渋谷エリアに新しい価値を創造するモビリティサービスを。
モビリティ変革コンソーシアム、JR東日本、ロフトワークが
1dayアイデアソンを実施
モビリティ変革コンソーシアム、JR東日本、ロフトワークが共同で運営するNewHere Projectは、渋谷エリアを舞台に私達の未来の暮らしに必要な「モビリティサービス」を考えるアイデアソンを実施しました。クリエイターや社会課題の解決に興味がある人、渋谷エリアに関連がある人などが集まり、年代や性別、住む所もバラバラな人たち50人が9つのチームに別れ、1日かけてアイデアを形にしました。
オープニングトーク/自動運転やAI活用など、JRの先進的な取り組みについて知る
まずは、モデレーターであるロフトワークの多田麻央が開会をアナウンス。NewHere Projectや当日のプログラムの概要を説明しました。
審査員の紹介を経て、登壇したのはJR東日本の浦壁俊光さん。NewHereのロゴの入ったパーカー姿で登場し、「JRは固い会社だと思われているが、時代に合わせ、さまざまな会社や人とコラボレーションすることで少しずつ変化している」と語りました。
続いてJR東日本の中川剛志さんがモビリティ変革コンソーシアムの役割や機能、そしてこれまでの活動として、岩手県大船渡線で運行しているBRTの自動運転、GPSを利用した快適なサイクリング、案内AIなどロボットの活用などさまざまな調査・実証実験を紹介しました。
ワークを前に、多田が渋谷に関するクイズを出題。「渋谷」という名前の由来や、1950年代の渋谷の様子などをクイズ形式で共有しました。
NewHere projectについて
モビリティ変革コンソーシアム、JR東日本、ロフトワークが共同で運営するプロジェクトです。自分たちの未来の暮らしを自分たちで描き、モビリティの価値や可能性を捉え直すことが必要だと考えています。
その街に住む人、働く人、愛着がある人、たまたま訪れた人、それぞれが過ごす多様な時間や行動が織り成す景色の中に、モビリティの新しい価値をデザインし、実装する。小さな試行錯誤を繰り返しながら、暮らしと文化を更新する新たなモビリティを形にしていきます。 >>プロジェクトの詳細はこちら
ワーク/何をテーマとするのかを、チームでじっくり考える
アイスブレイクでチーム名を決め、さっそくアイディエーションするテーマの相談を開始。チームで考えたいことを黙々と付箋に書き出す参加者たち。個人作業のあとは、付箋をホワイトボードに貼り付けながら話し合い、テーマを整理していきます。会場には、先程のオープニングトークのグラフィックレコードが掲示され、人が集まっていました。
続いてリサーチを実施。知りたいことを書き出し、検索したり、渋谷の街に繰り出して情報を集めます。中にはテーマがなかなか決まらず、時間ギリギリに会場を飛び出していく参加者も。リサーチ後全チームでテーマを発表。渋谷の坂や交差点、出会いに注目したチームなど、多彩なテーマが出揃いました。
お昼休みを挟んで午後は、課題とユーザーを決めていきます。ワークシートに、解決したいシーンといつ、どこで、誰の、どんな課題・ニーズを解決するのか書き出します。解決したいシーンを、イラストを使って解説する人も。渋谷のカフェ難民やごみ問題など、具体的な課題が次々と書き出されていきます。
課題解決のアイデアを発散させ、収束させる
課題をチームメンバーと共有し解決したいシーンを一つ選定。それをもとに、今度は課題が解決された未来の世界、ビジョンを描き出します。ビジョンの策定は、各チームとも難航している様子でしたが、本当に目指したいビジョンが見つかるように、ファシリテーターがサポート。
ビジョンを策定したら、いよいよアイデア出しです。まずは、課題を解決するためのアイデアを8分で8個書き出します。1つ出すのに苦労している人もいれば、数十秒ごとにアイデアを書き出している人も。全員がアイデアを書き出したら、共有します。
勢いで書いたアイデアは原石のようなもの。そこからチームで、視点を変えながらアイデアをブラッシュアップ。発表のためのプレゼンシートとストーリーボードにまとめていきます。発表まで、残り1時間20分。アイデアのブラッシュアップを続けるチーム、プレゼンシートを書き始めるチームと、各々のペースで準備を進めます。なかには、アプリのUIをデザインするところまで手がけるチームも。
プレゼンテーション/受賞チーム発表 渋谷を快適に楽しくする、多彩なアイデアが
10階の発表会場に全チームが集まり、審査員も揃ったところで発表開始。審査員はJR東日本の佐藤勲さん、ロフトワーク代表の林千晶、ほか2名です。
午前中から夕方まで、考え抜いたアイデアをチームの代表が発表します。「渋谷エリアを舞台にしたモビリティサービス」というテーマは共通しつつも、見事にバラバラなサービスやプロダクトが発表されました。寸劇を取り入れたり、会場にあるグッズを使ってプロダクトのプロトタイプを作ったりと、プレゼンテーションもそれぞれ工夫しています。
発表のあとはオーディエンス賞を選ぶための投票時間が設けられ、その後受賞チームが発表されました。
JR東日本の佐藤さんから大賞が発表されると、受賞したHチームからは喜びの声があがりました。渋谷と地方をユニークな方法でつなぐサービスを考案したHチーム。オーディエンス賞は、プロトタイプを作って発表していたFチームでした。
さらに佐藤さんからは、「初対面のチームメンバーとすぐに打ち解け、楽しそうにアイデアを出す皆さんの姿が、本当にすばらしいと思った。この斬新な発想は社員からは出ないと思う」という感想と労いの言葉が、そしてロフトワーク林からは「どのアイデアも甲乙つけがたく、それぞれの良さがあった」という講評がありました。参加者は審査員の話に耳を傾け、1日がかりのワークの疲れが見えつつも、達成感をにじませていました。
2020年に向けて、再開発が日々進められている渋谷エリア。このアイデアソンで出てきたアイデアが社会に実装され、渋谷をもっと盛り上げていくかもしれません。