経済産業省主催、株式会社ロフトワークが企画運営で協力している「”ツタグラ [伝わる INFOGRAPHICS]”プロジェクト」(以下、ツタグラ)で、プロジェクト公式サイトに投稿されたインフォグラフィックス作品の中から、最も優れた作品を表彰する「ツタグラ賞」が発表されました。

今回、60点の作品の中からたった1点だけ選出された受賞作品は、Takashi Tokuma氏の「日本の人口推移<1959~2050>」です。日本の抱える少子高齢化問題のリアリティを非常にわかりやすく伝えていることで話題になり、ソーシャルメディア上でも3,900件を超えるツイート、21,000件を超えるFacebook「いいね!」を獲得するなど、大変な反響を呼んでいます。

まさに、「専門家の持つ<見えにくいけれど重要な情報>をクリエイターの力で<わかりやすい形に表現>しよう」というツタグラプロジェクトのコンセプトに合致した素晴らしい作品が選ばれました。なお、ツタグラ賞の審査対象募集期間は終了しておりますが、ツタグラサイトではひきつづきテーマごとのインフォグラフィックスを募集しております。

ツタグラ賞受賞作品 Takashi Tokuma氏「日本の人口推移<1959~2050>」

受賞作品名:「日本の人口推移<1959~2050>」
http://www.tsutagra.go.jp/tsutagra/2061
http://www.bowlgraphics.net/tsutagra/03/
制作者:Takashi Tokuma氏
投稿テーマ:「これからの働き方を表現してください 」

http://www.bowlgraphics.net/tsutagra/03/
(クリックすると作品のサイトにジャンプします)

◆作品解説:直感的操作で未来の日本が見える

本作品は1950年代から2050年代までの日本の世代別人口グラフを、パソコンのマウスやタブレット端末のタッチ操作で、推移させて表示させることのできるインフォグラフィックス。日本の抱える「少子高齢化」問題のリアリティを非常にわかりやすく伝えています

 

審査員からのコメント
  • わかりやすさで圧倒的だ。人口変化をインタラクティブに表現して、余計な演出をしていないところがよい。使う側の能動性に寄り添っている。「こうだ」と考えを押し付けるおせっかいさがない。(原デザイン研究所代表 原研哉氏)
  • この作品はデータを知りたいという欲求にこたえた、ツタグラの原点ともいえる。加工しすぎないで見る側が判別できるのがいい。(ロフトワーク代表 林 千晶)
  • ユーザーの能動性を喚起する作品。良い発見をしたと思った。(777interactive代表 福田氏)
  • 抜群にわかりやすかった。(無印良品くらしの良品研究所 土谷貞雄氏)
  • (カンファレンスで講演をした)藻谷浩介氏の話のメインは人口減少。年代ごとの人口グラフのスライドを藻谷氏が連打することで初めて傾向がハッキリした。その意を酌みシンプルに表現したこのグラフィックは、見る側の話をどんどん広げるまさに読者参加型の典型。シンプルでとても力強い。(チューブグラフィックス代表 木村博之氏)

作者Tokuma氏からのコメント

「少子高齢化」という既知の情報を再度興味を抱いていただくため、複数の年代グラフを一枚にまとめインタラクティブな操作で解決しました。シンプルでわかりやすい表現、極力恣意性を排除することで見る側に自由に考えていただける余白を意識しました。スマホやタブレットPC(iPhone/iPad)での閲覧を想定した技術を用いることで、多くの方々に閲覧いただけるように制作しました。
インフォグラフィックスを流行表現のひとつに終わらせず、有効な情報の表現方法として社会に普及・定着させるためにも、今後も質の高い誠実な表現を目指し、作り続けていきたいと思います。

ツタグラ賞について

概要

・審査対象:
2011年10月〜2012年3月15日までにツタグラ [伝わるINFOGRAPHICS] 公式サイトに投稿されたすべてのインフォグラフィックス作品 約60点

・募集テーマ:
公式サイトで発表されている4つのテーマ(各種専門家がデータを提供)のうちから自由に選択
「縮小する日本を表現してください」
「エコジレンマを表現してください」
「これからの働き方を表現してください」
「日本のクリエイティブ産業を表現してください」

・審査員:
経済産業省クリエイティブ産業課課長補佐 高木美香氏、ロフトワーク代表取締役 林千晶、無印良品くらしの良品研究所 土谷貞雄氏、777interactive代表 福田敏也氏、チューブグラフィックス代表 木村博之氏、デザイナー 原研哉氏(特別審査員)

審査基準

審査基準は、インフォグラフィックスを作るポイントである「目と心をひきつける」「伝えたい情報を明確にする」「簡略化する」「目の流れに沿う」「文字がなくても理解させる」の5つ。これらを総合的に判断し、審査員それぞれがすべての作品に1~5点で点数をつけて全審査員の合計点数で評価をしました。

今回、受賞作以外で高評価を得た作品については、ツタグラレポートブログでご紹介しています。

審査会の様子
審査会の様子

ロフトワークについて

ロフトワークは「すべての人のうちにある創造性を信じる」を合言葉に、クリエイターや企業、地域やアカデミアの人々との共創を通じて、未来の価値を作り出すクリエイティブ・カンパニーです。ものづくりを起点に、その土地ならではの資源やテクノロジーを更新する「FabCafe(ファブカフェ)」、素材と技術開発領域でのイノベーションを目指す「MTRL(マテリアル)」、クリエイターと企業の共創プラットフォーム「AWRD(アワード)」などを運営。目先の利益だけにとらわれず、長い視点で人と企業と社会に向きあい、社会的価値を生み出し続けるビジネスエコシステムを構築します。

株式会社ロフトワーク 広報:pr@loftwork.com

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