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未来をデザインするvol.2 - 家事  [Ide-a-thon]ぼくらの家事はココまで変わる!開催レポート

2014年2月7日、Ide-a-thonを通してイノベーションのプロセスを体感するシリーズイベントの2回目が開催されました。vol.1は「宇宙」という壮大なテーマでしたが、今回は生活に欠かせない「家事」。家事にもイノベーションは起こせるのか?家事に縁のあるパナソニックとライオン、日本財団からゲストをお招きして昨今の家事事情について考えつつ、既存の家事にとらわれない自由な発想でディスカッションを楽しみました。

家電とサービスの組み合わせで、家事の未来はドキドキ、ワクワク?!

現代の家事になくてはならないのが家電です。そこで、パナソニック株式会社の關 智子氏がセッションのトップバッターを務め、同社が2012年からスタートしたスマート家電への取り組みを紹介しました。

ネットにつながり暮らしを楽しく・便利にするスマート家電のコンセプトは、家電とサービスの組み合わせで新しい価値を提案すること。ユーザーはスマホ用アプリ「Panasonic Smart App」を使って、15カテゴリの商品で、エコ、クッキング、ヘルスケア、コントロール、CS・サポートといった機能を利用できます。

「クラウドやスマホを活用したハード+サービスの提案によって、家事に育児に仕事に忙しい30~40代DEWKS女性に少しでもゆとりの時間を持ってもらいたい」と語る關氏は、「サービスは社内だけで考えていてはダメ。いろんな会社と協業しながらサービスを開発している」と説明し、一例として、adidasと開発したトレーニングアプリ、女性に人気の健康管理サービス「ルナルナ マタニティ」との連携サービスを紹介。

さらに、「未来はもしかしたら、自分好みの機能やUIにカスタマイズできる家電が出てくるかもしれない」と語り、これからの家電とユーザーの関係性に言及。ただ使うだけでなく、家電とサービスの組み合わせによって、楽しさ(モチベーションアップ)、パートナー(愛着・信頼感)、アシスト(利便性・効率アップ)、あなた好み(パーソナライズ・家電と個電)といった関係性が付加され、これらが新たなユーザー価値になっていくだろうと予測しました。

Wonders!をキーワードに、これまでにないワクワクやドキドキ、おどろきのある商品・サービスをユーザーと一緒に創ろうとしているパナソニック。關氏は、「メーカーだけが一方的に考えても出来ることではない。ユーザーの思いも一緒に詰めて商品にしていくことがWonders!の実現につながるのです」と強調し、Ide-a-thonへの期待感を募らせました。

パナソニック株式会社 關 智子氏

“やらねばならぬ”イメージをリセットして楽しめる要素をプラス!

続くトークセッションでは、パナソニックの關氏に加え、ライオン株式会社の中川敦仁氏、日本財団の田代純一氏が登壇。はじめに中川氏は自らの家事との関わりについて振り返りつつ、「家事は多くの人にとって“やらねばならないこと”というニュアンスを含んでいる。まずこの価値観をリセットすることが大切。家事は人を幸せにする仕事と考えると、何か違うことができるかもしれない」と指摘。また、「心理学で感情感染効果というのがありますが、たとえば料理を出すときにニコッと笑って『おいしいでしょ?』と言ってみてはどうでしょう。自ら相手の感謝を引き出すことで満たされることもあるかもしれませんよ」と語りました。

一方、日本財団でママの笑顔を増やすプロジェクト(通称「ママプロ」)を担当する田代純一氏は、「未来の家事?正直わかりません。ただ、共働きは増えているのに平等な働き方はできていない。少なくともこの実態は変わっていくでしょう。共働きがあるなら、共家事、共育児があってもよい。しかし、そもそも家事は人、家庭によって種類も量も質も異なり、ロールモデルは親であることが多い。これが家事の目的やプライオリティの置き方、レベル感のズレを生んでいる」と分析し、Ide-a-thonへの話題提供としました。

自己紹介を兼ねた二人の話を受け、トークセッションではロフトワークの松井創をモデレーターに、登壇者3人が家事論を展開。改めて議論してみると、きちんとした家事の定義がないことに気付かされるばかり。「誰もがやっている当たり前のこと」(田代氏)であり、「実は生きていく力」(中川氏)でもあり、だからこそ「楽しさを見出したいと思いながらやっている」(關氏)のも事実。マイナスのイメージで捉えられがちな家事に、楽しめる要素をプラスしていく必要があるという認識は一致していたようです。

トークセッションで登壇したロフトワーク松井 ライオン中川氏、パナソニック關氏、日本財団田代氏

What?ではなくWhy?から、理想の暮らしを実現するための家事のあり方を考える

ゲストを迎えてのセッションを終え、ここからの進行役はイノベーションメーカーの棚橋弘季にバトンタッチ。棚橋は、Ide-a-thonの進め方のヒントとして、「イノベーションを考えるときは、外の世界を変える前に自分(創る側)の意識を変えることが大事。つまり、既存の枠組みの外で考えること」と強調。その具体的なポイントを挙げました。

<既存の枠組みの外で考えるときのポイント>

  • 同じ家事というテーマを共有しつつ、いつも話していない人の話を聴く。
  • 実際にモノを作りながら考える。
  • 発想が広がらないときは、全然違う分野の人とトークセッションをして頭を柔らかくし、ヒントをもらう。
  • 実際のユーザーの行動を評価する。

さらに、「実は今の家事のカタチは当たり前ではない。どちらかというと、家電や生活用品がデザインされて、それに合わせて作られてきたと言える。家事をRe-designする上では、そもそもどういう暮らしを送るための家事かを考えるとよいでしょう」と語り、「Ide-a-thonの基本スタンスとして、What?ではなくWhy?を考えてみてほしい。なぜ変える必要があるのかを考えることで、何を本当に実現したいのかが見えてくる」とアドバイスしました。

イノベーションメーカー棚橋

【Ide-a-thon】イノベーションはここから!マイナスイメージの家事がここまで面白くなる

今回のIde-a-thonは6チームに分かれ、途中メンバーをシャッフルながら、3つのワークを通して未来の家事サービス・商品のアイデアをブラッシュアップ。チームごとに会社名やサービス・商品名を決め、最後に最終発表する流れで行われました。

Ide-a-thonの流れ

Work1:ワールドカフェ
各自の生活のこだわりについて考え、6人で家事について対話。途中メンバーをシャッフルしてまた議論する。これを3セット繰り返す。

Work2:アイデアスケッチ
人々の生活のこだわりを満足させるような未来の家事、未来の家事サービス・商品のアイデアを1人1枚スケッチする。

Work3:起業に向けて未来の家事サービスを作る
アイデアの中から深堀したいものを選んで家事サービス・商品のアイデアをブラッシュアップし、社長プレゼンを想定した発表の準備をする。

最終発表

Work1ワールドカフェ:各自のこだわりについてのディスカッション
Work2アイデアスケッチ:シャッフルを繰り返しながらアイデアスケッチとしてまとめる

美家事工房「家時と家事を美しくするCommunityサービス 美・家事」

若者とシニアがターゲット。シニアはお家流を若者に伝授し、若者はシニアの家に伺って力仕事を支援するという相互作用がプラットフォーム上で起きる。スポンサーはパナソニックとライオン。すべてのイベントに両社の商品を使用することで、企業にはユーザーからフィードバックを得られるメリットもある。最終的な副産物として「お家流事典」の出版も予定。企業と地域とシニアと若者がWin-Winの関係を築きながら、家事が美しいものになっていく。

Re-Dish「毎日の新しい食体験 Re-Dish」

Re-Dish「毎日の新しい食体験 Re-Dish」

「毎日の気分に合わせた美しい食卓」「食器棚要らずで洗い物から解放」「食体験をもっと豊かに」がコンセプト。Dishデータベースを構築し、ここに様々な食器のデータを保有。お気に入りのお皿のデザインを選ぶと、食事の用意をしている15~20分の間にお皿が完成し、美しいお皿で素敵な食事ができる。食べ終わったら機械に放り込めば、洗う手間なく、次の新しいデザインに再利用される仕組み。

JKC「2020東京オリンピックに家事リンピックを!」

JKC「2020東京オリンピックに家事リンピックを!

オリンピック選手村を会場に、「入場行進用シャツのアイロンがけ」「エア料理」「食器洗い」「部屋の掃除&ベッドメイキング」などの種目で開示の世界No.1を競う。これを機に、家事が再評価されることが期待される。主催はJKCと日本財団、協賛スポンサーはパナソニック(公式家電)とライオン(公式洗剤)を想定。

グラフィックレコーディング:清水淳子氏

イベント概要

ロフトワークでは、過去の経験や分析からだけでは起せないイノベーションに向けデザイン思考というアプローチでアイディエーション、コンセプト設計、戦略立案などをご支援する機会が増えてきています。

そこで、”未来をデザインする”と題し、さまざまな社会的テーマを例として取り上げイノベーションを起こすプロセスの一部を体験いただけるシリーズイベントを開催していきます。

vol.2となる今回のテーマは「家事」。誰もが生活する中で欠かせない家事は、今後どのように変わっていくのでしょうか?

パナソニック、ライオン、日本財団などから家事に関わるゲストを迎え、現在の家事のニーズやこれからを対談形式で考えるとともに、参加者の皆さんにもIde-a-thonを通し、未来の家事を思い描いていただく予定です。不確実な未来を想像してみたい、イノベイティブなアイディア発想のフレームワークを学びたい、組織を超えた参加者とコラボレーションしたい、そんな皆さんにオススメの内容です。

開催概要

セミナータイトル 未来をデザインするvol.2 – 家事
[Ide-a-thon]ぼくらの家事はココまで変わる!
開催日時 2014年2月7日(金)14:00〜(13:30受付開始)
場所 loftwork Lab(ロフトワーク渋谷) 地図
対象 ・未来を自身でデザインしたい方
・ビジネスに活用できる新しいアイディア発想法を学びたい方
・参加者同士のディスカッションを通し新たなヒントを得たい方
・家事に興味をお持ちの方
参加費 無料
定員 30名
主催 株式会社ロフトワーク
協賛 パナソニック株式会社

プログラム

14:00〜14:10
オープニングスピーチ
14:10〜14:25
「パナソニックが取組むスマート家電」
パナソニック株式会社
コンシューマーマーケティング ジャパン本部 企画グループ 商品企画チーム 主事
關 智子氏
14:25〜15:10

Talk Session 「家事の今、これから」
モデレーター:ロフトワーク プロデューサー 松井 創

ライオン株式会社
包装・容器技術研究所
中川 敦仁氏

日本財団
事業企画チーム「ママプロ」担当、「学プロ」プロジェクトリーダー
田代 純一氏

パナソニック株式会社
コンシューマーマーケティング ジャパン本部 企画グループ 商品企画チーム 主事
關 智子氏

15:10〜15:20
休憩
15:20〜15:30
Ide-a-thonの進め方
15:30〜18:10
Ide-a-thon「ぼくらの家事はココまで変わる!」
18:10〜19:10
ネットワーキング

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