2020年5月11日、ロフトワーク台湾はオフィスを華山1914文創園区に移転しました。2013年2月にオープンさせた同じく華山1914文創園区にある「FabCafe Taipei」との連携も加速させ、クリエイティブコミュニティの拡大、活性化に注力していきます。また、オフィス内には展示やイベントを開催できるクリエイティブスペース「MTRL Taipei」を併設。各領域のプロフェッショナルが自由に出入りでき、出会いからコンテンツが生まれるオープンオフィスを目指します。

目指したのは、永遠に進化できる空間

今回のオフィスのコンセプトは「Keep Changing ―変化し続ける」。プロジェクトの竣工を迎えたあとに、使い手が自由に空間をアップデートできるようにデザインしています。オフィス設計にはstudio archēの甲斐 貴大氏を迎えました。

変化が激しい時代、状況に応じてチームやプロジェクトを編成し組織の課題解決に寄り添ってきたロフトワーク台湾。働く空間も状況に合わせて更新していけるオフィス空間を作り上げました。

パーツは全て3Dモデリング。空間を作るためのシステムをつくる

活用した素材は、建設現場で利用される「足場」。
そのなかでもハンマーひとつで組み立てが可能な「くさび式足場」を活用しています。くさび式足場を中心に扱う株式会社ASNOVA 力を経て、台湾にくさび式足場を搬入し今回の空間を実現しています。

自分たちで組み替えがやりやすい足場を利用することに加えて、作り手が自由に空間を更新していくことができるように、使用するパーツを全て3Dモデリング化しています。画面上で空間設計のシミュレーションがしやすく、またパーツを3Dプリンタやレーザーカッターを活用して作成できるため空間のカスタマイズをより簡単に行えます。

すべてのパーツを3Dモデリング。自由に空間をシミュレーションすることが可能。
足場のジョイントに合うプラグも3Dモデル化。自由に作ることができます。

使い手が自分たちで空間の使い方を決めるデザイン

執務スペース、打ち合わせスペースと決めずに空間をデザイン。使い手が使い方を見つけていける、更新していける場作りを目指しました。

空間自体が使い方を規定してしまわないように、床板、テーブルの天板は同じ仕様で設計。高さが違う水平面があるという状態を作り、高さがテーブルとして使いやすい位置だからテーブルとして使う、ちょっとした段差があるから腰掛けるというように使い手が自由に空間を捉えて活用できるようにデザインしています。空間に個性を出すための工夫としては、床板・テーブルの天板に、4つの樹種(ひのきと、すぎ、朴木、コルク)を採用しています。おなじ形の部屋であっても、壁の色が明るい部屋と暗い部屋では人が感じる雰囲気は異なるように、樹種のバリエーションを増やすことで、空間ごとに違う表情をつけられるように設計しています。

ロフトワーク台湾を設立から5年。今回のオフィス移転に合わせて、今までの活動や今後の展開についてCo FounderであるTim Wongへインタビュー。こちらもぜひご覧ください。

5周年を迎えたロフトワーク台湾。
新型コロナへのレジリエンスの高さでも注目される台湾はイノベーション&デザインの取組みも先進的です。世界への布石としてなぜ台湾が有効なのか、Timにインタビューしました。

https://bit.ly/2Z48BIb

違う領域のプロフェッショナルが集い、化学反応が起きる場を

今回ロフトワーク台湾のオフィスを移転させた建物は、華山1914文創園区*のなかの日本が統治時代に作った酒造工場。高さがかなりある造りを活かし足場で空間を2階層に分けています。2階がオフィススペース、1階をイベントスペースとして設計しクリエイティブスペース「MTRL Taipei」としてオープン。

「MTRL Taipei」では、ロフトワーク台湾が取り組んできたプロジェクトの紹介や、実際にプロジェクトスペースとしての活用や、様々なイベントも開催していく予定です。また多くのクリエイターが集まる華山1914文創園区。多様な人々が集りアイデアを共有し、ビジネスの可能性を生み出す場所として活用していきます。

華山1914文創園区*
1914年に設立されたの工場の跡地を再利用したアート・イベント空間。台湾文化をリードするような施設・店舗が多く集まり、流行やアート発信基地として注目の場所となっています。また、台北駅から地下鉄で1駅(徒歩でも20分ほど)というアクセスの良さもあり、年間多くの人々が訪れています。 https://www.huashan1914.com/w/huashan1914/index

現在も、「2020 MTRL Taipei Open House Events」と題し、台湾の様々なクリエイターや企業をあつめ、これからの未来について議論するイベントを開催中です。

ロフトワーク台湾は、MTRL Taipei、FabCafe Taipeiでの活動をさらに連携させていきながら、日本の企業とアジア諸国、世界を繋ぎ、グローバルなビジネス展開をサポートしていきます。

大きな変化のときを迎えている今、この状況をよりよい未来の糧に変え組織や事業のアップデートを目指し共にチャレンジしていきましょう。

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といった具体的なご相談はもちろんのこと、

・具体的な相談内容は決まってないが、ロフトワーク台湾とどんなことができるか詳しく知りたい
・まだプロジェクト化できるか未定だが、外部パートナー候補として一度話をしてみたい
など、具体の前段階からもお気軽にご相談ください。

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「ETHICAL DESIGN WEEK TOKYO 2024」内関連イベントに
Layout シニアディレクター宮本明里とバイスMTRLマネージャー長島絵未が登壇