執筆:Joanna Lee
翻訳・編集:loftwork.com編集部
元記事:Bangkok Design Week 2020: FabCafe Bangkok explores the new potential of solar living

2月のFabCafe Bangkokは、”February” ならぬ ”Fab-ruary” な1カ月。

2月1〜9日の9日間、タイの首都・バンコクで開催されるBangkok Design Week 2020(BKKDW2020)に参加します。クリエイティブなビジョンに満ちた1,000人を超えるアーティスト、デザイナー、起業家たちが参加するBKKDWのプログラムとして、展示・講演・ワークショップなど、テックから少し風変わりなものまで4つのイベントを企画。オープンコラボレーションからイノベーションを目指すFabCafeのスピリットを、タイのみなさんにも体験してもらえる機会となりそうです。

この記事では、この4つの展示・イベントをご紹介します。
もし期間中にバンコクに行くことがある、という方はぜひ立ち寄ってみてください。

Bangkok Design Week 2020(BKKDW2020)とは?

3回目となるBKKWDは。タイのデザインの世界ではすでに恒例のビッグイベントとして定着し、また同国のクリエイティブ業界の成長を支える大きな原動力ともなっています。主催は、政府運営の組織 Thailand Creative Design Center(TCDC、2004年設立)です。

「Resilience : New Potential for Living(レジリエンス:暮らしの新たな可能性)」が今年のテーマ。この考え方の中心にあるのは、「回復力のある都市」、つまり、「将来発生するさまざまな災いの影響を吸収し、回復できる備えができている」都市です。タイ最大の都市であり、世界有数の人口を抱えるバンコクでも、持続可能性、移民、観光、気候変動に関する問題は近い将来発生するでしょう。今回のイベントで生まれるアイデアや議論がすぐになんらかの成果につながるわけではないものの、「回復力の確保に向けての地ならし」ができれば、とTCDCは述べています。

Solar Vengers:太陽光エネルギーを生かすプロダクト

「Solar Vengers」は、イノベーションを通してタイで太陽光エネルギーの利用促進をめざすコラボレーションプロジェクトで、デザイナー、エンジニア、研究者、起業家、および政府などがメンバーとなっており、FabCafe Bangkokも参加しています。BKKDW 2020を間近に控え、「CreativeVengers」、「DesignVengers」、それに「MakerVengers」の3チームは、多くのデザイン思考ワークショップを開催し、太陽光エネルギー製品の試作を繰り返してきました。勝利したチームは、試作品をイベントで展示でき、また200万タイバーツの資金援助を受けられます。

FabCafe Bangkokの共同設立者であるKalaya Kovidvisithが率いる「MakerVengers」チームは、「太陽光で支えられた暮らし」が可能な空間を作り上げようと、日常生活に太陽エネルギーを導入することを試みました。例えば、「Foresee」プロジェクトで試作したのは、太陽光パネル付きでBluetooth内蔵型のスマートヘルメットです。サイクリストがこのヘルメットを使用すれば、エネルギーの消費者でありながら生産者にもなります。また、「Soundplant」はどのような家庭にも適した、屋内での植物の栽培システムで、太陽エネルギーから生み出された光と音を使用しています。

Enjoy Your Stay:ホテル滞在を刺繍でハックする

ホテル滞在を”刺繍”を通して「ハック」するーーー日本の刺繍機器メーカーであるタジマ工業、FabCafe Bangkok、FabCafe Kyotoがコラボレーション。刺繍の伝統的かつエモーショナルな力をホテルと滞在客のコミュニケーションツールに使おうというプロジェクトが進んでいます。ホテルのアメニティーからアロマ刺繍を用いたスパトリートメントまで、様々なツールが生み出されました。

今回の展示「Enjoy Your Stay(ご滞在をお楽しみください)」を通して、刺繍を通したストーリーテリングの手法を伝えるとともに、このクリエイティブなプロジェクトがさらに発展していけばと考えています。

また、2月8日に開催される「Fab Meetup」に新進気鋭のテキスタイルデザイナー Patipat ChaiwiteshとKhanittha Nualtaraneeが登壇します。こちらもぜひ。

Fab Meetup Vol. 14:Enjoy Your Stay

会場:FabCafe Bangkok TCDC
日付:2020年2月8日(土曜日)
時間:15:00-18:00 ※現地時間
詳細・お申し込み: Facebook

Edible Fonts:食べられるフォント

期間中、デザートとデザインが融合するポップアップカフェをオープン。本来は「前言を撤回する」という意味の「eat your words」というフレーズに新たな意味を加えようと、デザート職人のApatcha Siripachana、フォントデザイナーのAlphaBloc(ThaiGa(Thai Graphic Designer Association)所属)の2人が、3Dプリンティングを使って、文字の形をしたタイのデザートを作ります!
伝統的な要素と超モダンな要素を融合させて作り出した香ばしいメニューには、Thong Ek(小麦粉で作った卵黄入り練り菓子)、Woon Krob(カリカリのゼリー)、Woon Tubtim Krob(シログワイのシロップとココナッツミルク漬け)があります。

Everlasting Forest by GC:いつまでも続く森

「Everlasting Forest」で示されているのは、人間と自然環境の共生、そしてそのバランスを保つために必要な種のデザインです。Plural DesignのPiboon Amornjirapornによるこのプロジェクトで焦点となっているのは、環境への負荷が最も少ない製造過程や取り付け過程が可能な素材です。例えば、再利用された素材、無駄な廃棄物の削減、また生分解性の材料の使用などです。
FabCafe Bangkokは、コンピュテーショナルデザインをサポートしています。

FabCafe Bangkokについて

FabCafe Bangkokは世界のFabCafeネットワークで5番目に設立。バンコク市のヒップなアーリー地区にあるThailand Creative and Design Centerを拠点とし、来訪者は年齢やバックグラウンドに関係なく、2Dレーザーカッターや3Dスキャナー・プリンターなどのファブリケーション機器で「fab」によるものづくりを体験できます。
設立メンバーは、Kalaya Kovidvisith、Chutayaves Sinthuphan、及びSamustpon Tanapantです。

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