
FabCafe Osaka内覧会&ディスカッション
感性×大阪の都市資源で価値創造をするとは
Finished イベント終了
About
FabCafe Osaka オープン記念内覧会&ディスカッション
大阪は「水都大阪」と称されるように、古くから川とともに発展してきた都市です。中でも淀川は、大阪の成長を支えてきた生命線であり、交通・経済・治水という三要素が融合した都市基盤として重要な役割を果たしてきました。
私たちは、2025年4月29日にFabCafe Osakaをオープンしました。土地や水との結びつきや、軽やかなプロトタイピングの文化が育まれてきた大阪だからこそ世界に発信できる価値があり、文化が根付いていると考えています。この大阪で、形を持たない「感性」や「情緒」をテーマに、脈々と受け継がれてきた大阪の文化や経済をベースに新たなカルチャー創出に挑戦します。
今回、オープンしたてのFabCafe Osakaをご案内するとともに、大阪でさまざまな事業にとりくまれている企業や自治体のみなさまとざっくばらんに可能性をディスカッションする機会を企画しました。FabCafeは世界13拠点に展開しているクリエイティブネットワークです。私たちのアセットを活用して、一緒に世界に発信できることを企みませんか?

清濁ある土地の特徴を魅力的な体験デザインに昇華する
土地の特徴をどう解釈し、ストーリーをつむぎ、体験に昇華するか。たとえば、汚染や廃棄物など、一見マイナスに見える要素でも、視点の持ち方やプロセスのデザインの仕方次第で、特別な体験や地域や企業のアイデンティティをデザインしていくことができます。
FabCafe Osakaでは、店舗のデザイン全体にも、サービスにもそうした文脈を散りばめています。内覧会では、実際にそれぞれを紹介しながら、一緒にブレインストーミングできればと思っています。みなさんが取り組まれている事業のインスピレーションになれば幸いです。
淀川の上水汚泥を使用した土壁
FabCafe Osakaの壁面には、大阪の淀川から採取された浄水発生土を使用しています。この素材は、浄水場の水処理過程で発生する上水汚泥を脱水・乾燥させたもので、都市の記憶を宿した独特な質感を持つ壁を生み出しています。
土というマテリアルは、定まった形を持たず、無機物と有機物の混合物であり、過去と未来の両方を想起させる素材として採用されました。
都市の“呼吸”を映し出すこの壁は、変化する都市の時間軸や感性を空間に刻みます。


自動車整備工場の作業ピットをそのまま残したデザイン
元自動車整備工場の跡地であるFabCafe Osakaの空間には、作業ピットが残っています。
このピットを活かし、飛騨の広葉樹を使用したセンターテーブルを設置。
テーブルの脚には、シデ、カエデ、ミズメザクラ、ヤマザクラなどの小径木が使われており、素材を無駄にしない設計が施されています。
また、テーブルの天板には無垢材を使用し、湿度の高い時は水分を吸い、乾燥している時は水分を放出することで、室内環境を適切な状態に保つ役割も果たしています。
異なる樹種の“混ぜて使う”アプローチは、均質ではない未来のものづくりの可能性を象徴しています。


土地の魅力を表現する装置としての蒸留機
FabCafe Osakaでは、蒸留器を活用し「香りを抽出する」というプロセスを軸に、新たな飲料体験を提供しています。
滞在中に飛騨の森で採取した枝や葉を使って、香りを抽出する実験も行われました。
このような実験的な装置を通じて、都市・地域・循環型経済が結びつく未来像を、空間体験として捉える機会となります。
香り・音・光といった非数値的な要素をもとに、人と都市、自然との関係性を問い直す基盤として機能しています。


「人尿から作られた石鹸」の展示
2025年5月31 (土)まで、ロフトワーク/FabCafeが主催する国際アワード「crQlr(サーキュラー)Awards 2024」の巡回展があわせて開催されています。今回の特別賞テーマは「サーキュラーバイオエコノミー」。自然を単なるリソースではなく“パートナー”と捉え、自然のシステムと協働しながら価値を創出しようとするプロジェクトが受賞しています。たとえば、人間が排出する廃棄物を原料として作られたサステナブルな石鹸「Piss Soap」は、資源と廃棄物の捉え方やコミュニティやケアに取り組んだ挑戦的なプロジェクトです。日本初上陸のこのプロジェクト、この機会にぜひあわせてご覧ください。


こんな方におすすめ
- 大阪の都市資源を活かした新たな価値創造に関心のある方
- 地域文化や土地の個性を活かした空間・体験デザインを模索している企業・団体の方
- サーキュラーエコノミーや循環型のまちづくりに取り組む自治体職員・デベロッパーの方
- 感性や情緒などの「かたちのない価値」をサービスやプロジェクトに活かしたい方
- FabCafe Osakaのネットワークや設備を使って共創の場づくりを検討している方
5/22,5/26には素材と評価をテーマにしたイベントを連続開催
5月後半は素材と評価に関連するイベントを連続開催予定です。開発した素材をどのように評価し、流通させるのか。それぞれのイベントでは、異なるアングルからゲストとともにディスカッションします。ぜひ併せてご参加ください。
5/22(木)トーク|評価を“つくる“という選択 技術や着想を社会実装するための”ものさし”とは

日時:2025年5月22日(木)16:00-19:00(開場15:45)
会場:FabCafe Osaka(大阪府大阪市北区天神橋2丁目2−4)
詳細:https://loftwork.com/jp/event/20250522_monosashi
「新たな評価のものさし」について、多様な視点から議論し、実践のヒントを探るイベントです。環境問題や複雑化するニーズや課題に対する技術やクリエイティブな着想を、既存の基準にとらわれずに、自ら評価する視点をどうデザインしうるか、ゲストとともにディスカッションします。
5/26(月)Material Meetup OSAKA vol.1 ブランディングと出口戦略から考える製造業のサーキュラーデザイン

日時:2025年5月26日(月) 19:00–21:00 (開場 18:45)
会場:FabCafe Osaka(大阪府大阪市北区天神橋2丁目2−4)
詳細:https://mtrl.com/event/osaka/250526_mmo01
素材とものづくりに関わる「オープンコラボレーションの発火点」として継続開催している「Material Meetup」が大阪初上陸。今回は「ブランディングと出口戦略から考える製造業のサーキュラーデザイン」と題し、製品を単一のループの中で使い続けるだけでなく、用途を終えた製品や部材を分別・回収し、新たなプロダクトとして再流通させる「製品ライフサイクルの連環」としての循環の可能性について考えます
バナー撮影:大竹央祐
Information
- 開催日
- 2025年5月20日(木)-2025年5月29日(木)
- ツアー実施日
5/20(火)15:00-17:00
5/21(水)15:00-17:00
5/23(金)13:00-15:00
5/28(水)11:00-13:00
5/29(木)12:00-14:00- 会場
- FabCafe Osaka(アクセス)
〒530-0041 大阪府大阪市北区天神橋2丁目2−4 - 定員
- 各回最大3組
- ご注意
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- 申込多数の場合、抽選となる可能性がございます。ご了承ください。
- 参加者の皆さんの写真やプログラムの内容は後日loftwork.com/FabCafe Osakaのウェブサイトに掲載する場合があります
- プログラムは、予告なく変更される場合があります。
ACCESS
FabCafe Osaka
大阪府大阪市北区天神橋2丁目2−4