
AI is Not Magic 展
AIと私たちの立ち位置を探るための34日間
AIは理解の及ばない魔法か、それとも理解しうる相棒か。AIとの協業による人間の創造性と共生関係のあり方を考察する「AI is Not Magic 展」開催
- Date
-
2025-06-30 (Mon) -
2025-08-03 (Sun)
10:00 – 20:00
- Place
- FabCafe Tokyo
- fee
- 無料
AIは理解の及ばない魔法か、それとも理解しうる相棒か。AIとの協業による人間の創造性と共生関係のあり方を考察する「AI is Not Magic 展」開催
About
Technology is Not Magic
ハードウェアハッカーのAndrew “bunnie” Huangがあるメディアのインタビューでオープンソースへの情熱について聞かれて次のように語っています。”Technology is not magic(テクノロジーは魔法ではない)” 私たちの周りにはあまりにも多くのテクノロジーが溢れ、いつしかそれは人間の域を超え理解不能なもののように感じてしまうことがある。だが、それを作ったのは人間であり、誰しもが理解できる余地があるものであり、その姿勢を常に持ち続けるべきだ、という意味で、テクノロジーは魔法ではないと語っています。
AIは、魔法なのでしょうか。あるいは理解しうる相棒なのでしょうか。
本展示では、AIを常に正しい答えを教えてくれるべき存在ではなく、時には間違えを言うかもしれない、だけども面白い視点を与えてくれる相棒としてみています。人との協業や会話のやり取りを通じた、新たな存在AIとアーティストやエンジニアによるコミュニケーションの試行錯誤を通じて、どんな表現が生まれているのでしょうか。その試行錯誤は、AIが見ている世界を理解しようとする姿勢そのものとも言えます。
Artist / Project
James Bridle

作家、アーティスト、テクノロジスト。作品は世界中のギャラリーや文化機関、そしてインターネット上で展示されてきた。『Wired』『The Atlantic』『New Statesman』『The Guardian』『Financial Times』などの雑誌や新聞への掲載も多数。著書に『New Dark Age』(2018年)と『Ways of Being』(2022年)があり、2019年にはBBCラジオ4で「New Ways of Seeing(見ることの新たな方法)」の執筆・ナビゲーションを務めた。

AI Chair
廃材の山をもとに椅子をデザインするようChatGPTに頼み、その椅子を実際に製作したという「AI Chair」は今回の展示のために新しく制作されます。
演画プロジェクト

漫画内のキャラを演じて遊べる参加型マンガ〈演画〉を探求するレーベル。演画ではプレイヤーのセリフが吹き出しに反映され、生成AIの返答が漫画家の手描き原稿と融合し、遊ぶたびに物語の展開が変わる。ゲーム開発者・木原共を中心に、様々な漫画家と協働し、生成ストーリー体験の可能性を広げていく。

演画 vol.1 「最後のパラシュート」
原作・ゲームデザイン:木原共 漫画:永良 新
演画の第1作の舞台は、墜落寸前の飛行機。乗っているのは、機長1名と乗客2名の計3名──ただしパラシュートは2つしかない。誰がパラシュートを使うのかを決めるのは、すでに1つを装備し自分は助かるつもりの独断的な機長。乗客である2人のプレイヤーは、文章生成AIが演じる機長を会話で説得しなければならない。乗客達で協力して全員生還を目指すか、機長と結託して自分だけ助かるか――プレイヤーの言葉次第で、全員生還から全滅まで毎回異なる展開の物語が生まれる。大規模言語モデルが社会の重要な意思決定にますます関与しつつある今、こうしたシステムが「命の価値」をどう判断し得るのかを探っていく。
Domestic Data Streamers

Domestic Data Streamers(ドメスティック・データ・ストリーマーズ)は、バルセロナを拠点とするコレクティブであり、ジャーナリスト、リサーチャー、プログラマー、アーティスト、データサイエンティスト、デザイナーで構成されています。2013年から新しいデータ言語とその社会的影響の探究に取り組んできました。
そのリサーチや活動は、映画、インスタレーション、デジタル体験、パフォーマンス、展示など、幅広いコンテクストに展開されており、その場所も学校、刑務所、映画館、美術館、多くの都市のストリート、さらには国連本部にまで及びます。バルセロナを拠点としつつ、これまでに45か国以上、すべての大陸で活動してきました。これまでに、テート・モダン(ロンドン)、香港デザイン・インスティテュート、カリフォルニア科学アカデミーなどの文化機関でもプロジェクトを展開しています。

Synthetic Memories
Synthetic Memories(シンセティック・メモリーズ)は、失われる危機にある個人的な記憶を再現し、保存することを目的としたプロジェクトです。話し言葉や書き言葉による記憶の記述を視覚的なイメージに変換することで、特に高齢化や移住、神経疾患などによる記憶喪失を経験している人々が、自身の過去と再びつながり、困難な状況の中でもアイデンティティの継続性を保てるよう支援します。
Techno Graphical Data Archive

世界中の伝統文化が天災、戦争、気候変動や人口減少などの原因により衰退の一途を辿っています。特に人の手技を要する伝統工芸の分野においては、技術革新による自動化/効率化が進み、伝統技術の消失に拍車がかかっています。日本では伝統工芸職人の高齢化が進み、口伝の技や知識が記録/継承されないまま消失するケースが多くあります。
この様な文化消失の問題は、ここ日本に留まらず全世界的に発生しています。伝統工芸職人の多くは70歳から90歳の高齢者で「熟練の技術」はたった今も失われつつあるのです。このプロジェクトは伝統工芸職人の技能をデジタルデータ化し、世界中からアクセス可能なデータプラットフォームにアーカイブすることにより、ローカルな文化の保存と継承を促進させることをミッションとしています。
AIの進化が問いかける、人間の知性のあり方
FabCafeでは、かねてよりAIと人間の関係性に関して幾つかのディスカッションを行いました。
昨年行われたイベント『人類学からみるAI』では、デザイン・アートユニット「Playfool」のダニエルコッペンさん・丸山紗季さん、メディアアーティスト・ゲーム開発者の木原共さん、人類学者の久保明教さんをゲストに招き、「人間的な思考」以外の視点でAIが発展していたら? というクエスチョンのもと、「人間より優れているか、否か」という人間視点になりがちなAIに対する目線に疑問を投げかけました。

イベントレポート『AIの進化が問いかける、人間の知性のあり方──遊びや人類学から探索する、新たな創造のカタチ』(2024年5月開催)
AIとのコラボレーションによって、人間の能力はどう拡張されるのでしょうか。AIとの会話により、人間のクリエイティビティはどうなるのでしょうか。
本展示では、AIとのコミュニケーションの試行錯誤、協業を通じた思索を通じ、AIとのコラボレーションと、人それぞれの立ち位置を紹介します。
Outline
- 会期
- 2025.6.30 (月) – 2025.8.3 (日) 10:00 – 20:00
- 時間
- 10:00〜20:00(最終入場19:30)
- 入場料
- 無料
- 会場
-
FabCafe Tokyo
東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア1F京王井の頭線 神泉駅 南口 徒歩3分
JR 渋谷駅 徒歩10分
03-6416-9190
Googleマップで開く - 主催
- FabCafe Tokyo
- ご注意
- ・本イベントの取材をご希望の方は、ロフトワークまたはFabCafeまでお問い合わせください。
・FabCafe Tokyoの営業時間中、展示をご覧いただけます。ご予約は不要です。