地域企業と都市の企業・クリエイターとの民民共創を通して、ありたい未来につながる新ビジネス実現を目指す

岡山県真庭市は、地域内外の企業どうしがチームを組み、サステナブルなビジネスを共創するプログラム「Cultivate the future maniwa(通称:カルマニ)」を、2024年10月から2025年2月の5ヶ月間で実施します。本プログラムの実施は今年で4度目。ロフトワークは、本プログラムの企画・運営を担当します。

本プログラムでは、真庭市内の企業と都市部に拠点を置く企業やクリエイターがタッグを組み、チャレンジテーマを掲げてビジネスアイデアを創出します。

今年度は、企業・クリエイター8社の参加が決定し、4つのチームを組成。バイオマス発電で排出される灰の利活用を目指したり、地域でコミュニティづくりをしている事業者と株式会社パルコが「場づくり」に挑戦したりなど、イノベーティブな取り組みから事業の社会的インパクトを高めるための協働まで、目指すゴールも多様なチームが生まれました。

プログラムを通して創出されたビジネスアイデアは、2025年2月に、渋谷のSHIBUYA QWSで開催されるピッチイベントで発表される予定です。本イベントでは、各チームが投資家へのプレゼンテーションを行い、アイデアの実現に向けた資金獲得を目指します。

さらにオンライン配信によって広いビジネスパーソンにアイデアを届けることで、新たな出会いが生まれる機会創出につなげます。

2024年のチャレンジテーマ

参加企業・チーム紹介

Team 1:未利用木質バイオマスの灰を起点に、世界の森を持続可能にするには?【銘建工業株式会社 × 桂 将太郎, 吉辰 桜男】

SDGs先進都市である真庭市を代表する企業のひとつである銘建工業と、起業家の桂将太郎氏、吉辰桜男氏によるチームは、バイオマス発電の副産物である「焼却灰」の活用に焦点を当てます。地域企業として歴史とノウハウを積み上げてきた銘建工業と、デジタルテクノロジーやグローバルビジネスの視点からイノベーションを試行してきたメンバーとの化学反応で、真庭から新しい価値を世界に発信することを目指します。

銘建工業株式会社

100年の歴史を持つ、真庭市の集成材のメーカー。創業以来、お客様に「新しい価値を提供する 」ことをテーマに木材の可能性に目を向け、製材、集成材、バイオマス、近年ではCLT(直交修正材)と、挑戦を続けてきた。企業文化として「木を使い切る」ことを大切にしており、20年以上前から製品を作る際に発生する木くずや端材を活用したバイオマス発電を行っている。

https://www.meikenkogyo.com/

桂 将太郎/株式会社Optimium 代表取締役

2023年の11月に創業。生成AIを活用した自社プロダクトとして、占い師の育成ツール『kanaeru』と内省をテーマにしたオリジナルジュエリーブランド『Jester』の開発と運営を行う。2024年9月に『kanaeru』を事業売却。生成AIを活用した事業開発や業務改善に関するコンサルティングも行っている。得意領域は、0->1の事業立ち上げと組織改革。

https://optimium.io/

吉辰 桜男/ENVLOP株式会社 代表取締役, 共同創業者

クロス・フィロソフィーズ株式会社を学生時代に共同創業、現取締役。日本初の哲学系コンサルティング会社として、企業内の新規事業ワークショップや、幹部育成、技術倫理やスチュワートシップ関連の事業を行う。また、B2Cサービスの自社展開やまた企業向けに日本未進出のツールなどの導入も網羅しつつ、業務改善システムの提供などを行うENVLOP株式会社を共同創業、代表取締役。現在はこれらに加えて、米国を拠点にドナーバンク事業の運営に携わっている。学生時代は中国や英国で過ごしており、日本語、中国語、英語の3ヶ国語を話す。

https://www.envlop.co/

Team 2:限界集落のシェアハウスに増設するシェアキッチンを通じて、新たな価値交換は生み出せるのか?【leal.lab × 株式会社パルコ】

自然が豊かな余野エリアで、宿泊施設やキャンプ場、シェアハウス、コミュニティスクールなどの運営を通して、地域コミュニティの活性化に取り組む、leal.lab。都市を中心に、ファッションや演劇、映画、文学、音楽、アートなどのカウンターカルチャーを発信してきたパルコがSkiiMaというコワーキングスペースの運営、コミュニティづくりの経験を活かし、価値が生まれる仕組みとしてのシェアキッチンづくりを目指しています。大都市とは全く異なる環境の中でどのような拠点が生まれるのか、注目です。

leal.lab

真庭市の最東端にある農村集落、“余野”でシェアハウス、宿泊施設、キャンプ場を運営。農村独特の暮らしや文化が根強く残る余野に魅せられ定住を決意し、2021年に空家を借りDIYで小さなシェアハウスをオープン。都会から田舎へ、わざわざ足を運びたくなる場づくりを実践している。今回のプログラムでは、次のステップとして空き家の納屋を改修してシェアキッチンを増設することを計画している。

https://itocrew.com/

 

株式会社パルコ

パルコは、商業デベロッパーとして小売業と不動産業のハイブリッド型ビジネスモデルを構築し、ビジネスを展開しています。改装による新陳代謝や宣伝・販促活動による集客、きめ細やかなテナントサポートにより各テナントの売上向上を目指すショッピングセンターPARCOの運営をおこなっているほか、 演劇 、音楽、映画、出版など、魅力あふれる様々なコンテンツをプロデュースし、企業ブランドの向上に貢献しています。

https://www.parco.co.jp/

Team 3:地域のマイクロブルワリーの次のチャレンジとは?【美作ビアワークス × 平野達郎(root std)】

日本国内で活況を見せるクラフトビール市場に挑戦しているマイクロブルワリー・美作ビアワークスと、グラフィックデザインと編集を得意とするクリエイター・平野達郎氏とのチーム。転換期を迎えた事業を次のステップへと進めるために、自分たちの「らしさ」「ならでは」を探求するブランディングに取り組みます。世の中の売れ筋から正解を探るのではなく、自社がこだわり抜いてきたビールづくりへの思想、オーナーの人格などから、デザインの力を活かしたブランド戦略を実践します。

美作ビアワークス

2018年に創業した岡山県真庭市のブルワリー。代表の三浦が醸す、岡山県北の地域素材を活かした個性的なビールは、地元真庭や岡山県内を中心にファンを広げている。 クラフトビール業界は国内の醸造所が800社を超え、市場が活況を呈する中、創業6年目を迎えた美作ビアワークスも大きな分岐点を迎えている。 今回のプログラムでは、飲食店や酒販店への営業接点の強化、各商品のブランディング見直しを目指す。

https://mimasakabeerworks.com/

平野達郎/root std.

root design studioは、グラフィックデザインを基点にコンセプト立案から写真・映像・編集・Web・空間ディレクションなど、プロジェクトに応じて様々なクリエイティブを編み、アウトプットを行っています。地域やつくり手・企業の方々とリサーチから対話を重ね、中長期的な視野を持ってプロジェクトの根(=root)をつくり、長い時間を掛けて共に育てていくことを目指したいと考えています。

https://root-std.com/

Team 4:木材のまだ見ぬ可能性を可視化・顕在化するには?【山下木材株式会社 × 増田 圭吾(MA design)】

これまで住宅建築用の木材を主に取り扱ってきた山下木材は、製材・加工の技術を転用して、住宅以外の用途で木材を活用する方法を模索します。パートナーとなるのは、広告からエディトリアル、ブランディング、などで数多くの実績を実績を持つデザイナーの増田圭吾氏(MA design)。デザインの視点によって、既存の技術と素材の中から新しい価値を発見することを期待されています。

山下木材株式会社

長い歴史の中での豊富な経験を生かして製材、乾燥技術を培ってきた、山下木材株式会社。主に地元の材である「美作杉」、「美作桧」材を利用して住宅部材である「柱」や「梁桁」と呼ばれる「構造材」や「間柱」、「垂木」と呼ばれる「羽柄材」などの生産を行う。現在は、美作材KDのブランドで、構造、羽柄材など含水率20%以下の製品を生産している。またJAS(日本農林規格)製品やフローリング、ピーリングなど内装材も製造・販売している。

https://yamashitamokuzai.co.jp/

増田 圭吾(MA design)

デザインは「間(ま)」をつくることではないかと考えます。「間」とは、人と人との心の距離感です。「間」が心地よければ、コミュニケーションはなめらかになります。伝えたいことが、伝えたい人に、伝わりやすくなるはずです。もっと親しくなりたいと感じ、ずっと長く付き合いたいと思ってもらうきっかけになるでしょう。相手の心の中に潜んでいた声が聞きとりやすくなり、自然な対話が生まれ、そこから未来を想像するためのヒントが芽生えるかもしれません。MA designは、人と人、人と企業、人と社会、人と文化のより良い「間」を、そのプロジェクトに関わるすべてのみなさまと共につくります。

https://madesign-inc.com/

スケジュール

10月10日(木)〜10月11日(金)
キックオフ/アイディエーションワークショップ(真庭市)
10月15日(火)〜11月6日() 
アイデアブラッシュアップ(オンライン)
11月7日(木)〜11月8日(金)
ビジネスモデル / ロードマップ作成ワークショップ(真庭市)
11月11日(月)〜2月14日(金)
プロトタイプ作成・オンラインメンタリング(オンライン)
2月15日(土)
成果報告イベント・都市部企業訪問(東京)

運営体制

サポートメンバー

ビジネスメンター:藤田 圭一郎(Setouchi Startups共同代表)
ビジネスメンター:山田 邦明(Setouchi Startups共同代表)

高校生メンター:藤田 岳(Moon Japan CEO)
高校生メンター:今井 智紀(Moon Japan COO)
運営パートナー:大塚 康平(大手通信会社 DX推進部 コンサルタント、真庭市出身)

運営

全体統括:平澤 洋輔(真庭市役所)
統括補助:三浦 友理恵(真庭市役所)
メインディレクター:ロフトワーク寺田 麻里子
ディレクター:ロフトワーク 皆川 凌大
ディレクター:ロフトワーク 望月 定徳
サポート ディレクター:ロフトワーク 寺本 修造
プロデューサー:ロフトワーク 二本栁 友彦