仮想世界と物理世界が溶け合う、新たなアプローチが世界から集結。
「GEMINI Laboratory GLOBAL DESIGN AWARDS」が、受賞作品を発表!
株式会社ロフトワーク(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:諏訪光洋)は、TOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:齊藤 昌典)によるミラーワールドの実現を目指すサービス開発と共創プロジェクト「GEMINI Laboratory」のグローバルアワード(GEMINI Laboratory GLOBAL DESIGN AWARDS)開催支援を行いました。このたび、審査結果発表を行い、7受賞作品を発表しました。
仮想と物理にまたがるオルタナティブな世界観をデザインする7作品が受賞
GEMINI Laboratory GLOBAL DESIGN AWARDSでは、バーチャルとフィジカルの地平が溶け合う時代における新しいデザインのアプローチを、具体的なアイデアとともに世界から募集しました。建築、インテリア、ゲーム、ファッション、映画など、領域は自由。2024年2月15日から4月29日の期間に、世界各国の様々な領域のクリエイターから応募がありました。
審査は、建築家のマーク・フォスター・ゲージ氏、キュレーター、作家、ファッション歴史家のパメラ・ゴルバン氏、ゲーム開発者のリアム・ウォン氏が参加し、7つの作品を受賞作品として選出しました。受賞者には賞金が贈呈されるほか、現在GEMINI Laboratoryが構築しているデータライブラリー「AltField」の公式データとして採用されます。
受賞作品
受賞作品の一部をご紹介します。全受賞作品と審査員コメントは、下記Webサイトにてご覧になれます。
グランプリ
タイトル
デジタル擬態
説明
植物擬態は進化生物学の概念であり、植物物体が生理的または形態的に類似したほか他の生物に変化し、その適応度を高める現象を指す。植物の環境に対しての擬態は、AIが人間を模倣する相似性がある。AIが人間に模倣による図形と文字を創造すると、植物が周囲の環境に対して擬態するようにマッピングし、これによりAI 進化と自然進化の間の共通性を検討する。だから私はコンピュータに植物をテーマに人間の創造行為を模倣させた。
クリエイター : LI MANNING
LI MANNINGは、メディアインタラクティブデザイン、インフォメーションデザイン、グラフィックデザインなどの分野を探求している。大学院でさらに知識を深めることを目指し、東京藝術大学大学院美術研究科デザイン科の空間表現研究室にて修士課程在籍。
準グランプリ
タイトル
Meta Blessing
説明(一部抜粋)
「Meta Blessing」は、仏教文化とNFT技術を融合させ、仏の天恵をメタバースに持ち込む画期的なプロジェクト。仏教のオブジェクトを現代的なスタイルで再構築し、ARに取り入れて、祝福をNFTに変換し、デジタル領域でのスピリチュアリティを探求する。
宗教とデジタルユニバースの領域を交差させる画期的なプロジェクトであり、NFTの概念を利用して、寺院の僧侶によって祝福された仏教の神聖なオブジェクトの真贋を認証し保存する。これらのNFTは、オブジェクトの真贋だけでなく、尊敬される精神的な教えとのつながりも確認可能だ。AR技術を使用して、この真贋を視覚的に示し、フィジカルとデジタルを融合させた没入型の体験を提供する。
クリエイター: Qiuang Li
Qiuang Liは、先進的な工業製品デザイナーであり、セントラル・セント・マーチンズでの修士号と、UALでの気候擁護活動、アートフィューチャーコンサルティングでのプロダクトリーダーシップの経験を持つ。「Meta Blessing」や「Xnft」などのプロジェクト及び、AR、NFT、持続可能なデザインを実践している。ロンドンデザインフェスティバルやMullenLowe Nova Awardsで認められ、文化と技術を融合させ、ラグジュアリーでインタラクティブな空間における持続可能性を強調したデザインを創り出すことに卓越している。
GEMINI Laboratory 特別賞
タイトル
free will material
説明
質感や形状をデジタルで自由に変更できる素材。 ユーザーは素材の質感や形状を自由に変えることができる。一般的なデジタルライブラリーでは、ユーザーはあらかじめテクスチャーや形状が作られたアセットを購入し、ダウンロードするが、ここで提案するのは、デジタル上で常に品質や形状が変化するマテリアルやオブジェクトである。
イメージはPLATEAUを用いて作成。
出典:https://www.mlit.go.jp/plateau
クリエイター: TAMURA Ikuho
1997年7月16日生まれ。愛媛県松山市出身。東京都在住。尾道市立大学卒業後、グラフィックデザイン、タイポグラフィ、映像、3DCG、コミッションワークを中心に、グラフィック領域におけるビジュアル表現の探求を通して、新しい情緒的な価値の創造を実践している。
全受賞作品と審査員コメントは下記ページをご覧ください。
審査員による総評
Mark Foster Gage(建築家、作家、理論家)
このコンペティションの審査員を務めることができ、大変素晴らしい経験となりました。多くのコンペティションは、参加者に既に確立した領域でのデザインを求めます。例えば、博物館や公園、家のデザインなどです。しかし、このコンペティションが重要だと感じたのは、新しいデザインの方法、つまり新しい考え方を再構築することを参加者に求めていた点です。私たちは、あらゆる物理的なオブジェクトがデジタル上にも対応するオブジェクトを持つ世界に急速に向かっていますが、この「ツイニング」がデザイナーとして、あるいは人間としてどのように影響を与えるかについては、まだ全く分かりません。この問題に取り組んでいる作品として、人間の感情的な観点や、宗教的な観点からアプローチしたプロジェクトを見ることができ、とても楽しむことができました。
Pamela Golbin(文化指導者、国際的キュレーター、ベストセラー作家)
今回初となるGEMINI Laboratory GLOBAL DESIGN AWARDSでは、候補者たちが熱意と創造性を持って、野心的なアイデアを表現していました。この新しいデザインの分野において多くの予想外の作品が集まり、その想像力に楽しませられ、コンセプトに興味を引かれました。五感を超越するかもしれない素材から全く新しい世界観を構築するには時間がかかりますが、この賞はそれを構築する為の貴重な一歩になりました。
審査員として、リアム、マーク、そしてGEMINI Laboratoryチームとの審議からインスピレーションを得ました。GEMINI Laboratoryのプラットフォームとデータライブラリの発展、この賞の取り組みがどのようにデザインの文脈で関心を引きつけ、フィジカルとバーチャルを横断した世界観を構築する原動力になるのかを見るのを楽しみにしています。
Liam Wong(ディレクター、ゲーム開発者、写真家、ベストセラー作家)
幅広い応募作品を審査する審査員を務めることができ、光栄でした。各審査員は、それぞれのユニークなデザイン経験や関心に基づいた異なる視点から審査しました。私自身はビデオゲームのバックグラウンドを持っているため、バーチャルとフィジカルの要素をシームレスに融合させたプロジェクト、特にゲームエンジンを利用したプロジェクトを見ることができて嬉しく思いました。この分野での将来の革新の可能性には本当にワクワクしています。
GEMINI Laboratory とは
TOPPAN株式会社のプロジェクトのひとつで、様々なプレイヤーとの共創によって、フィジカルとバーチャルが作用し合う「ミラーワールド」の実現を目指した研究とサービス開発を行なっている。
TOPPAN株式会社ウェブサイト: https://www.toppan.co.jp
GEMINI Laboratoryウェブサイト: https://gemin1.xyz/
ロフトワークについて
ロフトワークは「すべての人のうちにある創造性を信じる」を合言葉に、クリエイターや企業、地域やアカデミアの人々との共創を通じて、未来の価値を作り出すクリエイティブ・カンパニーです。ものづくりを起点に、その土地ならではの資源やテクノロジーを更新する「FabCafe(ファブカフェ)」、素材と技術開発領域でのイノベーションを目指す「MTRL(マテリアル)」、クリエイターと企業の共創プラットフォーム「AWRD(アワード)」などを運営。目先の利益だけにとらわれず、長い視点で人と企業と社会に向きあい、社会的価値を生み出し続けるビジネスエコシステムを構築します。
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