世界は「コレクティブ」でできている vol.1
人口減少社会における自治と連帯のインフラ
Finished イベント終了
- Date
-
2024-03-07 (Thu)
14:00-18:00(オンライン参加は15:30まで)
- Capacity
- リアル会場:30人、オンライン開催:100名
- fee
- 無料
Finished
About
わたしたちはここから、いかにしてコレクティブに世界を生成していくのか?
集合的なさま、共同的な状態を表す「コレクティブ」。これをキーワードに携え、さまざまな分断や衝突が問題視される現在の社会で、国や自治体、企業や大学、NPOなどの各セクターの固有な領域に囚われず、自律的なメンバーたちが協働でより良い世界を創り出せるようになるかを考え、その実践のための道を探っていくイベントシリーズ、「世界は『コレクティブ』でできている」。
「コレクティブ・インパクト」のという用語なかでも「コレクティブ」に着目。求めるインパクトを生み出すために異なる組織や人々が自律性を保ちつつ、どのように集合し共同するのか。その構成や、多くのアクターが絡み合う中での創造の取り組みをシステマティックに考え、行動するための新しい思考ツールを紹介することで、新たなコレクティブが誕生するきっかけを作ることを目的としたシリーズです。
その第1弾として、「人口減少社会における自治と連帯のインフラ」をテーマに、地方分散型へのシフトを目指す上での自治と連帯、共助と協働を可能にする新しい社会インフラの可能性を探ります。
都市集中か地方分散か。AIシミュレーションによる人口減少社会の政策提言を行った京大・広井教授がゲスト
2017年、京都大学と日立京大ラボは、2050年に向けて日本社会が持続可能であるために必要な対策をシミュレーションする共同研究を行いました。その研究結果は、政策提言という形で発表されています。
研究チームの一員である京都大学・人と社会の未来研究院の広井良典教授は、最新の著書『科学と資本主義の未来 <せめぎ合いの時代>を超えて』の中で、シミュレーションによって得られた「予想外」の結果について、以下のように述べています。
日本社会の未来の持続可能性を実現していく上で、東京一極集中に象徴されるような「都市集中型」か「地方分散型」かという分岐ないし対立軸が、もっとも本質的な分岐点ないし選択肢であるという内容だった。
そしてシミュレーションの結果、「地方分散型」が地域の持続可能性や格差、健康、幸福などの観点から優れていることが示されたといいます。
この共同研究は、「デジタル田園都市国家構想」など、地方分散に関するさまざまな議論や取り組みの起点の一つとなりました。地方分散が持続可能性の観点から優位であるという発見は、今後の社会デザインを再考する上での重要な示唆と言えるでしょう。今回のイベントでは広井教授を招き、2024年の視点から見える、持続可能な社会デザインのポイントについて教えていただきます。
日立製作所が試行。自律分散型の地方社会の実現に向けた、新たな社会インフラとは?
広井教授は、著書『人口減少社会のデザイン』で、福祉・医療、対人サービス、自然エネルギーなどの環境関連分野、文化、まちづくりやデザイン、農業など、次の時代に需要が拡大する領域が、基本的に場所やコミュニティに根差した「ローカル」な性質を持つこと、つまり経済構造の変化の点からも、これから「ローカライゼーション」が進む時代である、ということを指摘しています。
ローカライゼーションの動きと同時に考えるべきことは、先述した領域のサービスは自治体の財政源をもとにしており、今後より人口減少が進む社会において税収が縮小し、ひいては公共サービスの縮小が危惧されるということです。
需要が拡大するはずなのに、公共の力が弱まり、市場も縮小して大手企業の参入も難しくなるという状況で、どのようにサービスを提供していくのか。そして、地域内の協働によって、これらのサービスをお互いのために提供し、持続的な地域運営を実現するためには、どんな新しい社会インフラ・社会システムが必要になるのでしょうか。
本イベントの第2部では、日立製作所・社会イノベーション事業統括本部とロフトワークが共同で検討中の「自律分散型の地域社会の実現に向けた共助・協働を促進する社会インフラ」の構想、サービスアイデアについて紹介。地域で暮らし地域で働く人自身がウェルビーイングに生きるための社会のデザインについて考えていきます。
こんな人におすすめです
- 人口減少社会における課題の解決や新しい社会のしくみの検討などに取り組んでいる企業や研究機関、国や自治体などの行政機関の方
- 共助型の社会、社会的連帯経済の実現などに興味を持っている方、取り組んでいる方
- コレクティブ・インパクト、システム思考、トランジション・デザインなどに興味をもっている方
Speaker
京都大学, 人と社会の未来研究院 教授
広井 良典
1961年岡山市生まれ。東京大学教養学部卒業、同大学院修士課程修了後、厚生省勤務、千葉大学法政経学部教授をへて2016年より現職。この間2001-02年MIT(マサチューセッツ工科大学)客員研究員。専攻は公共政策及び科学哲学。環境・福祉・経済が調和した「定常型社会=持続可能な福祉社会」を提唱している。『日本の社会保障』(岩波新書)でエコノミスト賞、『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書)で大仏次郎論壇賞受賞。他に『ポスト資本主義』(岩波新書)、『人口減少社会のデザイン』(東洋経済新報社)など著書多数。内閣府・幸福度に関する研究会委員、国土交通省・国土審議会専門委員、環境省・次期生物多様性国家戦略研究会委員等を務める。
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1961年岡山市生まれ。東京大学教養学部卒業、同大学院修士課程修了後、厚生省勤務、千葉大学法政経学部教授をへて2016年より現職。この間2001-02年MIT(マサチューセッツ工科大学)客員研究員。専攻は公共政策及び科学哲学。環境・福祉・経済が調和した「定常型社会=持続可能な福祉社会」を提唱している。『日本の社会保障』(岩波新書)でエコノミスト賞、『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書)で大仏次郎論壇賞受賞。他に『ポスト資本主義』(岩波新書)、『人口減少社会のデザイン』(東洋経済新報社)など著書多数。内閣府・幸福度に関する研究会委員、国土交通省・国土審議会専門委員、環境省・次期生物多様性国家戦略研究会委員等を務める。株式会社 日立製作所, デジタルシステム&サービス統括本部 社会イノベーション事業統括本部 ウェルビーイングソサエティ事業創生本部
高野 晴之
1971年清水市(現静岡市)生まれ。芝浦工業大学システム工学部卒業後、同大学院修了後、1997年に日立製作所に入社。映像・通信や道路交通・公共系のシステムエンジニアを担当し、映像・通信系の会社にも一時期出向。2012年~2014年は国土交通省国土政策局国土情報課に出向し、地理空間情報の活用推進に係る業務を担当。日立製作所に帰任後は、スマートシティ領域における社会インフラ事業者との協創による新規事業創生に従事。入社以来一貫して、新事業創生・新規領域開拓につとめ、現在はSociety5.0の社会実装を通じたサステナブルな社会の実現に向け、ウェルビーイング領域を中心に社会課題解決型ビジネスの創生に取り組む。
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1971年清水市(現静岡市)生まれ。芝浦工業大学システム工学部卒業後、同大学院修了後、1997年に日立製作所に入社。映像・通信や道路交通・公共系のシステムエンジニアを担当し、映像・通信系の会社にも一時期出向。2012年~2014年は国土交通省国土政策局国土情報課に出向し、地理空間情報の活用推進に係る業務を担当。日立製作所に帰任後は、スマートシティ領域における社会インフラ事業者との協創による新規事業創生に従事。入社以来一貫して、新事業創生・新規領域開拓につとめ、現在はSociety5.0の社会実装を通じたサステナブルな社会の実現に向け、ウェルビーイング領域を中心に社会課題解決型ビジネスの創生に取り組む。株式会社ロフトワーク, 執行役員 兼 イノベーションメーカー
棚橋 弘季
芝浦工業大学卒業後、マーケティングリサーチの仕事を経て、1999年頃よりWeb制作の仕事に携わるように。2004年からは株式会社ミツエーリンクスにてWeb戦略立案や人間中心設計によるコンサルティング業務に従事。2008年からは仕事の対象をWebからプロダクト/サービスへとシフトし、株式会社イードにてユーザーリサーチやインタラクションデザインに関するコンサルティングを経て、2009年株式会社コプロシステムにてクライアント企業のための新規商品/サービス開発支援業務や社内イノベーター育成のための教育プログラムの提供などを行う。2013年にロフトワーク入社。サービスデザインの領域を中心に、クライアントのビジネス活動にイノベーションを実現するための支援業務を担当する。 著書に『デザイン思考の仕事術』、『ペルソナ作って、それからどうするの?』、共著に『マーケティング2.0』。個人ブログ「DESIGN IT! w/LOVE」は2005年から継続中。
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芝浦工業大学卒業後、マーケティングリサーチの仕事を経て、1999年頃よりWeb制作の仕事に携わるように。2004年からは株式会社ミツエーリンクスにてWeb戦略立案や人間中心設計によるコンサルティング業務に従事。2008年からは仕事の対象をWebからプロダクト/サービスへとシフトし、株式会社イードにてユーザーリサーチやインタラクションデザインに関するコンサルティングを経て、2009年株式会社コプロシステムにてクライアント企業のための新規商品/サービス開発支援業務や社内イノベーター育成のための教育プログラムの提供などを行う。2013年にロフトワーク入社。サービスデザインの領域を中心に、クライアントのビジネス活動にイノベーションを実現するための支援業務を担当する。 著書に『デザイン思考の仕事術』、『ペルソナ作って、それからどうするの?』、共著に『マーケティング2.0』。個人ブログ「DESIGN IT! w/LOVE」は2005年から継続中。Program
- 14:00-14:10
- Introduction
タイムライン・イベント趣旨・登壇者紹介 - 14:10-14:40
- トークセッション 1:定常化社会におけるケアと再分配
プレゼンテーション
京都大学教授 広井 良典
ディスカッション
京都大学教授 広井 良典
モデレーター 株式会社ロフトワーク 棚橋 弘季 - 14:40-15:00
- トークセッション 2:「みんなのまちのプラットフォーム」構想
株式会社日立製作所 高野 晴之
株式会社ロフトワーク 棚橋 弘季 - 15:00-15:20
- パネル・ディスカッション:持続可能な福祉社会の実現には?
京都大学教授 広井 良典
株式会社日立製作所 高野 晴之
株式会社ロフトワーク 棚橋 弘季 - 15:20-15:30
- Closing
- 15:40-17:00
- 会場でのオープン・ディスカッション
- 17:00-18:00
- 登壇者と参加者のネットワーキング
Outline
- 開催日
- 2024年3月7日(木)14:00-18:00
- 開催方法
-
・リアル会場(トーク+オープンディスカッション+ネットワーキング)
・オンライン配信(トークのみ) - 定員
- ・リアル会場:30人
・オンライン開催:100名 - リアル会場
- ロフトワーク渋谷 10階
住所:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂 1-22-7 道玄坂ピア 10階
MAP:https://bit.ly/3AD6EDJ - オンライン配信
- Zoomウェビナー
- 参加費
- 無料
- 主催
- 株式会社ロフトワーク
- ご注意
- ・申込締切:3月4日(月)18時
・申込多数の場合、抽選となる可能性がございます。ご了承ください。
・当選者の方には、開催前日までに参加URLをご登録いただいたメールアドレス宛にお送りします。
・参加者の皆さんの写真や議論の内容は後日loftwork.comサイトに掲載する場合があります。
・プログラムは、予告なく変更される場合があります。
・本イベントの取材をご希望の方は、ロフトワークまでお問い合わせください。
ACCESS
ロフトワーク渋谷
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂 1-22-7 道玄坂ピア10階