シリーズ|生物多様性と経済
Vol.2 共生する循環経済の仕組み構築に向けて
ゲスト:住田孝之(住友商事グローバルリサーチ 代表)
Finished イベント終了
- Date
-
2023-07-27 (Thu)
18:00-19:30 (開場17:45)
- Capacity
- 40名
- fee
- 無料
Finished
About
生物多様性と経済合理性を繋げるトークシリーズ
環境問題において、脱炭素を進めて温室効果ガスの排出を削減することで、温暖化を防止しようという動きは加速しているものの、生物多様性の課題についてはプラネタリーバウンダリー(※1)でも指摘されているように、最も深刻な問題のひとつ(1970年代から30年間で全生物の68%が絶滅、今も1日100種類以上の生物が絶滅しつづけている)であるにも関わらず、数値目標が設定しずらく、経済活動に結びつきにくい現状があります。
一方で、国際社会においては自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD ※2)の設立や30by30(※3)などの目標達成に向けたより実践的な動きが、また経済界では自然資本という考え方の広がりや、インパクト投資市場の拡大などが進みつつあります。
SPCSは、これまでのような、自然を一方的にコントロールしようとしないデザインにこそ、クリエイティブな余白が広がっており、かつ、多種共生で需要性の高い社会につながると信じて活動しており、生物多様性と経済活動を結びつけた活動が評価されていくという流れが世界的に生まれていくと考えています。そこで、この「生物多様性と経済」のシリーズでは、社会背景を踏まえて、多種共生のデザインがどのように経済活動と結びついていくのか、また、どのように評価しうるのか、今後の可能性を探ります。
イベントでは、毎回お迎えするゲストとともに、過去の経済・政治の歴史や、国内外の政策方針を踏まえたうえで、今後の経済活動がどのように変わっていくのか分析・展望するとともに、自然資本やインパクト投資の潮流、さらに、テクノロジーやデザインによるデータの可視化/サービス化などを通して、自ら指標を提示しながら社会に働きかけている動きなどを紹介していきます。自然共生と経済活動の両立させるべく奮闘する方々同士の経験や知識を共有し合い、パートナー醸成の場ともなるよう、オンサイトで実施します。ぜひお誘い合わせの上ご参加ください。
※1:ストックホルム・レジリエンス・センターの環境学者ヨハン・ロックストロームらによって2009年に提唱された人類が生存できる安全な活動領域とその限界点を定義する概念。この中で、生物多様性については既に限界値を超えていると指摘された。
※2:自然に関する企業のリスク管理と開示の枠組みを構築するために設立され、各国の大手事業会社や金融機関を中心とした企業・機関・団体等が参加する国際組織
※3:2030年までに国土の30%以上を 自然環境エリアとして保全するという、2021年G7サミットで約束された目標。日本では環境省を中心に具体施策が進められている。
今後のテーマ(予定)
- Vol.1 多種共存の資本主義社会を予測する(7/4開催)
- Vol.2 生物多様性と循環経済の接続
- Vol.3 インパクト投資/ESG投資と自然資本
- Vol.4 データの可視化と価値提案
- Vol.5 環境価値の視点転換、人間/非人間の線引きのデザイン
- Vol.6 新たな価値交換ツールとテクノロジー
Vol.2のテーマは自然との共生と循環の仕組みづくり
第2回のゲストは、住友商事グローバルリサーチ株式会社 代表取締役社長の住田孝之さん。経済産業省や環境庁(当時)、内閣府を歴任しながら、IT、イノベーション、知的財産、無形資産、環境・エネルギー、税制・社会保障、企業開示、商務流通、保安、FTA交渉など幅広い分野での政策企画・立案に携わってきた方です。
住田さんは、大阪万博のテーマである「命輝く未来社会のデザイン」の名付け親でもあり、長年、自然との共生と循環社会の再構築の必要性を訴え続けている方でもあります。また、東海エリアの知的財産のリサーチプロジェクトである東海サーキュラープロジェクトにおいては、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)を進めるにあたり、経済活動と生態系の関連付けやそのための仕組みづくりに言及しています。
日本では2023年度から上場企業に対して、ESG情報などの非財務情報を開示することが義務付けられました。併せてGRIスタンダードの一般化や、2023年9月に控えているTNFDの開示指針策定など、企業の持続可能な仕組みづくりと具体的な活動実績が急がれています。一方で、輸入された「サーキュラーエコノミー」に対応するだけではなく、日本独自の営みを再評価し、再構築していくことが、持続可能な循環社会を国際社会に向けて発信できる価値になるのではないでしょうか。住田さんとともに今我々が向かう方向を見つめてみたいと思います。
こんな方におすすめ
- 自社事業のインパクト指標や評価方法をデザインしている新規事業担当者、ESG担当者
- 企業のパーパス策定に関わる経営企画の担当者
- 循環型の経済システム構築に関わる行政担当者
- サステナブルなサービス/プロダクトデザインに取り組むクリエイターやデザイナー
SPCS|自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ
マイクロバイオーム、放射線、ウィルス、細菌。時に厄介者やエラーと扱われる自然の力を肯定的に捉え、遊び、クリエイティブに生かす器をデザインすべく、プロトタイピングしながら自然のアンコントローラビリティを探究する活動体。自身の好奇心や課題感と自然のメカニズムをリンク・身体化させ、価値観や手法をアップデートさせるべく、領域横断の実験を行っています。 これまでの活動 >> SPCSコミュニティページ インスタグラム
Speaker
住友商事グローバルリサーチ株式会社, 代表取締役社長 / 住友商事株式会社,常務執行役員兼任
住田 孝之
1962年生まれ。1985年東京大学法学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省。1993年米国ジョージタウン大学国際政治大学院卒業。経済産業省では、産業政策、FTA等の国際交渉、環境・エネルギー政策、イノベーション戦略などに従事。エコポイントやプレミアムフライデーを立案したほか大阪万博の「命輝く未来社会のデザイン」というテーマを策定。知財戦略推進事務局長としては、知的財産戦略ビジョンをまとめ「価値デザイン社会」を提言。2019年に住友商事(株)に入社し、2021年4月から現職。無形資産など非財務要素を活用した企業の価値創造に焦点をあて、2007年にグローバルなNPOであるWICI(世界知的資産・資本イニシアティブ)を立ち上げ、2022年6月まで会長を務める。
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1962年生まれ。1985年東京大学法学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省。1993年米国ジョージタウン大学国際政治大学院卒業。経済産業省では、産業政策、FTA等の国際交渉、環境・エネルギー政策、イノベーション戦略などに従事。エコポイントやプレミアムフライデーを立案したほか大阪万博の「命輝く未来社会のデザイン」というテーマを策定。知財戦略推進事務局長としては、知的財産戦略ビジョンをまとめ「価値デザイン社会」を提言。2019年に住友商事(株)に入社し、2021年4月から現職。無形資産など非財務要素を活用した企業の価値創造に焦点をあて、2007年にグローバルなNPOであるWICI(世界知的資産・資本イニシアティブ)を立ち上げ、2022年6月まで会長を務める。株式会社ロフトワーク, アートディレクター
小川 敦子
ロフトワーク京都 アートディレクター。1978年生まれ。百貨店勤務を経て、生活雑貨メーカーにて企画・広報業務に従事。総合不動産会社にて広報部門の立ち上げに参画。デザインと経営を結びつける総合ディレクションを行う。その後、フリーランスのアートディレクターとして、医療機関など様々な事業領域のブランディングディレクションを手掛ける。そこにしかない世界観をクライアントと共に創り出し、女性目線で調和させることをモットーにしている。2020年ロフトワーク入社。主に、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を軸としたコーポレートブランディングを得意領域とし、2021年より経産省中部経済産業局、大垣共立銀行が中心となりスタートした、東海圏における循環経済・循環社会を描く「東海サーキュラープロジェクト」のプロジェクトマネージャーを担当。
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ロフトワーク京都 アートディレクター。1978年生まれ。百貨店勤務を経て、生活雑貨メーカーにて企画・広報業務に従事。総合不動産会社にて広報部門の立ち上げに参画。デザインと経営を結びつける総合ディレクションを行う。その後、フリーランスのアートディレクターとして、医療機関など様々な事業領域のブランディングディレクションを手掛ける。そこにしかない世界観をクライアントと共に創り出し、女性目線で調和させることをモットーにしている。2020年ロフトワーク入社。主に、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を軸としたコーポレートブランディングを得意領域とし、2021年より経産省中部経済産業局、大垣共立銀行が中心となりスタートした、東海圏における循環経済・循環社会を描く「東海サーキュラープロジェクト」のプロジェクトマネージャーを担当。株式会社ロフトワーク, マーケティング/ SPCS
浦野 奈美
大学卒業後ロフトワークに入社。渋谷オフィスにてビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。また、FabCafeのグローバルネットワークの活動の言語化や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、そして、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。
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大学卒業後ロフトワークに入社。渋谷オフィスにてビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。また、FabCafeのグローバルネットワークの活動の言語化や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、そして、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。Program
- 18:00-18:05
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イントロダクション
- 18:05-18:25
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共生する循環経済の仕組み構築に向けて
- 住友商事グローバルリサーチ株式会社 代表取締役社長 住田孝之さん
- 生物多様性条約や国家指針と企業に迫られる課題
- 循環経済実現における課題と展望
- 東海サーキュラープロジェクトから
- リージョナル・生態系重視型の資本主義とは
- 生態系に配慮した循環社会を後押しするルール作りについて
- 住友商事グローバルリサーチ株式会社 代表取締役社長 住田孝之さん
- 18:25-19:00
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質疑応答、ディスカッション
- 19:00-19:30
- 交流会