松井創ポートレート

ロフトワークは、2026年10月1日付で、松井創(まつい・はじめ)が代表取締役CEOに就任し、これまで代表取締役社長を務めてきた諏訪光洋(すわ・みつひろ)が代表取締役会長に就任することをお知らせします。

松井は2012年にロフトワークへ入社しました。プロデューサーとしてさまざまなプロジェクトに携わった後、2017年には空間の企画・設計から運営までを手がける「LAYOUT」を社内事業として立ち上げ、100BANCH、SHIBUYA QWS、東海国立大学機構 Common Nexusなど、多様な人や活動が交わる場づくりを手がけてきました。近年は経営にも参画し、事業と組織の両面からロフトワークに関わっています。

創業から26年を経たロフトワークは、次の四半世紀に向けて、新たな経営体制へと移行します。

代表取締役CEO・松井創からのメッセージ

松井創ポートレート

ロフトワークという会社を知ったのは2005年、創業者の千晶さんが紹介されている一冊の新書を読んだ時でした。それから7年後、30歳の節目に、勤めていた上場企業での役職と給与を手放し、ロフトワークという小さな組織に未来を感じて採用面接を受けます。諏訪さんの面接は、体感でものの5分。「ゆくゆくは、経営も手伝って欲しいんだよね。」その理由も、それ以上の言葉もない、不思議な時間でした。当時は冗談か採用上のお世辞だと思っていたけれど、先日、14年越しの面接の続きがありました。「はじめちゃん、CEOやらない?」——本当に驚きました。

ロフトワークに入ってからの14年は、毎年、起業しているような心持ちです。とにかく変化が多く、新しい言葉も、新しい挑戦も多い。飽きっぽい自分の性格にはぴったりの環境でしたが、プロデューサーとして「自分が新しい仕事をつくらなければ何も始まらない」というプレッシャーは年々高まる。「いっそ、自分で起業した方がいいんじゃないか?」と何度も思っては、心に留めてきました。それを察した諏訪さん・千晶さんは、社内起業や子会社の設立、経営陣への参画を何度か打診してくれたのですが、その都度「いや…自分にはロフトワークの中でやりたい、やるべきことがあるので」と言って逃げてきたのです(笑)。しかし、ついに年貢の納め時が来たようです。

2017年、自分なりの想いをカタチにしたくて、社内起業としてLAYOUTを立ち上げました。空間の企画・設計から運営までを担うこの事業は、100BANCH、SHIBUYA QWS、ComoNeなど、社会的にもロフトワークにとってもエポックメイキングな場を生み出してきました。手前味噌ですが、新しい領域を切り拓きながら、9年連続で利益を出している。そして何より、自分がいなくても事業が回るように、後継者とビジネスの基盤を築けたことに達成感があります。

——でも、いま改めて思うのです。それが、なんだ、と。

誇るべきは、その成果ではない。一緒に目標を掲げ、達成の喜びを分かち合ってきた仲間たちとの時間は、たしかに私の誇りです。けれど本当に誇りたいのは、「ロフトワーク」という存在そのもの。

こんなにも人間のクリエイティビティに真剣な組織を、私は他に知りません。人と人との繋がり方、コミュニケーションのあり方に試行錯誤し、集合知によって、いかに創造的な解決や次世代の働き方が生まれるかというテーマに挑み続けている。ロフトワークで働く誰もが、自分の成長と会社の進化、そして自らの仕事の延長で社会を変えていけることに希望を感じている。そういう組織と、その枠を超えて広がる有機体の一員として、四半世紀にわたる営みに関われていることを、今日も誇りに思っています。

LAYOUTで培った現場力とマネジメント力が、そのままロフトワークの経営に通用するかはわかりません。これから始まる四半世紀は、これまでのやり方の延長では立ち行かない場面も多いはずです。それでも、私は「ロフトワーク」という活動体を愛し、今日もソウゾウ(想像・創造)することの喜びを感じて生きています。そのカルチャーと希望を次の四半世紀へつないでいくために変革が必要なら、もう経営から逃げている場合ではない、と腹を括りました。あの5分の面接の答えを、これから全身全霊をかけて出していきます。

ロフトワークは生きもののように、皆さんとのコラボレーションによって成り立っています。まだ名前のない場をつくること。「あったらいいよね」と思える世界線を、領域を定めずに描くこと。企業や地域の活動をひらくこと。これからも、そんなロフトワークを面白がり、一緒に何かをソウゾウしてくださる皆さんと、新しい景色をつくっていけたらと思っています。これからもロフトワークともども、ますますよろしくお願いいたします。

松井創Profileページ

新体制で、次のロフトワークをつくる

今回の体制変更は、松井がCEOとしてロフトワーク全体の舵を取りながら、諏訪はこれまで培ってきた社外・海外とのネットワークを生かし、新たな事業や協働の可能性をひらくことに力を注ぎます。寺井翔茉(取締役 COO)は、ディレクターやクリエイターとともに、プロジェクトのディレクションとクリエイティブの実践を支えていきます。岩沢エリ(Culture Executive)は、社内外の人々や活動をつなぎながら、新しい関係や活動のきっかけを生み出していきます。

それぞれが異なる強みと役割を持ちながら、領域を越えて力を持ち寄ることで、これまでロフトワークが大切にしてきた、個々の意思や創造性を起点に、社内外のさまざまな方々と一緒につくっていく姿勢は変わりません。新しい体制のもと、その力をこれまで以上に発揮しながら、次のロフトワークをつくっていきます。

今回の体制変更にあたり、松井創、諏訪光洋、寺井翔茉、岩沢エリの4名で、これまでのロフトワークとこれからについて語り合いました。その対話の様子は、近日Loftwork.comで公開予定です。

新体制の4名での集合写真