大阪城東部地区セッション Vol.5
持続的な地域共生社会の触媒をデザインする
森之宮のまちづくりの方向性を探すセッションシリーズ
現在、大阪城の麓、大阪城東部地区(JR/大阪メトロ森ノ宮駅周辺)において、まちづくりの検討が進んでいます。大阪公立大学森之宮キャンパスが2025年9月にオープンし、また今後メトロ新駅開業もひかえ、地域や大学と共に進める街づくりが目指されています。
そうした中、UR森之宮ビルを活用した暮らしと学びの実験フィールド『ほとりで』が2025年10月1日にオープン。今後のまちづくりの指針を多様なステークホルダーと共創していくためのプログラムの全体設計および実施をロフトワークが担当しています。
今回のイベントでは、「コミュニティを生む触媒」に注目。食・医療・自然というそれぞれ異なる切り口の活動を通して、いずれも地域のコミュニティを生み持続させていくことを実践している3人のゲストをお招きし、トークセッションを実施します。
世代や背景を超えたコミュニティの触媒は、どうデザインできる?
森之宮団地がこのエリアに生まれてから60年近くが経過しています。
当時から長く団地に住み続けている世代のコミュニティがある一方で、近隣の大阪城公園や商業施設といった暮らしやすい環境から地域には子育て世代の流入も多く、また他のエリアの例に漏れず外国人居住者も増加している昨今。そして今年9月には大阪公立大学のキャンパスが誕生し、今後は6,000人の学生がこの街に通うことになります。
地域コミュニティや地域共生といった言葉がまちづくりに限らず様々な文脈で盛んに謳われるようになって久しい今、私たちが考えたいのは以下のような問いです。
- コミュニティを作る手法ではなく、コミュニティが生まれる環境をどうすれば再現できるか?
- コミュニティが自然と続いていくためにはどのようなしかけが必要なのか?
- そもそもなぜ地域にコミュニティが必要なのか?
多様なステークホルダーが街に対してそれぞれ愛着を持つとともに、世代や背景を超えてゆるやかに・持続的に共生するための触媒を、私たちはどのようにデザインできるのでしょう?
街中でホップを栽培して、乾杯する
中津ブルワリーは、鈴木悟さんが運営する大阪・梅田からほど近くの中津エリアにあるマイクロブルワリー。築55年のビルの地下駐車場を一部リノベーションする形で2020年にオープンしました。ODMでのオリジナルクラフトビール醸造を手がけ、顧客である企業などと協働する形で企画から製造まで行っています。特徴的なのは、ビルの屋上や街なかのプランター、近郊の畑などでビールの原料であるホップを栽培し収穫するところから共に行うプロジェクト。ホップの苗を配布し、地域住民が自宅の壁面や屋上でそれを育て、みんなで収穫・醸造するという取り組みです。また、醸造所の前では月数回「ハイパー縁側」というイベントを開催。毎回様々なゲストを招くトークイベントを実施しています。
中津ブルワリーが考えるビールとは、単純に飲むだけのアルコール飲料ではなくその製造のプロセスも含めて人と人が話したり、新しく繋がったり、共感したりするためのコミュニケーションツール。醸造所という場所がまちのコミュニティという視点でどのような効果を発揮しうるのか、これまでの中津での実践を掘り下げながら、お話を伺います。
まちのゆるい繋がりで地域の健康を支える
鳥取・大山で総合診療医・家庭医として、病院・診療所での診療活動を行っている孫大輔さん。孫さんは地域の健康を病院からまちに開いていく活動を10年以上前から行っています。たとえば小さな屋台でお茶をしながらカジュアルに健康や医療のことを話せる「モバイル屋台de健康カフェ」や、まちの銭湯と地域のウェルビーイングの関係に関する研究、さらには地域住民とともに行う映画制作まで。
その下敷きにあるのは「文化的処方」という考え方です。病気が身体的・心理的要因だけでなく社会的要因によってももたらされるということから、孤独・孤立などの課題を抱えた人に伴走して地域のサークルにつなげるような「社会的処方」と比較して、演劇や落語、アートといった地域文化を活用して人々の持続的なウェルビーイングを支えるヘルスケアを、孫さんは「文化的処方」と名づけました。森之宮という場所が地域住民の健康をどう下支えしていけるか、これからに繋がるヒントをともに探ります。

ご近所で小さな森を共に育てる
渡辺英暁さんが共同代表の一人を務めるComorisは、都市の空き地・遊休地を使って「小さな森(アーバンフォレスト)」を育て、地域住民や会員が共同でケア・維持・運営する「シェアフォレスト」サービス。2024年に代々木上原にコンセプトモデルをオープンし、社会実装をスタートさせました。地球的な気候変動や環境危機を背景に、ご近所で小さな森を育てるというライフスタイルを日常生活の中での自然体験として提案しています。運営はNFTによるメンバーシップ制で行われ、森を育てるだけでなく野草を使った食のイベントや森での研修などの学びのプログラムを通してネイチャーポジティブな都市生活を実現するしくみを取り入れていることが特徴です。
加えて、地域住民のアクティビティやコミュニティとしての機能だけでなくグリーンインフラとしての機能も期待されています。都市に小さな森がインストールされることで、ヒートアイランド現象の軽減や炭素の固定による気候変動の緩和などの効果が見込まれるほか、「土や微生物とお隣さんになる」というフレーズに表されるように都市部の生物多様性を支える地盤にもなるでしょう。人もそれ以外も含めた「共生」による都市の新しい豊かさを森之宮で探ろうとしている私たちにとって大きな示唆を得られそうな事例を、さらに詳しくお話しいただきます。
こんな方におすすめ
- 地域社会のコミュニティ課題に向き合っている方
- まちづくりのソフトに関連する事業に携わっている方
- 大阪城東部地区エリアの活動に興味のある方/関わりたい方
Program
- 14:00-14:15
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イントロダクション
- 14:15-14:35
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ゲストトーク1|鈴木悟氏
- 地域住民を巻き込んだマイクロブルワリーでの実践
- 14:35-14:55
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ゲストトーク2|孫大輔氏
- 文化資源を活用して地域のウェルビーイングを支える
- 14:55-15:15
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ゲストトーク3|渡辺英暁氏
- 都市の中で小さな森を共有する
- 15:15-15:45
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クロストーク
- 15:45-16:00
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質疑応答/クロージング
- 16:00-17:00
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名刺交換/交流タイム
※ キャッシュオンでドリンク・アルコールドリンクをご用意します
これまでのプレフィールドワーク&セッション
生態系と共存する都市デザインとは
大阪城東部地区フィールドワーク
ゲスト:
森田敦郎氏(大阪大学、人間科学研究科教授/Ethnography Lab Osaka 代表)
ブライアン・マクグラス氏(パーソンズ美術大学 都市デザイン学部 教授)
ダナイ・タイタクー氏(モンクット王工科大学トンブリ校のランドスケープアーキテクト兼ランドスケープエコロジスト)
https://loftwork.com/jp/project/20231221_ur_morinomiya_fieldwork
サステナブルなまちづくりに向けた動機のデザイン
タイの実践事例に学ぶ
ゲスト:
カラヤ・コヴィドビシット氏(FabCafe Bangkokの共同創業者)
https://loftwork.com/jp/project/20240729_ur_osakajotobu_session
まちと向き合う4つの視点をインプット
大阪城東部地区セッション&フィールドワーク
ゲスト:
陸奥 賢氏(大阪まち歩き大学 学長)
杉本 容子氏(株式会社ワイキューブ・ラボ 代表取締役)
伊勢 武史氏(京都大学 フィールド科学教育研究センター 准教授)
狩野 佑真氏(Creative Director /Designer)https://loftwork.com/jp/project/20250718_ur_osakajotobu_session3
概要
- 開催日
- 2025年12月1日(月)14:00-16:00(交流会〜17:00頃)
- 参加費
- 無料
- 定員
- 50名
- 会場
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ほとりで(UR森之宮ビル)
〒536-0025 大阪府大阪市城東区森之宮1丁目6−85(地図) - 主催
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UR都市機構、ほとりでパートナーズ
- ご注意
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- 参加者の皆さんの写真やプログラムの内容は後日レポートなどに掲載されます
- プログラムは、予告なく変更される場合があります。
- 応募者多数の場合はお申し込みを締め切らせていただく場合があります。
申込みフォーム/問い合わせ先
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[ お問い合わせ ]
ロフトワークほとりでプロジェクトチーム(太田、浦野)
Mail:lw_morinomiya@loftwork.com







