉を日常的に用いることからもわかるように、私たちはビジネス・産業の世界でだけでなく、個人的な生活においても「生産性 / 効率」をどこかで意識しながら暮らしています。同時に、余暇や、スマホ・PCとWifiを意図的にOFFにする「デジタルデトックス」など、「あえてなにもしない」ことについてもその重要性が話題に挙がる場面にも出会います。生産性や効率という基準のもとでは評価されない「なにもしない」ことが、一方では「人間にとって必要」とされるのはいったいなぜでしょうか?

そこで今回は、メディア論を専門に研究する門林 岳史 教授(関西大学文学部)と、心理的ウェルビーイングを研究する村上 祐介 准教授(関西大学文学部)とともに、「無 = なにもない/なにもしない」を入口に、「Being = ただ在ること」が拓く多様な価値の尺度、視点について考えてみましょう。

ゲストには、古くは正倉院宝物にも用いられた「佐波理(さはり)」という銅と錫の合⾦を使⽤して、代々受け継がれてきた独⾃の技術、製法で素材の特性を⽣かし澄み切った音色と心地よい余韻を追求したおりんをつくり続けてきた南條工房の七代目、南條 和哉さんをお招きします。この佐波理でしかつくれない唯一無二の音色と「余韻」を、現代の暮らしに寄り添うものとして再解釈、製品化した「LinNe」は、本来のおりんの仏具としての用途を越え、ライフスタイルプロダクトとして大きな人気を得ています。「余韻」のなかに見出されるゆたかさや美しさと、私たちの「ウェルビーイング」には、大きく通じあうことがあるかもしれません。

Keyweord
#ミニマリストウェルビーイング #環境と身体の相互関係 #進歩・成長を前提としない肯定感 #ただそこに在る #余白、余韻

こんな人におすすめ

  • 五感と心に訴えかける「体験と時間の価値」に関わる製品やサービスを手がける方
  • AIやロボティクスでの代替や模倣ができない「独自価値」のある事業やブランドをつくりたい、マーケティング担当者や事業開発者
  • まだなかった感覚や抽象的な概念に対して「共通する感覚」を言い当てることができる、言葉を扱うプロフェッショナル(詩人、作家、編集者、コピーライターなど)
  • 従来の生産効率を元にした評価軸では難しい「多様性やインクルージョンを考慮した組織づくり」を模索している、人事担当者やコーポレートエンジニアリング担当者
  • ユーザーエクスペリエンスや製品デザインにおいて感覚や直感を重視する、UXデザイナーやプロダクトマネージャー
  • テクノロジーやAIの進化に対して、倫理的な社会やビジネスへの影響を考慮する、CSR担当者、イノベーションリーダー、ビジネスストラテジスト
  • その他、「測れない」ことのなかにある可能性にあらためて向き合う必要を感じているすべての方

Program

19:10-19:10
開会、ご挨拶
19:10-19:40
スピーカー自己紹介・活動紹介(10分×3名)
19:40-20:10
クロストーク
21:00-21:00
交流・個別質問

Speaker

門林 岳史

関西大学, 文学部総合人文学科映像文化専修 教授

門林 岳史

メディアの哲学と映像理論が専門。もともとカナダのメディア論者マーシャル・マクルーハンの研究をしていたが、現在は「ポストメディア」をキーワードにして現代のメディア状況についての理論的研究を進めている。 また、東日本大震災後、せんだいメディアテークや山形国際ドキュメンタリー映画祭などを主なフィールドとして震災後の映像メディアの実践についての調査にも取り組んでいる。学生の関心に対応するため、最近TikTokでなにが流行っているかそれなりに詳しくなった。

詳細を見る メディアの哲学と映像理論が専門。もともとカナダのメディア論者マーシャル・マクルーハンの研究をしていたが、現在は「ポストメディア」をキーワードにして現代のメディア状況についての理論的研究を進めている。 また、東日本大震災後、せんだいメディアテークや山形国際ドキュメンタリー映画祭などを主なフィールドとして震災後の映像メディアの実践についての調査にも取り組んでいる。学生の関心に対応するため、最近TikTokでなにが流行っているかそれなりに詳しくなった。
村上 祐介

関西大学, 文学部 総合人文学科 心理学専修 准教授

村上 祐介

専門は教育・学校心理学,宗教/スピリチュアリティ心理学。特に,青少年の姿勢とエンゲージメント,教師のコーリング(天職),宗教的信念とメンタルヘルスや環境配慮行動,人生の意味や価値をはじめとした「大きな問い」Big life questions)を扱う教育に関する研究に従事している。社会貢献活動として,NPO法人「寺子屋ひゅっげ」の理事を務め,市井の人々の心理的・社会的ウェルビーイングの向上を企図したワークショップや講演を行なっている。主な著作は『生きる意味って何だ?:人生のビッグ・クエスチョンズに向き合う』(創元社),『スピリチュアリティ教育への科学的アプローチ』(ratik)等。趣味はスパイスカレー作りと日本酒。東洋美人が好き(日本酒の話)。

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三村 尚彦

関西大学, 文学部総合人文学科哲学倫理学専修 教授

三村 尚彦

専門は現代哲学、現象学。最近の研究テーマは、言葉にうまくできないけれど身体で漠然と感じている感覚がもつ創造性および現代美術家荒川修作+マドリン・ギンズの「建築する身体」という概念。雑談好きで、大学の講義では果てしなく話が拡散していく。

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南條 和哉

有限会社南條工房 七代目, 京仏具 「京もの認定工芸士」 佐波理製鳴物神仏具製造 鳴物鋳物師

南條 和哉

創業190年あまりの歴史と共に培われた伝統の技術を⽤い、鳴物神仏具という神社仏閣や家庭で使われる⾳の鳴る神具や仏具を専⾨につくってきた国内で数少ない⼯房の鋳物師です。職人歴20年目。型作りから仕上げまで、⼀つ⼀つ⼿づくりで⾏い、素材は「佐波理(さはり)」という銅と錫の合⾦のみを使⽤。代々受け継ぐ⼯房独⾃の配合率と伝統的な薪を用いた「焼型鋳造」で素材の特性を⽣かし、⼆つとない⾳⾊を⽣み出しています。2019年には、もっと身近におりんの音色を楽しんでほしいという想いから佐波理製鳴物製品のブランド「LinNe」を立ち上げ、自由な用途で使えるおりんのプロダクトを開発。その他サウンドアーティストや作曲家へのおりんの提供やコラボレーション、Apple京都でのワークショップの開催など、工房が生み出す音色を発信しています。

詳細を見る 創業190年あまりの歴史と共に培われた伝統の技術を⽤い、鳴物神仏具という神社仏閣や家庭で使われる⾳の鳴る神具や仏具を専⾨につくってきた国内で数少ない⼯房の鋳物師です。職人歴20年目。型作りから仕上げまで、⼀つ⼀つ⼿づくりで⾏い、素材は「佐波理(さはり)」という銅と錫の合⾦のみを使⽤。代々受け継ぐ⼯房独⾃の配合率と伝統的な薪を用いた「焼型鋳造」で素材の特性を⽣かし、⼆つとない⾳⾊を⽣み出しています。2019年には、もっと身近におりんの音色を楽しんでほしいという想いから佐波理製鳴物製品のブランド「LinNe」を立ち上げ、自由な用途で使えるおりんのプロダクトを開発。その他サウンドアーティストや作曲家へのおりんの提供やコラボレーション、Apple京都でのワークショップの開催など、工房が生み出す音色を発信しています。
木下 浩佑

株式会社ロフトワーク, FabCafe Kyoto ブランドマネージャー

木下 浩佑

京都府立大学福祉社会学部福祉社会学科卒業後、カフェ「neutron」およびアートギャラリー「neutron tokyo」のマネージャー職、廃校活用施設「IID 世田谷ものづくり学校」の企画職を経て、2015年ロフトワーク入社。素材を起点にものづくり企業の共創とイノベーションを支援する「MTRL(マテリアル)」と、テクノロジーとクリエイションをキーワードにクリエイター・研究者・企業など多様な人々が集うコミュニティハブ「FabCafe Kyoto」に立ち上げから参画。ワークショップ運営やトークのモデレーション、展示企画のプロデュースなどを通じて「化学反応が起きる場づくり」「異分野の物事を接続させるコンテクスト設計」を実践中。社会福祉士。2023年、京都精華大学メディア表現学部 非常勤講師に就任。

詳細を見る 京都府立大学福祉社会学部福祉社会学科卒業後、カフェ「neutron」およびアートギャラリー「neutron tokyo」のマネージャー職、廃校活用施設「IID 世田谷ものづくり学校」の企画職を経て、2015年ロフトワーク入社。素材を起点にものづくり企業の共創とイノベーションを支援する「MTRL(マテリアル)」と、テクノロジーとクリエイションをキーワードにクリエイター・研究者・企業など多様な人々が集うコミュニティハブ「FabCafe Kyoto」に立ち上げから参画。ワークショップ運営やトークのモデレーション、展示企画のプロデュースなどを通じて「化学反応が起きる場づくり」「異分野の物事を接続させるコンテクスト設計」を実践中。社会福祉士。2023年、京都精華大学メディア表現学部 非常勤講師に就任。

Outline

日時

2023年8月16日 (水) 19:00 – 21:00

会場
FabCafe Kyoto (MTRL KYOTO)
〒600-8119 京都府京都市下京区本塩竈町554

■電車でのアクセス
JR京都駅から徒歩20分
京都市営地下鉄烏丸線五条駅から徒歩10分
阪急電鉄京都線河原町駅から徒歩15分
京阪電鉄清水五条駅から徒歩5分

■バスでのアクセス
京都駅から4・17・205号系統 五条河原町下車徒歩3分

※駐車場はありません。近隣の施設をご利用ください。
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参加費

1,000円(1ドリンク付) 学割あり(学生証掲示で50%OFFとなります。)

定員

40名(予約優先)

ご注意
会場の様子は写真や動画等で記録され、主催者によるレポート記事やSNS等で公開されることを予定しています。あらかじめご了承のうえお申込みください。
マスク着用は必須ではありません。登壇者もマスクなしの場合があります。

ACCESS

FabCafe Kyoto

お問合せ先

本イベントに関わるお問い合わせは、下記までメールにてお願いいたします。

株式会社ロフトワーク / FabCafe Kyoto イベント運営事務局(担当:木下)
kyoto.marketing@loftwork.com

メインビジュアルについて

本イベントシリーズのメインビジュアルでは、陶芸家/美術家の かのうたかお さんの作品「壺中天アリ」をフィーチャーしています。「うつわ」とは、形(からだ)をもつ外側のことを指すのか、それとも内側の空間のことなのか?一見すると「無」でしかないものごとに惹かれ、そこに価値を見出す態度や行為こそ、人間の創造性の根源をなすものなのかもしれません。

■ かのうたかお website : https://takaokano.com/
(撮影協力:白白庵)

 
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