嗅覚デザインの探求
OLFACTORY DESIGN LAB VOL.03
Yearning for a Nostalgic Scent
Finished イベント終了
体験のデザインの未踏領域である「嗅覚」に切り込むべく、様々な企業でも、研究開発や商品開発が進んでいます。今回のイベントは二部制でお送りします。第一部のワークショップと、第二部のトークセッション中心のレクチャーです。
- Date
- 2019-07-05 (Fri)
- Time
- 第1部 16:00 - 18:00(15:45開場) / 第2部 19:30 - 22:00(19:00開場)
- Place
- FabCafe MTRL MAP
- Capacity
- 50
- fee
- 第1部 7,000円(3席) / 第2部 3,000円(35席) / 通しチケット 9,000円(2席)
Finished
体験のデザインの未踏領域である「嗅覚」に切り込むべく、様々な企業でも、研究開発や商品開発が進んでいます。今回のイベントは二部制でお送りします。第一部のワークショップと、第二部のトークセッション中心のレクチャーです。
About
コミュニケーションメディアとしての「嗅覚」
嗅覚は他の感覚器官に比べて主観的で性差や個体差も激しく、香り物質は蒸散という化学的特性を持っているため扱いが難しく、使いこなせる人は多くはありません。
今回講師を務める上田麻希さんは、2009年よりオランダ王立美術大学で世界初・世界唯一の「嗅覚アートコース」の教鞭をとっており、環境情報学出身の経験を生かし、匂いをデータや情報としてニュートラルに、かつサイエンティフィックに扱うそのアプローチが評価されています。また新しいアート、デザインの領域で流行の兆しを見せる「olfactory art / 嗅覚アート」のリーディング・アーティストとしても世界的に活躍しています。文脈や内容を強調するために匂いを使うのではなく、あくまでも「嗅覚」に焦点を置き、説明不要な体験を創出します。アートやデザインの新しいコミュニケーション・ツールとして注目されはじめている香りや匂いのデザインを、一緒に探求していきましょう。
国内企業も研究開発に注力、体験のデザインの最難関「嗅覚」のデザイン
私たちの五感にはご存知の通り「視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚」がありますが、感覚を、デザインや技術的に再現する時に、「視覚」がもっとも再現しやすく、続いて「聴覚」「触覚」「嗅覚」「味覚」の順で難しくなっていくと言われています。技術的にも、科学的にも解明の進んでいる「視覚」を基準とした場合に、各感覚における研究開発の進展度合いとして「生理学的知見、センシング、再生・表現」という観点からも、「嗅覚(や味覚)」は平均して1/5以下の解明具合となっています。
そんな、体験のデザインの未踏領域である「嗅覚」に切り込むべく、様々な企業でも、研究開発や商品開発が進んでいます。今回のイベントは二部制でお送りします。第一部のワークショップと、第二部のトークセッション中心のレクチャーです。
嗅覚デザインラボ / OLFACTORY DESIGN LAB
「嗅覚デザインラボ」は、嗅覚のための実験場です。新しいコミュニケーション・ツールとしての「嗅覚」をデザインします。素材がテーマのプロトタイピング/プロジェクトスペース「FabCafe MTRL」にて開催いたします。
嗅覚をデザインせよ!
「視覚的な要素を排除すればするほど、嗅覚体験が強くなるのではないだろうか」という上田麻希さんの考えの基に作られた作品において、視覚的な要素は殆ど意味を持たず、目に見えない匂いが想像を膨らませたり、知覚の混乱を誘う役割を担っています。
また、上田麻希さんは、食べ物、香辛料、そして体臭など、ありのままの素材から匂いを抽出しすることで「香水化」を実現させており、それは調理や化学から編み出した、彼女独自の方法でもあります。こうした様々な手法を織り交ぜながら、幼少の思い出の匂い、アイデンティティの匂い、感情の匂い、歴史の匂いなどを作り出し、インスタレーションやワークショップなどの作品を、国内外で発表しています。
自由自在に素材を扱うことができれば、嗅覚体験をデザインできるようになります!
ARCHIEVE
※「[嗅覚デザインラボ」は、ロフトワーク / FabCafe MTRLと上田麻希のコラボレーションです。
CONTENTS
第1部:ワークショップ 「匂いのフェティシズム」
第1部のワークショップで取り扱うテーマは「フェティシズム」。人はそれぞれにはバラやジャスミンのような一般的に評価されている好きな香りの他に一般的に評価されにくいフェチ的な匂いを持っています。今回のワークショップではご参加者に匂いのフェチの元となる「もの」をご持参して頂き、チンキ法という古来より人類が用いてきた原始的な抽出法を用いて匂いを香水にします。匂いのフェティシズムを通して嗅覚に対する視野や理解を広げます。
講師:上田麻希
持ち物:
– 好きな匂いがするもの
– エプロン / 汚れても大丈夫な服
参考:https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/153
※ご参加表明後に講師の上田麻希さんから抽出物等のヒアリングを事前にメールでさせて頂きます。
今回のイベントでは世界で注目されている香りの抽出ワークショップを行います。例えば愛猫の毛玉、枕、靴、納豆、どんな素材からも匂いを抽出し、香水化します。匂いの嗜好はパーソナルなもので、例えば私はカサブタの匂い、爪の垢の匂い、そして息子の頭皮の匂いが1番好きです。思春期の息子には「変態、やめて!」と嫌がられますが、誰しもがそういったフェティシズムをもっているかと思います。
ただその匂いが「とても人には言えない」ものであっても、ここでは問題しないのが本ワークショップの本質です。今回、ご参加頂く方はそれぞれが密かに持っている「秘密の匂い」としてご持参ください。この世界には、バラやジャスミンのように最高級の扱いを受けている香りもあれば、オナラのように少し可哀想な扱いをされているものもあります。今回はマイノリティな匂いにも少しスポットを当ててみましょう。
上田麻希
第2部:トークセッション&レクチャー 「失われた香りを求めて」
みなさんの中にある一番古い「匂い」の記憶とはどのようなものでしょうか。私たちの香りに対するイメージや評価と、その香りが社会的に認識されているイメージを比べてみたときに、そこには違いがあるのでしょうか。個人的な嗜好やフェチシズムと密接に結びついている「匂い」は、歴史や社会的、文化的な背景の中で紡がれてきた相対的な香りのイメージの中で、どのような位置づけにあるものなのでしょうか。
今回、匂いのフェチシズムに関して、「匂いのエロティシズム」や「匂いの身体論」などの著書を通じて、匂いのフェチシズムや身体の関係を歴史や文化的な背景とともに論じあげる鈴木隆さんをお招きし、匂いとフェチシズムの関係について議論します。
こんな人におすすめ
- 香り、匂いに興味ある方
- 新しいメディアとして「嗅覚」に可能性を感じている人
- 香り、匂いを使ってみたいと思っているデザイナー・アーティスト・建築家・音楽家
- 五感的なコミュニケーションに興味がある方
- アートの好きな方
Speaker
上田 麻希
世界的に流行の兆しを見せる「嗅覚のアート」のリーディング・アーティスト。慶應義塾大学環境情報学部(学部1997卒&修士1999卒)にて、藤幡正樹氏に師事し、メディア・アートを学ぶ。2000年文化庁派遣若手芸術家として、2007年ポーラ財団派遣若手芸術家として、オランダ&ベルギーに滞在。2009年ワールド・テクノロジー・アワード(アート・カテゴリー)、2016年&2018年アート・アンド・オルファクション・アワード・ファイナリスト。オランダ王立美術学校&音楽院の学部間学科Art Science非常勤講師。現在は沖縄石垣島在住。
Webサイト
[嗅覚アート] http://www.ueda.nl
[嗅覚デザイン] http://www.pepe.okinawa
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世界的に流行の兆しを見せる「嗅覚のアート」のリーディング・アーティスト。慶應義塾大学環境情報学部(学部1997卒&修士1999卒)にて、藤幡正樹氏に師事し、メディア・アートを学ぶ。2000年文化庁派遣若手芸術家として、2007年ポーラ財団派遣若手芸術家として、オランダ&ベルギーに滞在。2009年ワールド・テクノロジー・アワード(アート・カテゴリー)、2016年&2018年アート・アンド・オルファクション・アワード・ファイナリスト。オランダ王立美術学校&音楽院の学部間学科Art Science非常勤講師。現在は沖縄石垣島在住。Webサイト
[嗅覚アート] http://www.ueda.nl
[嗅覚デザイン] http://www.pepe.okinawa
鈴木 隆
1985年早稲田大学第一文学部フランス文学専攻卒業。同年某香料会社就職。1886年~1990年フランス・パリ、2000年~2003年アメリカ・NJ州にそれぞれ調香師として勤務。著書に『匂いの身体論』『匂いのエロティシズム』など。興味の領域は、匂い/香りと人間の関係、香りの文化史、五感と日本文化、香りと言語の関係、香道や香木と国文学の関係、近代日本における香料産業史など。香りや香り文化および香料産業史に関する著作を行っている。
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1985年早稲田大学第一文学部フランス文学専攻卒業。同年某香料会社就職。1886年~1990年フランス・パリ、2000年~2003年アメリカ・NJ州にそれぞれ調香師として勤務。著書に『匂いの身体論』『匂いのエロティシズム』など。興味の領域は、匂い/香りと人間の関係、香りの文化史、五感と日本文化、香りと言語の関係、香道や香木と国文学の関係、近代日本における香料産業史など。香りや香り文化および香料産業史に関する著作を行っている。株式会社ロフトワーク, MTRL事業責任者
小原 和也(弁慶)
2015年ロフトワークに入社。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了(デザイン)。素材/材料の新たな価値更新を目指したプラットフォーム「MTRL」の立上げメンバーとして運営に関わる。現在は事業責任者兼プロデューサーとして、素材/材料基軸の企業向け企画、プロジェクト、新規事業の創出に携わる。モットーは 「人生はミスマッチ」。編著に『ファッションは更新できるのか?会議 人と服と社会のプロセス・イノベーションを夢想する』(フィルムアート社,2015)がある。あだ名は弁慶。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科特任研究員。
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2015年ロフトワークに入社。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了(デザイン)。素材/材料の新たな価値更新を目指したプラットフォーム「MTRL」の立上げメンバーとして運営に関わる。現在は事業責任者兼プロデューサーとして、素材/材料基軸の企業向け企画、プロジェクト、新規事業の創出に携わる。モットーは 「人生はミスマッチ」。編著に『ファッションは更新できるのか?会議 人と服と社会のプロセス・イノベーションを夢想する』(フィルムアート社,2015)がある。あだ名は弁慶。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科特任研究員。Program
- 15:45 – 16:00
- 第1部:開場
- 16:00 – 18:00
- 第1部:ワークショップ
「匂いのフェティシズム」 - 19:00 – 19:30
- 第2部:開場
- 19:30 – 22:00
- 第2部:トークセッション&レクチャー
「失われた香りを求めて」
Outline
- 開催日
- 2019/07/05(金) 16:00–22:00 第1部 16:00 – 18:00(15:45開場) / 第2部 19:30 – 22:00(19:00開場)
- 会場
- FabCafe MTRL
東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア2F - 参加費
- 第1部 7,000円(3席) / 第2部 3,000円(35席) / 通しチケット 9,000円(2席)
- 定員
- 50名
- 注意事項
- 第1部にご参加される方へ
ワークショップへのご参加どうもありがとうございます。ワークショップ・リーダーの上田です。当方の準備の都合、事前に抽出したい匂いについて、メールにてブリーフィングさせてください。【1】 まず、こちらのドキュメントを読み、
どのようなことをやるのかをざっと頭に入れておいてください。
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/153【2】 抽出したい匂いを考えてください。ご自身にはとても深い絆のある匂いだけれども、
他の人にはどうしても「悪臭」となってしまうもの、あるいは人に言うのさえはばかられる匂いを選んでください。もともとの素材に匂いがないもの、あるいは匂いの薄いものからは、匂いを抽出することができません。【3】ご参加表明後数日以内に、ご登録頂いたメールアドレスに抽出したいものや持ち物に関してのご連絡を差し上げます。1週間以上経っても届かない場合は迷惑メールとして認識されている可能性がございます。
※ ご連絡差し上げる際の件名とアドレス
【件名:嗅覚デザインラボ】
【アドレス: olfactoryart@gmail.com】※ 当日の抽出作業はキッチンワークショップのような形式なので、服が汚れてほしくない方は、エプロンをご持参ください。
ACCESS
企画
mi-cuit
FabCafe MTRL
MTRLは世界3拠点(東京・京都・香港)に展開する、「素材」をテーマとしたクリエイティブプラットフォーム。日々行われるイベントやプロジェクトを通して、クリエイターが実際に素材に「触れ」インスピレーションを得ることで、新たなクリエイティブが生まれる場を目指しています。 https://mtrl.com/
企画担当:大西 陽