約280㎡に拡大した空間に、カフェや創作活動を支える設備やアートギャラリーなどを新設

マレーシアのFabCafe Kuala Lumpur(以下、FabCafe KL)は、首都クアラルンプールの隣接都市として観光でも注目を集めるプタリン・ジャヤへ拠点を移し、2024年10月21日にリニューアルオープンしました。

FabCafe KLの前身である「FabSpace」は、2016年にクアラルンプールのISETAN The Japan Store(イセタン ザ ジャパンストア)内に設立され、レーザーカッターや3Dプリンターなどのデジタルファブリケーションツールを駆使し、クリエイターたちにとってアイデア実現の拠点となってきました。
その後、カフェ機能を加え2019年に世界11拠点目のFabCafeとして、さらに多くのクリエイティブな活動を支える場として活動の幅を広げてきました。

今回の移転により、FabCafe KLは約280m²の広さを誇るクリエイティブな拠点へと進化しました。1階にはカフェスペースに加え、ワークショップ開催スペース、大型作品制作が可能なスペースやカスタマイズ可能なリテールゾーンなど、創作活動を全面的にサポートする設備を充実させています。
そして、2階には地元アーティストの作品を展示し、活動の後押しを行うアートギャラリーや、コミュニティの交流を促進するスペースも新設するなど、多様なカルチャーとクリエイティビティを融合させ、イノベーションを加速させる刺激的な環境を整えています。

今後、FabCafe KLはFabCafeが持つグローバルネットワークを最大限に活用し、世界各地のFabCafeとの連携を深め、さらなる広がりを持つプロジェクトを展開していきます。
多様なアーティストやクリエイターが集う場として、マレーシアのクリエイティブシーンをリードしさらなる発展を目指します。

1F

カフェスペース

ドリンクに加え、ペストリーやコンフォートフードもご用意しています。仕事の合間のリフレッシュにも、ゆったりとしたリラックスタイムにも最適です。クリエイティブなひとときを、味わい豊かなメニューとともにお楽しみください。

ファブエリア

店内には、レーザーカッターや3Dプリンター、UVプリンター、デジタル刺繍機、小型CNCフライス盤などのツールを備えた、充実したファブエリアでさまざまなニーズに対応するデジタル製作サービスを提供しています。

サービスは、スタッフが製作を担当する「WDIFY」と、30分単位で機械を予約し自分で作業する「DIY」の2種類から選べます。DIY利用者は安全性とスキル向上のため、必ず導入クラスを事前に受講する必要があります。クラスのスケジュールは毎月初めにFabCafe KLのウェブサイトPeatixで公開されます。

事例

全長4メートルの巨大な万華鏡のインスタレーション「Re:Vision」。デジタルとアナログの加工技術を融合させ、マレーシアのテムアン族の伝統的な模様やモチーフからインスピレーションを得た光と色で、夢のような空間を表現。万華鏡を覗くと、テムアンデザインのカラフルな世界に没入することができます。

オーダーメイドに対応可能なリテールゾーン

メーカースペースに加え、FabCafe KLはカスタマイズ可能でパーソナライズされたアイテムを特徴とするユニークな小売セクションを導入しています。カスタムプリントのアパレルからオーダーメイドのホームデコレーションまで、来場者はさまざまな商品を探索し、個性と創造性を表現することができます。当店の専門スタッフが、デザイン・プロセスを通じてお客様をご案内し、パーソナルな体験をお約束します。

事例

素材のライフサイクルに重点をおくフットウェアブランドの依頼により、FabCafe KLがデザインした持続可能なモジュラーバッグ。ブランドの靴の製造工程で発生する革の破片を使用。分解して再利用も可能です。

2F

地域アーティストを支援するアートギャラリー

地域のアーティストと作品を紹介する新しいアートギャラリー。このギャラリースペースでは、クリエイティビティを称え、アーティストの才能を展示するプラットフォームを提供し、アートとメーカーコミュニティのつながりを育みます。

クリエイティブ・コラボレーションのハブ。コミュニティ参加とイベント

このスペースでは定期的にワークショップ、ミートアップ、イベントを開催し、多様なバックグラウンドを持つメーカー、アーティスト、愛好家を一堂に集めることを目的としています。これらの活動を通じて、コラボレーション、学習、ネットワーキングの機会を提供し、コミュニティ意識の醸成に取り組みます。

空間デザイン

店内の空間デザインはインテリアデザインのバックグランドを持つグウィネス・ジョン(FabCafe KL共同設立者)が手掛けました。

拠点とするエリアには、5つの大学やメーカー、デザイナー、起業家など多様なコミュニティが集積し、その活気とクリエイティブな雰囲気が融合することで、立地全体のクリエイティブでダイナミックな雰囲気を高めています。

FabCafe KLは、こうした環境を活かし、クリエイター、イノベーター、そして地域コミュニティが集う活気ある拠点となるよう設計されています。最先端のテクノロジー、芸術的なインスピレーション、カスタマイズ可能なリテールゾーンがユニークに融合しています。

設立者からのメッセージ

より広く、より刺激的なスペースでのリニューアルオープンに興奮しています!新しいスペースは、より実践的な作業ができるように設計されたワークショップ専用エリアを備えています。さらに、様々なアーティストの作品を展示し、クリエイティブな表現の場を提供する新しいアートギャラリーをご紹介できることを嬉しく思います。

設立者プロフィール

左)イグナティウス・アンディ・ペルマディ 右)グウィネス・ジョン

グウィネス・ジョン
ノッティンガムトレント大学でインテリア建築とデザインの学位を取得。主に、ホンリョン銀行、Sapura Kencana Petroleum、キャピタランドなどのクライアントのために、小売店、飲食店、企業インテリアデザインなどの商業デザインプロジェクトに携わる。

イグナティウス・アンディ・ペルマディ
ジャカルタで生まれ育ち、ノッティンガムトレント大学でグラフィックデザインの学位を取得。FabCafe クアラルンプールを立ち上げる前は、アートディレクターとしてサムスン、Telkomsel、Bata、メトロデパート・インドネシアなどの広告キャンペーンや戦略に携わる。

FabCafe KL詳細情報

所在地: 19, Jalan PJS11/14, Bandar Sunway, 46150 Petaling Jaya, Selangor
営業時間: 午前9時〜午後6時
電話番号: (+60 16 2724901)

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