未来をデザインするvol.1 - 宇宙
宇宙技術の進歩から考える7年後の未来
開催レポート
1/16(木) “未来をデザインする”と題し、さまざまな社会的テーマを例として取り上げイノベーションを起こすプロセスの一部を体験するシリーズイベントをスタートしました。第一弾のテーマは「宇宙」。記憶に新しい「はやぶさ」の打上げ。また、初の民間利用となる超小型衛星「WNISAT-1」など宇宙技術は常に進化し、我々が個人としてうける恩恵も今後増えることが予想されます。
そこで、ウェザーニューズと共同開発で超小型衛星の打上げに携わったアクセルスペース社の中村氏、JAXA宇宙科学研究所に所属し「はやぶさ2」の設計にも関わっている津田氏のおふたりをお招きし、宇宙技術の進化を学び、「7年後の宇宙技術の進化は我々のライフスタイルをどのように変えるのか」を参加者の皆さんとディスカッションしました。当日の様子をグラフィックレコーディングを交えて振り返ります。
予定不調和を楽しむ
イベントの開催に先立ち、本イベントの企画を担当した君塚より、参加者の皆さんにこんな視点でこのイベントを楽しんでほしいという3つのポイントを紹介しました。
誰もやったことがないことをする
第一部では、はやぶさ2プロジェクトに関わるJAXAの津田氏が登壇。「誰もやったことがないことをする」をテーマに宇宙に挑戦する津田氏は、宇宙空間での太陽光発電システムである小型ソーラー電力実証機の開発秘話、はやぶさがどのように小惑星のかけらをもちかえったか。そして、2014年末に打ち上げが予定されているはやぶさ2の計画について紹介しました。
小型ソーラー電力実証機の開発秘話。何度もテストし、誰も実現していない方法を確立
・行ったことのない小惑星に着陸するためにどのように速度をあわせる?
・地球の重力の100万分の1しかない小惑星に速度を図る目印をどうやっておく?
など様々な問題を解決しながら、惑星のかけらを持ち帰ったはやぶさ。
超小型衛星がもたらす可能性とライフスタイルの進化
第二部では、民間用の超小型衛星を開発するアクセルスペースからCEOの中村氏が登壇。超小型衛星がもたらす可能性とライフスタイルの進化について解説しました。
通常の衛星に比べ圧倒的に低コストで実現できるため、民間企業や個人をはじめさまざまな利用が期待できると中村氏。例として、WeatherNews社と共同で2013年10月に打ち上げた衛星について解説。北極海航路の監視目的で打ち上げられた衛星は、安全な移動そして移動コストの大幅な削減(ヨーロッパから日本への移動距離を2/3に)が期待されている。
今後の展望として、高解像度のカメラを搭載する小さな衛星をたくさん打ち上げることで、リアルタイム地球探索が現実的になり、衛星からの観測は新しいインフラになると説明する中村氏。インフラになった時に、我々のくらしはどうなるのかみなさんと考えたいとセッションを締めくくりました。
Ide-a-thon 「7年後、宇宙技術の進化は我々のライフスタイルをどのように変えるのか」
休憩を挟み、第三部はロフトワーク イノベーションメーカー棚橋が、「2020年、宇宙技術の進化は我々のライフスタイルをどのように変えるのか?」をテーマにide-a-thonを行いました。
棚橋は、普段話すことのない人とコミュニケーションをとり、多様性と予定不調和の中から既存の枠組みの外にある新たな解釈の発見(リフレーミング=まだない未来の発見)を体感して欲しいとメッセージを送りワークがスタート。
ワークショップはまず、ワールドカフェ形式からスタート。5人1組のグループに分かれ「2020年の世界で自分はどういきているか想像する」というテーマをグループ内で話し合い、1人のメンバーを残してシャッフルし議論を深めます。
そして話した内容や他の参加者のアイデアを参考に、「2020年のライフスタイルは宇宙技術のおかげてこうなって欲しい」という願望を参加者ひとりひとりががアイデアスケッチをおこしていきます。
最後に、各人のアイデアスケッチをベースに、再びグループワークに戻り「2020年、僕らのライフスタイルはこう変わる」を雑誌へとりあげられたことをイメージしストーリーボードにまとめ、出来上がった作品を発表しました。
全てのプログラムを終え参加者からは、「普段使わない頭を使えてよかった」や「アイデアを出すまでの進め方が勉強になった」「枠を外して考えることができるようになりそう」などワークショップ自体に対するポジティブな感想も多く寄せられ、盛況のうちに幕を閉じました。
未来をデザインするシリーズ、第二回は2/7に開催予定です。宇宙から一転し身近な「家事」をテーマに行います。次回はどんなアイデアが生まれるのでしょうか。
イベント概要
ロフトワークでは、過去の経験や分析からだけでは起せないイノベーションに向けデザイン思考というアプローチでアイディエーション、コンセプト設計、戦略立案などをご支援する機会が増えてきています。
そこで、“未来をデザインする”と題し、さまざまな社会的テーマを例として取り上げイノベーションを起こすプロセスの一部を体験いただけるシリーズイベントを開催していきます。
vol.1となる今回のテーマは「宇宙」。皆さんの記憶に新しい「はやぶさ」の打上げ。また、初の民間利用となる超小型衛星「WNISAT-1」など宇宙技術は常に進化し、我々が個人としてうける恩恵も今後増えることが予想されます。
ウェザーニューズと共同開発で超小型衛星の打上げに携わったアクセルスペース社より中村氏、そしてJAXA宇宙科学研究所に所属し「はやぶさ2」の設計にも関わっている津田氏のおふたりをお招きし、 宇宙技術の進化をわかりやすくご紹介いただきます。
プログラム後半では、Ide-a-thonを通し「7年後、宇宙技術の進化は我々のライフスタイルをどのように変えるのか」を参加者の皆さんとワールドカフェやストーリーボードなどの形式を利用しディスカッションしていきます。
不確実な未来を想像してみたい、イノベイティブなアイディア発想のフレームワークを学びたい、組織を超えた参加者とコラボレーションしたい、そんな皆さんにオススメの内容です。
開催概要
セミナータイトル | 未来をデザインするvol.1 – 宇宙 [Ide-a-thon]宇宙技術の進歩から考える7年後の未来 |
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開催日時 | 2014年1月16日(木)14:30〜(14:00受付開始) |
場所 | loftwork Lab(ロフトワーク渋谷) 渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア10F ※10F受付に直接お越し下さい。 |
対象 | ・未来を自身でデザインしたい方 ・ビジネスに活用できる新しいアイディア発想法を学びたい方 ・参加者同士のディスカッションを通し新たなヒントを得たい方 ・宇宙技術や宇宙のこれからに興味をお持ちの方 注)本イベントは一般向けで宇宙業界関係者向けではございません |
参加費 | 無料 |
定員 | 30名 |
主催 | 株式会社ロフトワーク |
協力 | 株式会社アクセルスペース |
プログラム
- 14:30~14:40
- オープニングスピーチ
- 14:40~15:10
- “はやぶさ2″プロジェクトから見る宇宙
JAXA宇宙科学研究所
月惑星探査プログラムグループ 助教
津田 雄一氏 - 15:10~15:40
- 超小型衛星の可能性と我々のライフスタイルの進化
株式会社アクセルスペース
CEO
中村 友哉氏 - 15:40~16:00
- Ide-a-thonの進め方
- 16:00~18:30
- Ide-a-thon 「7年後、宇宙技術の進化は我々のライフスタイルをどのように変えるのか」
- 18:30~20:00
- 懇親会