EVENT Report

ファッション/カルチャー/アート分野の
“超体験”VRコンテンツアワード台北上陸!

ファッション/カルチャー/アート分野のVRコンテンツを募集するNEWVIEW AWARDS 2018(募集期間:2018年6月1日〜7月31日)は、国内だけではなく、世界からクリエイターが参加するグローバルアワードです。

6月22日には、台北でのキックオフイベントを開催しました。台北といえば、アジアの中でもアクティブに活動するクリエイターが多い都市。NEWVIEW アワードの審査員でもあり、自身もアーティストとして活動するAgi Chenさんも参加、盛り上がったイベントのレポートをFabCafe グローバルPRを担当している鈴木がお届けします。

イベントに合わせて、FabCafe Taipeiの入り口に、登場したVR体験ブース。イベント前からたくさんの人が集まり、VRを体験。

NEWVIEWとは

ファッションや音楽、映像、グラフィックなど、現代のカルチャーを体現する人々が集まり、3次元での新しいクリエイティブ表現と体験をデザインしていく実験的プロジェクト/コミュニティ。

Psychic VR Lab、パルコ、ロフトワークの3社により結成されたプロジェクトは、3次元空間(VR)をもっと生活や肌感覚に近い場所で表現し、プログラミングなしでVRコンテンツが作れるツール「STYLY」を軸に次世代のクリエイターの発掘・育成を目指し、ファッション/カルチャー/アート領域のVRムーブメントを創ることを目標にしています。

関連プロジェクト
「ファッションカルチャーVR」という新ムーブメントの創出

VRはゲームだけのものではない。台北のクリエイター、ビジネスパーソンが注目するVRの可能性

FabCafe TaipeiファウンダーのTim Wong。

イベントの会場はFabCafe Taipei。FabCafe Taipeiが入っている「華山1914文創產業園區」は、日本統治時代の酒工場の跡地をリノベーションした建物。台湾のクリエイティブの中心地として、アート展示やイベントが行われる他、本屋やファッション店など台湾文化を発信するお店が並びます。

3Dプリンターやレーザーカッターなどをカフェの中に置いたFabCafe Taipeiは、そのエリアの中でもクリエイター達が多く集まるコミュニティです。

イベントは、FabCafe Taipei のTim Wongのトークからスタート。台湾といえば、VRを楽しむのに必要なヘッドマウントディスプレイを製造するメーカーの数が世界的にも多い国。ビジネスとしてもVRという新しいテクノロジーに注目が集まる中、ファッション/カルチャー/アート分野で、VRがどのような可能性を持っているかを話しました。

STYLYを運営するPsychic VR Labのグローバルマネージャー、Sajid Khanさん

NEWVIEW AWARDの説明を挟み、次にプレゼンテーションをしたのは、STYLYのKhanさん。プログラミングの知識がなくとも、Web上で気軽にVRコンテンツが作れる「STYLY」がクリエイターにとってどのような可能性を持つのかを話しました。ファッションやデザイン、写真やイラストレーションなど、普段は二次元の作品を作っているクリエイターにとって、STYLYは、物理的な制限を超えて、自分たちのクリエーションを三次元に写せるツールです。イベントの参加者には、彫刻アーティストの方もいらっしゃり、VRコンテンツの制作に興味深々でした。

アワード審査員Agi Chenさんが考える、VRコンテンツの制作で大切なこと

NEWVIEW審査員であるAgi Chenさん。自身の作品制作の中で得られた知見をVR制作にどう活かせるかをお話してくれました

トークの最後に登場したのは、NEWVIEWの審査員であるアーティストのAgi Chenさん。Agiさんは、パブリック・アート・プロジェクトの経験をたくさん持つアーティストです。台北のランドマーク的な建物、台北101を使った新年を祝うインスタレーションなど、彼女のこれまでの作品を見せながら、人の心を動かす作品を作るためにはどうすればいいかを話しました。

Agiさんの作品YouTube

「観客の心を掴み、感情に訴えかける作品のために必要なのは、作品中で使うアイコンや、画像、イメージについて、しっかりとリサーチすること」というAgiさん。なんとなくかっこよさそうだから、という理由ではなく、配置するアイテムが持つ意味や、背景にあるストーリーをしっかりと作り手が知ることによって、人の心を動かす”コミュニケーション”ができあがる、と述べました。

Agiさんの作品に使用される、実世界にイメージを投映するプロジェクションマッピングは、投影する面の形や、他のアトラクションとの関係など、現実世界での制限があるメディアです。VRでは、実世界の物理法則の制限がないぶん、より自由に人々に感動を与える作品を作ることができるのでは、とAgiさんはクリエイターに対する期待を述べました。

参加者は、台北をベースに活躍するクリエイターを始め、VRを始めたいというアート関係者、企業のビジネスパーソンなど多岐に及びました。イベント中は各トークに熱心に聞き入り、メモをとる人が多くみられました。

ULTRA EXPERIENCE(超体験)について思いを巡らせるネットワーキングタイム

このあとはネットワーキングタイムへ。NEWVIEWのテーマである「ULTRA EXPEREINCE (超体験)」をテーマに作られたドリンクやフードを片手に、参加者同士意見を交わす、熱量の高い夜となりました。

作品制作を支援するワークショップを台北で開催

FabCafe台北では、一般の人も体験できるブースを7/31まで設置しているほか、ワークショップを次の日程で開催。台北在住のクリエイターのVRへの挑戦を応援します。

鈴木 真理子

Author鈴木 真理子(Public Relations/広報)

大学卒業後、音楽誌や女性誌など5年間の雑誌編集を経て渡英。英国イーストアングリア大学で翻訳学修士を取得後、翻訳業界を経て、2012年よりロフトワークに所属。FabCafe主催のグローバルアワード「YouFab Global Creative Awards」の立ち上げメンバーであり、2012-2018の6年間メインディレクターを務める。他にもFabCafeを中心に、多様な文化とクリエイティブが混ざり合うグローバルプロジェクトやイベントを担当。現在は、ロフトワークのコーポレートPRのほか、FabCafe TokyoのPRを担当している。最近の日課は、「スタートレック」シリーズを必ず1話見ること。

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