専門性の高い学術プロジェクトをイラストで再解釈
Outline
京都産業大学では、他の私立大学に先駆けて‘生命科学’を導入しています。中でも世界水準となっているタンパク質動態研究においては、平成29年度に文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」に採択され、これまで培ってきたタンパク質科学の基礎研究を、産業・難病克服・創薬事業などの応用レベルにまで発展させることを目的としています。
今回ご支援したWebサイトの構築では、「生命科学」に興味を持つ中高生を主なターゲットに設定し、「タンパク質研究の世界的拠点としての京都産業大学」というイメージの認知・浸透を図りました。
- 支援内容
・私立大学研究ブランディング事業 特設サイトの新規制作
・研究内容をわかりやすく伝えるコンテンツの企画・制作 - アプローチ
・写真や研究データでは伝わりづらい内容を噛み砕いて表現するために漫画家を起用
・ターゲットユーザーによるプロトタイプ検証
⇒高校理科教員、高校1~2年生にプロトタイプをレビューしてもらう - 体制
・クライアント:学校法人京都産業大学
・プロデューサー:ロフトワーク 篠田 栞
・プロジェクトマネージャー兼ライター:入谷 聡
・テクニカルディレクター:小野村 香里
・Webデザイン:金子大(Caramel)
・イラスト:タダユキヒロ
・コーディング:飯田恭央(Realista)
・CMSテンプレート開発:株式会社ネクストページ
Outputs
特設Webサイト
京都産業大学 生命とタンパク質の世界 特設Webサイト
概要ページ
ミクロな世界である「タンパク質」のイメージを、わかりやすく伝えるために、イラストレーター兼漫画家であるタダユキヒロ氏を起用。
『タンパク質の一生』をかわいいキャラクター「タンパク質くん」の物語として描き起こし、そこに研究に関する具体的な情報をプロットしていく形で、独特の世界観を持つwebサイトが出現しました。特設サイトの全体デザインと、「プロジェクト概要」ページのイラスト群をRemixしたメインビジュアル制作は、京都産業大学Webサイトを担当したcaramel金子氏が手がけました。
Member
入谷 聡
株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター
金子 大
Caramel
アートディレクター/デザイナー
タダユキヒロ
イラストレーター
メンバーズボイス
“本学の世界水準であるタンパク質研究の認知度を高めるためには、研究者だけではなく、高校生、保護者、地域社会など一般の方にも本学の「世界レベルのタンパク質研究」のイメージの浸透を図る必要があると考えました。そこで、難しいタンパク質科学を一般の方にも分かりやすく説明して、タンパク質科学が社会にどのような貢献ができるのかを発信できるWebサイトの作成を目指しました。
タンパク質の一生をイラストで表現するなど、タンパク質科学を身近に考えられるWebサイトができたと思っています。ここから、本学の研究成果を発信して「タンパク質研究の世界的拠点としての京都産業大学」というブランディングイメージを構築していきたいと思います。”
学校法人京都産業大学 研究機構 課長 鈴木 伸男
“担当ディレクターとして本テーマの知識・文脈を蓄えるため、永田和宏先生のご著書である『タンパク質の一生』(岩波新書)を挫折しそうになりながらも何回も何回も読んで、「この挿絵ちょっといけるんじゃない」「○○っていうキーワードはGoogle画像検索だとこういうイメージらしいよ」という話をタダさんと詰めながら進行しました。今回制作したイラストと文章はすべて、メンバー紹介に登場する5人の先生方のお墨付き。大変でしたが、学術的な世界をクリエイティブの力で解きほぐす、一つの大きな経験になりました。”
株式会社ロフトワーク クリエイティブディレクター / ファシリテーションエヴァンジェリスト 入谷 聡
“専門的な研究内容の話なので、いかにそれを難しそうに見せず、興味を惹き本文に誘導できるかという点がポイントだったと思います。
そのため大きな役割を担うイラストを有効に落とし込むため、シンプルとポップさの加減に気を使いました。
またユニークで個性的な線をいかすには、少ない色数でまとめるのが有効だと判断しました。
手描きラフの段階からイラストの進行具合を随時共有してもらい、描き込みの密度や雰囲気を確認し仕上がりをイメージしながら進めることができました。”
アートディレクター/デザイナー 金子 大(Caramel)
“最初の打ち合わせの際に、一般的なタンパク質の図版を見せていただき、その形をイメージしてキャラクターにできないかとご相談をうけました。タンパク質のキャラ化はなかなか聞かないというか‥サイズ的にも自分史上一番ミクロなキャラでした(笑)
ラフをいくつか描く中で、ヒモ状の物質を口っぽくして表情を表せることに途中で気づいたのですが、そこからはラクでしたね。なかなかカワイイキャラになったと思います。
彩色も、最初は5色を使用したカラーリングを試したのですが、デザイナーさんと相談して、最終的に黄色の1色に落ち着きました。シンプルですが、効果的な判断だったと思ってます。”
イラストレーター タダユキヒロ
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