生物多様性とデータとビジネス
【生物多様性を手繰り寄せるシリーズ vol.1】
Finished イベント終了
- Date
-
2024-05-15 (Wed)
14:00-17:00
- Capacity
- リアル会場:30名、オンライン会場:100名
- fee
- 無料
Finished
About
ネイチャーポジティブ経済の実現に向けて
2022年12月開催の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)では、世界目標として「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択、「生物多様性の損失を止め反転させる」ことが2030年ミッションとして掲げられました。2030年に向けたグローバルターゲットとして「生物多様性への脅威を減らす」「人々のニーズを満たす」「実施と主流化のためのツールと解決策」の3つのカテゴリーで、23の目標が設定されています。 それを受け、日本国内でも2023年の3月に「生物多様性国家戦略 2023-2030」として「ネイチャーポジティブ実現に向けたロードマップ」が閣議決定。5つの基本戦略として「生態系の健全性の回復」「自然を活用した社会課題の解決」「ネイチャーポジティブ経済の実現」「生活・消費活動における生物多様性の価値の認識と行動」「生物多様性に係る取組を支える基盤整備と国際連携の推進」が掲げられています。このうち、「ネイチャーポジティブ経済の実現」は各企業が取り組むべき課題であると同時に、これからの社会環境における新たなビジネス機会でもあるのではないでしょうか。
ネイチャーポジティブの取組を価値創造の戦略のなかに盛り込む
そして、2024年の3月には環境省、農林水産省、経済産業省、国土交通省の連名で「ネイチャーポジティブ経済移行戦略」(以下、移行戦略)が策定されています。
この移行戦略において、企業はまず、サステナビリティ経営やESG投資の文脈で価値創造プロセスに非財務的価値を取り入れる中で、自社の自然資本への依存や影響、機会創出の可能性を正しく捉え、マテリアリティとして位置づけられるものを把握することが必要とされます。企業は自社の価値創造プロセスのなかで、バリューチェーンにおける自然資本への負荷を把握するためのトレーサビリティの確保や自然資本の損失回避等の対応を行うことで、調達リスクや災害リスクに対するレジリエンスを向上し、事業の持続可能性を高めます。さらに、この過程で培った自社リスクの対応を、他者リスクへの対応に転用することで新たな事業機会の創出につなげ、ネイチャーポジティブの取組みを価値創造の戦略のなかに盛り込んでいくのです。 ビジネスと環境課題解決の両立の難しさはよく話題になりますが、企業が自社の価値創造プロセスの観点で自然資本への負荷の回避・低減の検討を行い、損失のスピードダウンや負荷の最小化、製品・サービスを通じた自然資本への貢献の最大化に取組みを行うことにより、ネイチャーポジティブ実現と企業価値向上の両立が目指される点が、この移行戦略の特徴といえそうです。
生物多様性とデータとビジネス
この戦略の鍵を握るのは、自社の価値創造プロセスのなかで自然資本への負荷がどれだけ発生しているか、またネイチャーポジティブの取組によりその負荷がどう回避・低減されているかをデータにより可視化することでしょう。今回のイベントでは、データとビジネスという観点で、貿易、調達、消費による生物多様性の喪失を定量化・可視化する研究を行っている、東北大学大学院環境科学研究科の准教授・金本圭一朗さんと、富士山南陵工業団地開発事業において、人間だけではなく自然との共生も盛り込んだ取組みとして、計画~施工段階から、持続的に自然と関わるスキームを付加価値としたビジネスモデル構築までを行う大成建設株式会社 クリーンエネルギー・環境事業推進本部の鈴木菜々子さんをゲストにお招きし、お二人の取組みの事例を紹介しながら、生物多様性というテーマに、企業としてどのように取組めばよいかヒントを見つけていきます。
プログラムは前後半に分かれており、前半(ゲストからのプレゼンテーションおよびモデレーターを加えた3名でのクロストーク)は、会場/オンラインのいずれの方法でも参加可能です。
後半は会場参加のみとなり、企業がビジネスの観点からどのように生物多様性に取組むかについての意見交換を、ゲストのお二人を交えたミニワークと交流会を通じて行っていきます。
このイベントは「生物多様性を手繰り寄せるシリーズ」として、vol.2以降の開催も予定しています。生物多様性というテーマをそれぞれの企業のビジネスに落とし込んでいく手がかりを、共創を通じて見つけていきましょう。
こんな人におすすめです
- 企業や団体のサステナビリティ企画・運営等に関する部署や担当者
- データビジネスに関連する企業
- 園芸博への参加やSDGs達成に向けたアクションを模索している企業
GREEN×GLOBE Partnersとは
GREEN×GLOBE Partnersは、環境・社会課題解決のためにSMBCグループが2020年7月に設立した事業者コミュニティです。
『環境・社会課題解決の「意識」と「機会」を流通させる』ことを目的に、事業者に向けた情報発信や、仲間を見つけるための機会の創出など、事業者に向けた支援を行っています。
コミュニティ内外の志をともにするパートナーをつなぎ、プロジェクトの組成と推進を支援することを通して、環境・社会課題解決に必要な活動や関係者が増えていくことを目指しています。
GREEN×GLOBE Partners:https://ggpartners.jp
Speaker
東北大学大学院環境科学研究科, 准教授/総合地球環境学研究所 客員准教授
金本 圭一朗
東北大学大学院環境科学研究科 博士後期課程修了 博士。シドニー大学ISA客員研究員、九州大学持続可能な社会のための決断科学センター、信州大学経法学部、総合地球環境学研究所などを経て、現職。2012年から研究成果に基づいたKGM & Associates Pty Ltd.をオーストラリアで共同で創業。専門は、産業エコロジー、環境経済学、産業連関分析。個人、都市、国の消費、企業の調達がサプライチェーンを通じて引き起こす様々な環境問題の可視化に関する研究に取り組んでいる。研究成果は、Nature誌、Nature Ecology & Evolution誌、PNAS誌などに40編以上発表している。2018年から2023年までクラリベイト・アナリティクスから高被引用論文著者に選出、2022年に科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞している。
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東北大学大学院環境科学研究科 博士後期課程修了 博士。シドニー大学ISA客員研究員、九州大学持続可能な社会のための決断科学センター、信州大学経法学部、総合地球環境学研究所などを経て、現職。2012年から研究成果に基づいたKGM & Associates Pty Ltd.をオーストラリアで共同で創業。専門は、産業エコロジー、環境経済学、産業連関分析。個人、都市、国の消費、企業の調達がサプライチェーンを通じて引き起こす様々な環境問題の可視化に関する研究に取り組んでいる。研究成果は、Nature誌、Nature Ecology & Evolution誌、PNAS誌などに40編以上発表している。2018年から2023年までクラリベイト・アナリティクスから高被引用論文著者に選出、2022年に科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞している。大成建設株式会社, クリーンエネルギー・環境事業推進本部 自然共生技術部自然共生推進室長
鈴木 菜々子
森林生態学を学び2005年、大成建設株式会社に入社。入社後に修士(林学)と博士(造園)を取得。専門は応用植生生態学。入社以来、自然再生プロジェクトに従事し、建設業からネイチャーポジティブの実現を目指す。主な担当プロジェクトは、富士山南陵工業団地で自然と共生する工業団地として新しいビジネスモデルに取り組み10年以上にわたる森づくり活動を実践。大手町の森では都市を再生しながら自然の森の再生に取り組むなど開発事業における自然環境保全・再生を推進。近年はその活動領域を森林資源・森林環境の活用、保全まで拡大。直近では2024年4月に小菅村、NPO法人多摩源流こすげと大成建設の3者で連携協定を締結し、源流域を拠点としたグリーンインフラ推進構想「Kosuge-Model」創出に向け活動を開始。東京農業大学非常勤講師。
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森林生態学を学び2005年、大成建設株式会社に入社。入社後に修士(林学)と博士(造園)を取得。専門は応用植生生態学。入社以来、自然再生プロジェクトに従事し、建設業からネイチャーポジティブの実現を目指す。主な担当プロジェクトは、富士山南陵工業団地で自然と共生する工業団地として新しいビジネスモデルに取り組み10年以上にわたる森づくり活動を実践。大手町の森では都市を再生しながら自然の森の再生に取り組むなど開発事業における自然環境保全・再生を推進。近年はその活動領域を森林資源・森林環境の活用、保全まで拡大。直近では2024年4月に小菅村、NPO法人多摩源流こすげと大成建設の3者で連携協定を締結し、源流域を拠点としたグリーンインフラ推進構想「Kosuge-Model」創出に向け活動を開始。東京農業大学非常勤講師。株式会社ロフトワーク, マーケティング/ SPCS
浦野 奈美
大学卒業後ロフトワークに入社。渋谷オフィスにてビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。また、FabCafeのグローバルネットワークの活動の言語化や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、そして、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。
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大学卒業後ロフトワークに入社。渋谷オフィスにてビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。また、FabCafeのグローバルネットワークの活動の言語化や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、そして、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。Program
- 14:00-14:15
- イントロダクション
株式会社三井住友フィナンシャルグループ 秋山 峻亮
株式会社ロフトワーク 川口 和真
- 14:15-14:55
-
ゲストトーク1
事例紹介「自然と共生する工業団地」
大成建設株式会社 鈴木 菜々子
ゲストトーク2
事例紹介「サプライチェーンに内在する生物多様性の喪失を可視化する」
東北大学大学院環境科学研究科 金本 圭一朗
- 14:55-15:05
- 活動紹介
モデレーターによるSPCS(スピーシーズ)の活動紹介
株式会社ロフトワーク 浦野 奈美
- 15:05-15:45
- クロストーク&質疑応答
大成建設株式会社 鈴木 菜々子
東北大学大学院環境科学研究科 金本 圭一朗
株式会社ロフトワーク 浦野 奈美 - 15:45-15:50
- トークセッション クロージング
(オンライン参加の方は本セッションでご退出となります)
- 15:50-16:30
- ミニワーク
- 16:30-17:00
- 登壇者と参加者のネットワーキング
Outline
- 開催日時
- 2024年5月15日(水)
トークセッション:14:00-15:50
ミニワーク+ネットワーキング:15:50-17:00 - 開催方法
- リアル会場(トーク+ミニワーク+ネットワーキング)+オンライン配信(トークのみ)
- 定員
- リアル会場:30人、オンライン開催:100名
- リアル会場
-
ロフトワーク渋谷 10階
住所:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂 1-22-7 道玄坂ピア 10階
MAP:https://bit.ly/3AD6EDJ - オンライン配信
- Zoom
- 参加費
- 無料
- 共催
- 株式会社三井住友フィナンシャルグループ、株式会社三井住友銀行、株式会社ロフトワーク
- 後援
- 環境研究総合推進費 (JPMEERF20234004)、総合地球環境学研究所
ご注意
- 申込多数の場合、抽選となる可能性がございます。抽選結果(落選)のご連絡は5月10日(金)までにご連絡します。(申込締切:5月8日正午)
- リマインドメールは、開催前日までに申し込みの際に、ご登録いただいたメールアドレス宛にお送りします。
- 参加者の皆さんの写真や議論の内容は後日Loftwork.comおよびGREEN×GLOBE PartnersのWebサイトに掲載する場合があります。
- プログラムは、予告なく変更される場合があります。
- 本イベントの取材をご希望の方は、GGP事務局(greenglobepartners_event@loftwork.com)までお問い合わせください。
ACCESS
ロフトワーク渋谷
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂 1-22-7 道玄坂ピア10階