MTRL(マテリアル)は、世界中の素材メーカーを中心に、素材起点のイノベーション「マテリアル・ドリブン・イノベーション」の創発を支援しています。

2025年4月より、MTRLは、科学の研究成果が社会にどのような価値と影響を与えるかを探求する新プロジェクト「Tangible Scientific Design(タンジブル・サイエンティフィック・デザイン)」を始動しました。本プロジェクトでは、学術と産業のあいだに横たわる隔たりを、デザインという橋によってつなぎなおし、科学と人間の感性を交差させることで、新たな社会的価値の創出を目指します。

発足の経緯:新たな産学連携の形を目指して

多くの研究者にとって、産学連携は、研究の出口をつくり、研究者自身の成長にもつながる「外との対話の場」でもあります。しかし、産学連携には、研究者のPRや営業の難しさ、社会実装の機会不足、産業との接点の希薄さといった課題があります。

MTRLが立ち上げたTangible Scientific Designは、研究者と企業が「未来の実装」を共に構想するためのプラットフォームです。ネットワーキングからアウトプット支援まで、連携を一貫して支える本プロジェクトは、従来の産学連携に新たな選択肢を提示します。

科学とデザインの交差点で生まれる新しい可能性を、ぜひあなたも体感してみてください。

科学と感性が交わる、体感的価値の創造

科学とは、自然界の成り立ちを理解し、私たちの暮らしに技術として応用する行為です。しかし現代においては、知識の増加そのものよりも、その活用方法こそが重要視されます。MTRLは、科学技術を社会の文脈に接続し、感性を通して「体感」することで意味を見出すデザインの役割に注目しています。

Tangible Scientific Designは、科学とデザインの交差点に生まれる「体感性(Tangibility)」を媒介に、研究成果を人々に届ける新しいメディアとしての役割を担います。

Tangible Scientific Designの取り組み

プロジェクトでは、以下のようなアクションを展開していきます。

  • 研究成果やプロトタイプの展示・体験会
    FabCafe Tokyoを中心に、研究機関のプロトタイプや実験ツールを展示・体験可能なイベントを開催。参加クリエイターによる作品も交え、科学とデザインの融合をリアルに体感できる場をつくります。

  • 研究者と企業のネットワーキング機会の創出
    展示イベントを起点に、企業のR&D担当者と研究者の出会いの場を設計。産学連携の第一歩を後押しします。

  • 研究の「現場」からリアルを発信
    研究室を訪問し、研究活動の実情や課題をドキュメントとして発信。過度な演出を避け、実直な姿勢で社会との接点を探ります。

  • 製品化・市場投入までの支援
    研究成果と企業ニーズを接続し、実験から商品化までのプロセスを伴走支援。さらに、体験者の声を研究現場へ還元する循環を生み出します。

Tangible Scientific Design プロジェクトメンバー

佐藤 真生 (眞魚)

佐藤 真生 (眞魚)(MTRL ライター/ラッパー)

イノセント代表。早稲田大学卒業後、広告代理店でコピーライターとして勤務。2021年に独立し、広告や新規事業の企画、コンセプトワークを中心に活動。現在はロフトワークMTRLで企画とライティングを担っている。また、裏ではラッパー眞魚として世相を斬っている。

Profile
小原 和也(弁慶)

小原 和也(弁慶)(MTRL事業責任者)

2015年ロフトワークに入社。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了(デザイン)。素材/材料の新たな価値更新を目指したプラットフォーム「MTRL」の立上げメンバーとして運営に関わる。現在は事業責任者兼プロデューサーとして、素材/材料基軸の企業向け企画、プロジェクト、新規事業の創出に携わる。モットーは 「人生はミスマッチ」。編著に『ファッションは更新できるのか?会議 人と服と社会のプロセス・イノベーションを夢想する』(フィルムアート社,2015)がある。あだ名は弁慶。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科特任研究員。

Profile
柳原 一也

柳原 一也(MTRL クリエイティブディレクター)

大阪府出身。2018年ロフトワークに入社し、翌年からMTRLに所属。大阪の編集プロダクションで情報誌や大学案内などの制作を行った後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科へ入学。身体性メディアプロジェクトに所属し、修士課程修了後リサーチャーとしてHaptic Design Projectの運営に携わる。プライベートでは大学院時代の友人と「GADARA」名義で自然物とテクノロジーの調和をテーマに制作活動を行っている。

Profile
大西 陽

大西 陽(MTRL プロデューサー)

ヨーロッパを中心にファッションデザイナーとして活動後、2012年帰国。複眼的な視点を持ったデザインを行いたいという想いから、分野の垣根を超えた接点を持つ食の分野に興味を抱く。2014年よりFabCafe Tokyoでディレクター、リードバリスタ、コミュニティマネジャーとして勤務し、FabCafeに集まる多種多様なコミュニティと多くの企画やプロジェクトを立ち上げる。2024年よりロフトワーク MTRL所属プロデューサー。

Profile

「Tangible Scientific Design」のSNS

「Tangible Scientific Design」の取り組みは、noteで発信していきます。

Tangible Scientific Design vol.01 マテリアルデザインで実現する都市型サーキュラー

MTRL facebookXInstagram

問い合わせ先

Tangible Scientific Design編集部
tsd@loftwork.com

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