創立22周年を迎えた、ロフトワーク。先日発表したロフトワークの言語化と合わせ、もう一つ新しいプロジェクトが始まりました。

クリエイターとロフトワーク社員の多様な創造性を生かし、「私たちのロゴ」を探究する実験的プロジェクト「ロゴとワーク」です。第一弾で制作された、ロゴとアートワークを発表します。

ロゴはひとつでなくてもよい。「私と会社」「私と誰か」をつなぐ“生きた結び目”としてのロゴ

企業における理念や大切にしたいことをビジュアルで表現する、会社の“ロゴ”。一般的には、ロゴは一企業につき一つであり、多くの場合は、理念に基づきトップダウンで生み出されます。

ロフトワークも、創業以来一つのロゴを使って活動してきました。しかし、私たちの新しいビジョンである“Unlock potential”が生まれたことを機に、ロゴのあり方も、常識にとらわれずに、想像したことのない未来を模索するものでありたい、と考えました。

「ロゴとワーク」は、「ロフトワークとは何か」を表現する、10種類のロゴタイプとアートワークをクリエイターと共に毎年制作するプロジェクト。社員とクリエイターで組成された10組のチームが毎年制作し、3年間続けることで、計30種類の作品を作ります。そして、プロジェクトで生まれたロゴタイプとアートワークを、社員一人ひとりが自由にロフトワークのロゴとして選び、それぞれ業務の中で使用します。

クリエイターとの制作過程で行われる、数々のディスカッション。形になったアートワークやロゴに表現される新しい自分たちの側面。そして、出来上がったロゴを社員一人ひとりが主体的に選ぶことで、「ロゴ」と「会社」と「私」が重ねられることーー。つくり、選び、使う全ての過程において、「ロフトワークってなんだろう」「私の信じるロフトワークの姿はこれだ」という対話が生まれ、それぞれの「私たちのロフトワーク」は出来上がっていきます。

ロゴとワークは、「私と会社」「私と誰か」をつなぐ“生きた結び目”をつくる実験であり、挑戦です。

第一弾、10作品を発表! 

第一弾として制作された、完成したばかりのロゴをお披露目します。アートワークとともにご覧ください。

出来上がったロゴとアートワークは、それぞれのチームの解釈による、ロフトワークの「一面」。一つの作品がロゴとしてロフトワークを象徴するのではなく、一つ一つのロゴが集積することで多面的なロフトワークを形作ります。

ノガミカツキ

キーワード:Loftwork is “未来の社会をプロトタイプする人たち”

人が未来へ残す文字、をテーマに制作しました。
私はFabCafe Kyotoのレジデンスに参加した頃から、木下さんが機材の使い方を教えてくださり、知識が自分にないからこそ生まれたノイズに着目してディスカッションを行っていました。ノイズとは極めて人目線のものであり、人工的な直線がずれたりした時にノイズと呼ぶ事があります。しかし、象形文字や壁画の様に未来へ残すという意志を持ったものは、人が人である理由ともいえると思います。
未来をプロトタイプするロフトワークの話からインスピレーションを受け、過去から未来に届いた隕石を購入もしました。街中の風景から拾い集めて風景の弁当箱をつくったり、凹凸の激しいさざれ石に直接UV印刷等も行いました。そして、様々な試行錯誤から惑星にLoftworkと書いてある様なロゴをレーザーカッターで制作しました。隕石や他で使用した石のテクスチャなどもここには含まれています。
私にとってLoftworkが実験の場であった事を、今回のロゴ制作で強く再認識しました。

ノガミカツキ 現代アーティスト

新潟県長岡市出身。モントリオールのコンコーディア大学Topological Media Labの客員アーティスト。ベルリン芸術大学オラファーエリアソンゼミに交換留学。武蔵野美術大学卒業。学生の頃から海外ビエンナーレ等に出展を行い17カ国での展示・上映経験がある。アルスエレクトロニカや文化庁メディア芸術祭、ifva香港を始めとした受賞多数にBehind the Mac、Forbes U30、映像作家100人、フィンランドサウナアンバサダーに選出。VICEやWIRED、装苑などのメディアで作家特集が掲載。自分の肌を数年間スキャンして記録、自然物に印刷し続けている。パブリックアートが大阪に恒久設置。
katsukinogami.co

担当ディレクター


木下 浩佑


山田 麗音

若木くるみ・赤山 朝郎

キーワード:Loftwork is “生き霊”

世の中には自社の可能性を発見しようと、試行錯誤する企業で溢れている。
ロフトワークはそんな彼らに憑依しながらサポートする人々の集まり。
時と場合により佇まいを変え、愚直でありながら、ゆるりと楽しそうに動く振る舞いは生き霊のよう。

私たちは、人や会社が持つ「固有の宇宙」の中にある隠れた価値を浮き彫りにして解き放つ。それはお客様の宇宙を旅しているようなもの。

ひとつの視点だけでは見えないものを、クリエイターを巻き込んで複数の視点からクライアントと共に見つけていく。
多種多様なものを受け止める空間を箱で表現し、雲にはふわふわした生き霊としてのロフトワークメンバーが、箱の側面には協力するプロジェクトのメンバーが描かれている。

パートナーや卒業生も含めて世の中に佇むロフトワーク。その残り香は日本からアジアに広がりほんのり漂う。

若木くるみ アーティスト

自らの剃り上げた後頭部に顔を描き入れ、紙に転写する「顔拓」など、従来の版表現に留まらない奇天烈な作品で知られる。版画という間接技法を拡大解釈し、名画や他力を拝借して制作する行為自体も「版画」であると主張。木版画からパフォーマンスに至るまで、幅広い活動を展開している。2009年岡本太郎現代芸術賞受賞。

赤山 朝郎 デザイナー

長く付き合える、らしいデザインを作ることをモットーに、教育・企業・医療など様々な分野で制作に携わる。年に一度作っている年賀状が何より楽しみ。1984年和歌山生まれ。大阪成蹊大学でデザインを学び、現在はデザイン事務所オフィスティに勤務中。
▼オフィス ティ https://www.office-t-design.co.jp
▼ポートフォリオサイト https://asaoakayama.tumblr.com/

担当ディレクター


石井 誠


飯澤 絹子

小林覚(ヘラルボニー / るんびにい美術館)

キーワード:Loftwork is “まだない価値を見立てるところ”

そこに紙ヒコーキと土を置いてみたとする
紙ヒコーキが土を運んで
別のところに 草や花が生えて 町ができる
ミミズや小石
生物や無生物
混ざり混ざって町というわたしたちがつくられる
そんな物語はどうだろう
“なんかいい“を作るために
意味をとりのぞいて作ってみる
とにかく無心で“Loftwork”を書いてもらった
状況に意味を付ける形で わたしたちのロゴを現してみた

小林覚(ヘラルボニー / るんびにい美術館)アーティスト
るんびにい美術館(岩手県花巻市)在籍。
好きな音楽家はビリー・ジョエル、クイーン、井上陽水、スピッツ、THE BOOM。そして散歩が大好き。小林は養護学校中等部の在学中に、日記も作文もすべての文字を独特の形にアレンジして書くようになった。初め学校の先生も何とか直せないかと苦心したが、やがてこれを魅力的な造形表現ととらえることに切り替える。これを転機に、彼の表現は多くの人に喜びを与えるアートとして羽ばたき始めた。

担当ディレクター


小島 和人


宮本 明里

吉田勝信・稲葉 鮎子

キーワード:Loftwork is “meant to make positive errors.”

私たちは、ポジティブなエラーを引き起こし、それを視覚的に定着するワークショップを考えました。それは、誰にでも備わっているクリエイティビティを起動させ、おのおのの個性と共に図形が自動生成されてゆきます。このワークショップは、一人では出来ません。それぞれが探し出したチームを象徴する「物」を起点に物語を作り、絵描歌や福笑いのような伝承遊びをモチーフにしたプロセスを通じ、協力して図像を作ります。あなたやわたし、そして人ならざる他者に開かれたワークショップです。Creativity Within All.

吉田勝信 デザイナー
1987年東京都生まれ。山形県を拠点に採集、デザイン、超特殊印刷をおこなっている。名前の「吉」は土に口。

稲葉 鮎子 吉勝制作所所属
プロジェクトサポート、マネジメント担当。吉勝の物販、小雲・百貨主宰。採集と料理が暮らしのテーマ。

担当ディレクター


国広 信哉


浦野 奈美

山下 陽光・添田 奈那・伴 貞良

キーワード:Loftwork is “楽しく生きる人生のワンシーン”

打ち合わせで渋谷に行った時に渋谷のロフトワークと京都のロフトワークの景色と文字が溶け込むようにしたいと思いました。
超簡単なロゴは作ったり、勝手に作って送ったりしてたんですが、もめ&キャロルンロールの二人とガッツリ作り上げて行く作業は妥協させろよ!させるかよ!の抜き差しならない緊張感ギンギンで、出来た瞬間は3人でこれだっ!というのがわかってそこからはすいすいで作れました。渋谷よりも京都のロフトワークの画像を見すぎて見すぎたので、京都を散歩してロフトワークを見つけたら歓喜の声が出ると思います。

山下 陽光 リメイクブランド「途中でやめる」

毎回プロフィール違うやんけシリーズもいよいよ3回目で今回はロフトワークさんのロゴを作らせて頂いて、普段は低価格で低クオリティな「途中でやめる」という名前のブランド名で服を作っていてネットや服屋さん、ミュージアムショップなどで販売してます。1977年長崎県生まれ。
行ったり来たりの二度目の上京で東京楽しすぎるやんけを満喫中で、現在新宿新大久保に住んでます。最先端の過去をガン見するグループ新しい骨董のメンバー。


添田 奈那
デザイナー
伴 貞良 フォトグラファー

担当ディレクター


松田 絵里


服部 木綿子

平田尚也

キーワード:Loftwork is “『僕』とタイラー”

以前作家の知人と人によってペルソナ(仮面)を付けているタイプの作家と本性をさらけ出しながらそれを武器として活動している2つのタイプの作家がいるという内容の話をしました。一概には言えないが、妙に腑に落ちる。
寺山修司の戯曲「さらば、映画よ」によれば皆誰かの代理人だそうだし、シェイクスピアの喜劇『お気に召すまま』によればこの世は一つの舞台であり、人はその時々にいろいろな役を演じているのだそうです。
要するに人間は複数のアカウントやアバターを無意識に所持していて、それぞれのロールプレイを同時進行で行う生き物なのだと思う。たとえ、内面をさらけ出して生きていると感じても、自我に対してすら「自分」を演じているのではないかという疑念が拭えない気もします。
それからその見方を少し奇天烈に飛躍させると、もしかしたら僕が作り出したマッドな構造物ですら何かを演じ、代理しているのかもしれない。それが存在している空間によって、もしくはどのように観るかによって振舞いを変えるのだから。そして、その振舞い方を「他者」として知覚した時、とても清々しく愉快な感覚を覚えます。

平田尚也 美術家/彫刻家
1991年長野県生まれ。2014年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。空間、時間、物理性をテーマにネットから収集してきた既成の3Dモデルや画像などを素材とし、主にアッサンブラージュ(寄せ集め)の手法でpcのバーチャルスペースに構築した仮想の彫刻作品を発表。仮像を用いることによって新たな秩序の中で存在するもう一つのリアリティを体現し、ありえるかもしれない世界の別バージョンをいくつも試すことによって現実の事物間の関係性を問い直す。また、彫刻史の現代的な解釈を考察する。

担当ディレクター


原 亮介


室 諭志

Slogan (Yoshiko Tezuka, Sonoka Sagara)

キーワード:Loftwork is “the soil for __.”

植物が健やかに育つために必要な水・日光・風。
それらを感知し伸びていく茎。
たくさんの仲間を増やすために地中深くへ張っていく根。
お互いを気にかけながら上手に広がる枝葉。
そうして育った草花に生き物が種や花粉を運んでくれることで豊かに育つ土。
そんな自然界の姿に、ロフトワークを重ねました。

「おもしろそうなこと」をいち早く見つけ、その方向に枝葉を伸ばすこと。
そこでの出会いを楽しみ、水や光を注ぎ人々と一緒に育っていくこと。
地域やコミュニティに根を張りながら、未来に向けて新しい種をまくこと。
そうして時間をかけて耕してきた、ロフトワークという豊かな土。

今回のアートワークでは、多様なプロジェクトやメンバー、賑やかなクリエイションが地上を彩っている様子、地中にはまだ見ぬ未来への小宇宙が広がっている様子という切り分けられない2つの世界をリソグラフプリントで表現しました。ロゴには、これからも上下にぐんぐんと広がっていくロフトワークの躍動感と、地上での新たな出会いへの期待を込めています。

私たちのSloganのルーツでもあるロフトワーク。22周年というおめでたい瞬間に、こうしたプロジェクトを通して立ち会えることをとても嬉しく思っています。

Slogan (Yoshiko Tezuka, Sonoka Sagara)
東京で出会ったグラフィックデザイナーのSonokaとYoshiko、フォトグラファーのDebyの3人からなるクリエイティブコレクティブ。みんな自由すぎてなかなか同じ都市にいることはないけど、離れていても心は一つ。”We Create and Share”を合言葉に、ブランディング、グラフィックデザイン、シューティングなど、ものづくりに夢中。2022年初春に念願の”Slogan Studio”を三軒茶屋、三茶ハウス跡にオープン予定。

https://www.instagram.com/weareslogan
https://www.instagram.com/weareslogan/?hl=ja

担当ディレクター


松本 亮平


金 徳済

河野未彩

キーワード:Loftwork is “the polyhedron with full colors”

Loftwork。それはLoftという空間から始まった会社。
RGBs(※1)はLoftworkの組織の歴史を振り返り、元のロゴが根ざす3つの要素(Creator, Society, Company)と、創造の源としてのLoftという空間をモチーフに、新たなロゴを制作した。

制作当初はRGBの3原色が重なる場に白く輝くCreativityが宿ると考えていた。しかし、Creativityとはときに原理を疑い、常識を覆そうとする信念や執着から生まれるものではないだろうか。そうした想いから、3原色・3次元の原理に反したオブジェクトをアートワークに取り入れることで、常識(※2)にとらわれず様々な形で新しい世界を生み出し続けるLoftworkの姿を表現した。

多種多様なロフトワーカー(※3)がいると共に、世界中に拠点が存在し、1つとして同じ環境はないことも、アートワークで表現している。

※1「RGBs」とは
R(あかね)、G(みどり)、B(ボーイズ 小島・中圓尾)で結成されている

※2「常識」とは
誰もわからない。私たちが認知している世界はもっと多面的で多色。混ざり合う色の結果は誰も予測できない。別の角度から見ることで誰も知らない形が見えてくる

※3「ロフトワーカー」とは
ロフトという箱を作るクリエイターでもあり、ロフトの中で色を乗せていくアーティストでもある

河野未彩

視覚ディレクター/グラフィックアーティスト
多摩美術大学生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻卒業。音楽や美術に漂う宇宙観に強く惹かれ、グラフィックデザイン/映像/プロダクトを媒体とした数多くの作品を手がける。 作品集「GASBOOK 34 MIDORI KAWANO」をGas as Interfaceより刊行。 影が彩る照明「RGB_Light」を開発、日米特許取得から製品化までを実現。
https://www.instagram.com/midori_kawano/

担当ディレクター


中圓尾 岳大


坂木 茜音


小島 伊織

阿部航太・佐貫絢郁

テーマ:Loftwork is a group of DRAWer.

LWが行ってきたことを振り返ったときに、「Derive」という言葉が浮かんだ。直訳すれば「派生する」だが、語源には「水源から流れを引く→流れ出る」という意味を持つ。社会を構成する一人ひとりに向き合い、ポテンシャルを引き出してきたLWらしい言葉ではないか。そして新しい水脈は引き出すことでその人の持つ世界を広げ、LWは孤立したそれぞれの多様な世界をつなげてきた。そうして出来上がるのは、関わった人たちが共通して見ることができる大きな世界地図だ。

▼阿部航太
佐貫さんのアートワークが「多様さ」が重なり描く輪郭であれば、中のロゴタイプはきっと「骨」だろうと思った。「多様さ」を肯定するために、その「骨」には多少の衝撃でもブレない強靭さが必要とされるし、常に変化する環境を乗りこなす軽やかさが求められるに違いない。これがあればきっと大丈夫、と思える「骨」があれば、輪郭はいくらでもダイナミックに広がるはずだ。

▼佐貫絢郁
アートワークでは『Potential』という言葉と、中国語でそれを意味する『潜力』という言葉を書きました。阿部航太さんがデザインしたロゴの背後にある形はLoftworkの社名を書いたもの。堤さん、台湾チームとの対話や、阿部さんとの共同制作でビジュアルとしてもとても力強いものが形作れました。手探りで見つけた『ポテンシャル』というワードですが、今回のロゴとワークのプロジェクトの中でその言葉を実感しています。

阿部航太 デザイナー/文化人類学専攻
1986年生まれ。2009年ロンドン芸術大学卒業後、廣村デザイン事務所入社。2018年同社退社後「デザイン・文化人類学」を指針にフリーランスとして活動を開始。2018年10月から翌年3月までブラジルのサンパウロに滞在し、現地のストリートカルチャーに関するプロジェクトを実施。帰国後、東京を拠点に阿部航太事務所を開設。2021年ブラジルのストリートを追ったドキュメンタリー映画「街は誰のもの?」を全国で劇場公開させる。

佐貫絢郁 画家
京都造形芸術大学大学院修士課程表現専攻ペインティング領域日本画修了。関西を拠点に作家として活動する傍ら、書籍の装画をはじめ多くのアートワークを手がける。風景や肖像からそれら固有の要素を間引き、特定のパースペクティブを逸したイメージをつくり出す。平面を中心に、時に立体作品も制作。昨年度、ポーラ美術振興財団在外研修生に選出されタイ・バンコクへ滞在予定。

担当ディレクター


堤 大樹


Tim Wong

KUMPEI NAKATAKE

Loftwork is “■■■■■■■■”

今回のお話を伺って、まずは渋谷の本社を見学する機会を頂いた。Loftworkとはどういう会社なのか知るために訪れたはずが、尚更何をやっている会社なのかわからなくなった。本社を後にし思い返してみると、Loftworkという会社を分類分けし、何かしらの定義づけをすることで理解しようとしていたこと自体が間違っていたと気がついた。社内で多くのプロジェクトが同時進行で進められ、業種や経歴などの垣根を超えて様々な話題が飛び交う、そんな空間的カオス感のようなものを表現したいと思った。

実際に製作したラグを含む家具群は、土台となるラグの上にヒダクマの皆さんに加工していただいた木材で組み上げた、使い方の定まっていない家具達が集まって形成されている。近くで見ると奇天烈な空間に感じるが、それを10m上空から俯瞰的に見ることで初めて「Loftwork」の文字が浮かび上がってくる。上に乗っかった家具達をクライアント・クリエイター・Loftworkスタッフとするならば、みんなが乗り込むための器である大きなラグがLoftwork本体なのである。そのため、輪郭のある文字ではなく土台であるラグの形を、私が考えるLoftworkの新しいロゴとして採用した。

始まりのアイデア・ロゴ・その上に集められた細かい家具のデザイン全てが、今思うとこの答え・この形しかなかったように感じる。

KUMPEI NAKATAKE 株式会社毛毛 代表 / デザイナー
1995年宮崎県生まれ。2019年多摩美術大学プロダクトデザイン専攻卒業。 2021年10月にオリジナルラグが作れるワークショップスタジオ「tufting studio KEKE」を東京にオープン。徳島県を拠点とする「MIYOSHI RUG」と共同で、日本のラグ産業の活性化を目標に活動している。
個人のデザイナーとしては、グラフィックとプロダクトデザインを得意とし、「心地のいい違和感」をデザインフィロソフィーに掲げ、見る人・使う人の生活に新たな視点を提案するようなものづくりを目指している。

担当ディレクター


北尾 一真


岩倉 慧

「ロゴとワークプロジェクト」について

企業のロゴは、一つでなければならないのでしょうか。
もしも、複数のロゴから「選ぶ」ことができたなら。

「選ぶ」という行為は、小さな自己表現であり、ロフトワーカーのクリエイティブが発揮される瞬間でもあります。企業を象徴するロゴと、一人ひとりの選択が結びつくことで、「ロゴ」と「会社」と「私」が重なる。そのきっかけづくりとともに、「選べる」環境を用意できる組織でありたいと考え、「ロゴとワーク」は始動しました。
私たちは、いつも答えのないプロジェクトに、クリエイターと共に向き合っています。ロフトワークの外側の人々の力がなければ、ゴールには辿り着けません。「CREATIVITY within all」。あらゆる創造性と、その力を信じているからこそ、ロゴの制作をボトムアップで始め、外へと開放していくことを目指しました。
ここに集まった10種のアートワークは、10通りのロフトワークの「一面」です。複数のロゴが積み重なり、ロフトワーカーが選び、使うというプロセスの先に、ロフトワークのアイデンティティが表現されていきます。

10のアートワークは、22周年を記念して富士吉田市で行った社内イベントで張り出されました。

Keywords

Next Contents

釧路市、現代に息づくアイヌの世界観を体感する短編映画
『urar suye(ウララ スエ)』を公開