2019年3月、ロフトワークが運営するFabCafeは、コミュニティを通じたデザインワークグループ、FabCafe Creative Acceleration Workgroupをスタートしました。

ローンチプロジェクトとして、「A.D.A.M (アダム)」という名でのワークグループを結成。AIデザインをテーマに、大型3Dプリンターを使用して、自動操船ヨットのデザインに挑みます。

AIを駆使して、最先端の自動操船ヨットをデザインする

「A.D.A.M」は、AI(人工知能)を使用したデザインをテーマしたワークグループです。5名〜10名程度のプロダクトデザイナーおよびエンジニアなどのメンバーで、現在のAIデザインの最先端であるジェネレーティブデザインを使用し、自動操船ヨットのデザインにチャレンジします。

ジェネレーティブデザインとは、与えられた条件下での構造的な最適解を得るデザイン手法で、ワークグループでは、その手法を実践的なプロジェクトで活用し学びつつ、自動操船ヨットをデザイン、将来のAIデザインのメソッドを考えます。

A.D.A.Mで実践するプロジェクトは、everblue technologiesが開発する自動操船技術を漁業に応用して魚群探索、捕獲補助を実現する無人ディンギー「Fisherdrone(仮)」のデザイン、設計、製造です。

*このデザインはコンセプトデザインです。

この無人ヨットは漁業を支援、アップデートし、将来的には再生可能エネルギーを水素などに変換、エネルギーキャリアを運搬することでサステナブル社会の実現を目的としています。実証第一弾として、漁業における自動操船ヨットを活用した魚群探索、捕獲補助などを計画中。ヨット自体も、従来のヨットの概念にとらわれず、複雑な形状を短期間で製造できる3Dプリンタの利用を前提とし、部位により素材変更に対応した製造を行います。A.D.A.Mのテーマである、ジェネレーティブデザインの技術を使用することで、高強度かつ軽量な構造の実現を目指します。

本ワークグループにはAutodeskの協力と、アメリカズカップのヨットデザインを手がけたACTなどの協力を得ています。

デザイナーが手を動かさない、新しいデザイン手法を学ぶ

昨今、人がデザイン要素や課題を設定し、コンピュータが最終的な形状デザインを行う手法の研究が進められています。

このようなジェネレーティブデザインやAIを使用した手法は、現在は、主に形状の最適化を目的とし、コスト削減など製造の効率化を目指した技術ですが、将来的には、形状や大きさなどの「意匠デザイン」にも活用されていくと考えられます。

A.D.A.Mでは、将来のプロダクトデザイナーの役割は、手を動かしデザインをする立場から、AIに対してデザインをディレクションする立場へと変化していくと考え、ディレクションの際にどのような条件設定をすべきか、どの学習データを提供するのかなど、AIを用いたデザインならではのメソッドを学びます。

 

△ジェネレーティブデザインの例。要件を与えてパーツを生成し、従来の強度はそのままに、大幅な軽量化を実現している。

© 2019 Autodesk Inc. All rights reserved.
© 2019 WHILL Inc. All Rights Reserved.

FabCafe Creative Acceleration Workgroupについて

「FabCafe Creative Acceleration Workgroup」は特定のテーマに対して共創を行うワークグループ型のコミュニティです。従来のような新たな出会いやネットワークを広げるためのコミュニティ活動だけではなく、具体的なプロジェクトに対して少人数で実践的に取り組み、学びを共有しながら実際にアウトプットすることを目的としています。

プロフェッショナルなデザイナー、エンジニアなど異なるバックグラウンドのメンバーが参加するオープンイノベーションモデルでのデザインワークを行うことにより、一人のデザイナーでは生まれない発想や、ノウハウの共有が行われ、より高いレベルのアイデアと機構、デザインの融合が実現可能です。

ワークグループの運営イメージ

5名〜10名程度のプロダクトデザイナーおよびエンジニアなどで構成したワークグループで活動します。(同じテーマでFabCafe海外の支店でもワークグループをスタートする予定あり)
月2回程度のワークグループミーティング(オフライン・オンライン併用)を行いながら、アイデアやプロセスを共有し、各自、もしくはチームでデザインを行います。

ワークグループは、先生、生徒の関係性でなく、参加者全員が知識を持ち寄り、ワークグループ内で共有し、知識と技術を高め合うことを目的とします。参加者は基本的に個人での参加とし、ワークグループの活動野中で知財や発明が発生した場合は、発案者に権利がありますが、複数名での発案については協議のうえ共有するな個別で対応を検討します。

ワークグループの活動内容は、基本的に公開します。ただし具体的な手法などについてまだ公にすべきでないと参加者で判断したものは非公開とします。また手がけるプロジェクトの内容によっては、活動全体を非公開として進める可能性もあります。

A.D.A.Mプロジェクトオーナー

everblue technologies

お問い合わせ

FabCafe Tokyo (川井、金岡)

info@fabcafe.com

ロフトワークについて

ロフトワークは、オープンコラボレーションを通じてWeb、コンテンツ、コミュニケーション、空間などをデザインするクリエイティブ・エージェンシーです。
グローバルに展開するデジタルものづくりカフェ「FabCafe」、素材と向き合うクリエイティブ・ラウンジ「MTRL(マテリアル)」、クリエイターとの共創を促進するプラットフォーム「AWRD(アワード)」、クリエイティブな学びを加速するプラットフォーム「OpenCU」を運営。世界中のクリエイターコミュニティと共創することで、幅広いクリエイティブサービスを提供します。

株式会社ロフトワーク 広報:pr@loftwork.com

Next Contents

8年をかけて醸成されてきた「京都らしさ」とは?
ロフトワーク京都立ち上げメンバー座談会

Loftwork magazine 月に2回、最新情報をお届けするメールマガジン