外と混ざるからこそ見えるもの。生み出せる可能性。
「Creators' Talk #56」にプロデューサー柳川雄飛が登壇
先日、ロフトワークのプロデューサー柳川が、デンソー主催「Creators’ Talk」に登壇。これまでにエムテドの田子學氏やファッションデザイナーのコシノ・ジュンコ氏なども登壇していてきたこのイベント。世の中の変化をいち早く察知し活動しているゲストを招き、知見を共有し合うトークイベントとして、約10年ほど続いています。今回のイベントテーマは、「「渋谷」人と企業とまちが未来をつくる」。イベントのスピーカーとして、同じく渋谷を拠点に、様々なパートナーと繋がり、活動をしているEDGEofの柳原暁氏、東急電鉄アクセラレーションプログラムの加藤由将氏も登壇し、ともに議論を深めていきました。
外と繋がり、ともに活動することで得られるものとは
今回スピーカーとして登壇した柳川は、クライアントワークで様々なクリエイターやアーティストと共創しながらプロジェクトを進める傍ら、社外プロジェクトでも、「渋谷区100人カイギ」のキュレータとしても活動。最近では、「design/DESIGN」という各業界で活躍するクリエイター/デザイナー/経営者を招いて、彼らのサービスやプロダクトのデザインを解剖していくプロジェクトも企画運営しています。
日々、企業とクリエイターなど普段なかなか関わる機会がない分野のメンバー同士を繋ぎ共創しあいながら価値を作り出すことに挑戦しつつ、社外も含め様々な人と繋がり可能性を広げていっている柳川が外と混ざり合う意味を語りました。
柳川 クライアントの課題解決に向け、都度必要なプロジェクトチームを立ち上げるロフトワーク。全てのプロジェクト、社内だけでなく適切なメンバーを社外からもアサインしてチームを作り、クライアントの課題解決に取り組みます。
日々多彩なメンバーと様々なプロジェクトに取り組んでいる中で思うのは、社外のメンバーと一緒に仕事をすることは「自分の価値に気づく」機会になるということ。自分たちは、十分価値あるものを持っていたり、行なっていたりするけど、当たり前になりすぎてその価値を見失いがちです。私たちのクライアント企業は、ロフトワークと関わることで、眠っていた会社の、あるいはサービスの価値に気づき、言語化したり可視化できる。それが外と混ざり合うことの価値の一つだと思います。
また、社外でも様々な活動をしていますが、これも自分にとってすごく重要な活動になっています。活動を通じて、新しい学びを得て、自分の世界が広がります。自分自身が興味ある事柄だけでなく、普段あまり触れない分野に関わっている人との出会いを作ることも意識しています。気づきが増えていくことで、自分の興味関心の軸が見えてきたり、やりたいことが出てきたり。経験が増えることで、仕事で取り組む事柄の自分ゴト化がよりできるようになったとも感じます。また、出会った人たちと一緒に仕事をすることになったり、助け合える仲間が増えたりと、社外の活動は自分にとって欠かせないものになっています。
社外メンバーとプロジェクトを進めるときに重要なことは
社外のパートナーと共に事業やプロジェクトを生み出しているゲスト3人。プロジェクトを進めていくときに大切にしていることについてクロストークが行われました。
加藤 大手企業が外部と一緒にプロジェクトを進めるために必要な力になると思いますが、社内でのコミュニケーション力、社内政治力はとても重要だと思います。社内の人事異動に関しては、鬼のように把握しています。また、自分自身、勤務時間の7割は社内のコミュニケーションに注いでいて、社外とのコミュニケーションは、勤務時間の3割。と溢れる夜と休日の時間を使って、社内と同じ7割程度まで持って行っている。外部とのコミュニケーションだけでなく、大手企業の方々は、社内調整力もより必要になってくると思います。
柳原 いかにフラットな関係を築きながらチームになれるかを重要視しています。共に取り組むメンバー同士が受発注の関係として進んでしまうと、目先の利益を気にしてしまい、本音で語り合えなくなる場合があります。お互いが一緒に生み出そうとしているモノ、コトの10年後、15年後を見据えて、ユーザー目線でどうしたいか、どうしたら良いかという話ができる関係性を築くことがよいプロジェクトにしていくために必要だと考えています。
柳川 プロジェクトに取り組む個々人の熱量が重要だと感じます。特に主体となるメンバーが、最後までコミットする気概を持っているか、想いを持って取り組めているのかは、プロジェクトを成功させられるかどうかの大きなポイントになると思います。新しいことに取り組むときは、やはり多くの壁にぶつかります。自分がやりたい、やる意義があると感じられていなかったらその壁を超える努力をし続けることは難しい。プロジェクトを成功させるには、プロジェクトに取り組むメンバーがそれぞれ自分ごと化できているかどうかが大切だと思います。
近年、オープンイノベーションという言葉をよく目にするように、自社だけでなく、社外を巻き込み共に価値を生み出していくという流れが加速しつつある時代になっています。オープンコラボレーション、社外と混ざり合うことで価値を日々生み出すことに挑戦してるロフトワークとして、今後もみなさんのお役に立つ情報を届けていきたいと思います。
ロフトワークについて
ロフトワークは「すべての人のうちにある創造性を信じる」を合言葉に、クリエイターや企業、地域やアカデミアの人々との共創を通じて、未来の価値を作り出すクリエイティブ・カンパニーです。ものづくりを起点に、その土地ならではの資源やテクノロジーを更新する「FabCafe(ファブカフェ)」、素材と技術開発領域でのイノベーションを目指す「MTRL(マテリアル)」、クリエイターと企業の共創プラットフォーム「AWRD(アワード)」などを運営。目先の利益だけにとらわれず、長い視点で人と企業と社会に向きあい、社会的価値を生み出し続けるビジネスエコシステムを構築します。
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