アイヌ文化と現代アートが混じり合う3週間の祭典
「阿寒アイヌアートウィーク」2024年11月23日より開催

株式会社ロフトワーク（東京都渋谷区）は北海道釧路市からの委託により、2024年11月23日から12月15日まで、阿寒湖温泉・阿寒湖アイヌコタンを舞台としたアートの祭典「阿寒アイヌアートウィーク（英語表記：AKAN AINU ARTWEEK）」を開催します。

阿寒アイヌアートウィークは、阿寒湖の大自然を舞台にアイヌ工芸と多様な背景を持つ現代アートが混じり合う約3週間。先祖やカムイへの敬意を表す木彫や刺繍、古式舞踊といったアイヌの伝統と進化を広く紹介するとともに、アイヌコタンの豊かな日常に触発されて滞在制作を行った多彩なアーティストたちの新作を披露します。また、会期中は体験ツアー、舞台芸術などのプログラムも、開催エリアの各所にて展開されています。

釧路駅から車で約一時間半。 荘厳な木彫りのアーチをくぐった先に、創り手の街、阿寒湖アイヌコタンは広がっています。

「すべてのものに魂が宿る」という信仰を日常として、1959年からアイヌの豊かな衣食住と芸術を受け継いできたこのコタン（集落）。アイヌ文様の木彫があふれる街並を越えると、すぐに阿寒湖の大自然が待っています。湖の中にはヒメマスやワカサギが生息し、底にはマリモが眠る。湖畔に生い茂る草木をエゾシカが食らう――まるで混じり合うように生きる、美しい命の躍動を感じられるでしょう。

美しい命の躍動は、阿寒湖アイヌコタンのものづくりからも伝わってきます。
アイヌの伝統を生かしながら新たな表現を模索する創り手たちの姿に心掴まれて、道外や海外から通うアーティストも多く、刺激的な交流の積み重ねによって互いにさまざまな可能性をひらいてきました。

阿寒アイヌアートウィーク は、野草や野菜を混ぜ合わせるアイヌの郷土料理「ラタㇱケㇷ゚」のように、創り手の魂と魂、伝統芸術とアートの交流を楽しむ実験企画。創り手どうしの新たな出会いを耕し、伝統と文化を次の100年へと繋ぎます。

副題・ステートメント：肥髙茉実
実際に現地に趣き、阿寒湖アイヌコタンで体感した風土と、現地のアーティストとの対話を元に今回のステートメントを執筆しています。

阿寒湖アイヌコタン、阿寒湖温泉を中心に、エリア内の観光スポットや文化施設、屋外施設などで、アート企画展や体験プログラムを開催。アートウィークをめぐることで、阿寒湖の豊かな自然とアイヌ文化の深い魅力を体感できます。

アイヌの文化を現代に解釈しながら表現を続けるアイヌアーティストたちによる、美術作品を展示。木彫作品からガラス彫刻、刺繍作品、パフォーミングアートなど、アイヌ美術の伝統と革新を体感できる多彩な作品が、エリアの各所に登場します。

ガスアズインターフェイス株式会社の西野慎二郎氏が、今回のアートウィークに向けて国内外の現代アーティストらをキュレーション。阿寒湖温泉・阿寒湖アイヌコタン周辺でのフィールドリサーチや滞在制作を通して制作した新作を発表します。

アートウィーク開催期間中、阿寒湖アイヌシアター「イコㇿ」で、阿寒湖アイヌの伝統を現代的に解釈した演目が開催されるほか、阿寒湖の自然やアイヌのものづくりを体験できるツアープログラムなども開催されています。

メインビジュアルは、アイヌアーティストが阿寒湖周辺で採集した自然素材を元に、デザイナーであり採集者の𠮷田勝信氏が拓本を制作。札幌市に拠点を持つCommune Inc.が、ひとつのビジュアルへと落とし込みました。ビジュアルのみならず制作プロセスそのものも、AKAN AINU ARTWEEKの重要なキーワードである「多様な背景」や「文化の交差」を体現しています。

秋辺 日出男 ／ 井上 綾子 ／ 岡田 実 ／ 郷右近 富貴子 ／ 斉藤 政輝
下倉 洋之 ／ 平良 秀晴 ／ 瀧口 健吾 ／ 床 州生 ／ 西田 香代子
平間 覚 ／ 辺泥 敏弘（Pete） ／ 簗瀬 秀夫 ／ 渡辺 澄夫

磯崎 道佳 ／ 加々見 太地 ／ MSHR ／ 山口みいな＋木下真紀

会期中、阿寒湖アイヌコタン内では、アイヌ文化を体感できるステージや体験ツアーなど、さまざまなプログラムも開催されています。この機会にぜひ足をお運びください。

会場までのアクセス方法や、展覧会やプログラムの最新情報をご案内しています。
Webサイト　https://akan-ainu-artweek.jp/