EVENT アーカイブ配信

【アーカイブ配信】
SPCS Talks vol.6 生態系と共存する都市デザイン
ゲスト:ブライアン・マクグラス、ダナイ・タイタクー

Recorded 録画配信

Date
2024-01-04 (Thu) -
2024-12-31 (Tue)
Place
YouTube
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無料

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2023年12月20日、トークイベント「SPCS Talks vol.6 生態系と共存する都市デザイン ゲスト:ブライアン・マクグラス、ダナイ・タイタクー」が、FabCafe Kyotoにて開催されました。当日参加が叶わなかった方々よりアーカイブ動画共有のリクエストを多くいただきましたので、記録動画を無料配信いたします。

ただし、記録資料として録画していたこともあり、前半の音質および全編の画質が不安定です。あくまで資料としてご覧ください。

自然を遮断せず、共存する都市デザインのあり方とは

気候変動と環境危機が悪化する中で、我々人間の世界を取り巻く多様な生物との関係が注目を集めています。これまで経済性、機能、快適さといった人間的価値を重視してきたデザインや建築の分野でも、人間が作り出したモノが生態系の一部として他の生物や地球のプロセスとどう関わり合っていくのかに関心が持たれています。

こうした中、生態学の視点から都市をエコシステムとして研究し、その知見を建築と都市デザインに活かす運動が登場してきています。今回、タイとアメリカでこの動きを牽引してきた、ブライアン・マクグラスさんと、ダナイ・タイタクーさんをお招きし、過去の実践例をご紹介いただくとともに、これからの都市のあり方を展望しました。

お二人は特に、生態系をつなぐ水の流れに注目して都市を流域(waterscape)として見る新しい視点を提案してきました。水文学、生態学と建築、都市デザインをつなぐ視点は、近年お二人のかつての学生たちによってバンコクの公共スペースや公園の設計に活用されています。

バンコクとニューヨークから生態学に基づく都市建築の実践者が登壇

ブライアン・マクグラス(Brian McGrath, パーソンズ美術大学 都市デザイン学部 教授、前構築環境学部長)

建築家として都市デザインと環境、社会正義の関係に長年取り組み、生態学の知見から都市を研究した最初の研究プログラムの一つである Baltimore Ecosystem Study の研究主任を務めました。その仕事は、都市を生態学の対象として捉え直すと同時に、生態学に基づく建築と都市デザインの登場に大きく寄与しています。

ダナイ・タイタクー(Danai Thaitakoo, 環境建築家, キングモンクット工科大学トンブリ校(KMUTT)建築・デザイン学部(SoA+D)

景観デザインの分野で、長年タイの伝統的な水辺中心の都市景観と近代化によるその変化の研究をしている方です。伝統的なタイの灌漑システムや水管理についての人類学的・地理学的研究に基づき、タイの伝統的な建築と都市計画を環境との関係で捉え直して来ました。また マクグラスさんとともに現代のバンコクを流域システムとして捉える、Waterscape Urbanim(流域都市)という視点を提案しています。

駐車場を水田に? 小規模な取り組みの重要性を主張

イベントでは、マクグラスさんやタイタクーさんの最新研究や過去の事例をご紹介いただきました。なお、彼らの影響も受けて近年のバンコクで登場してきた事例のひとつとして、バンコクの「チュラロンコン大学センテナリーパーク」という、貯水機能を持った公園は有名ですが、マクグラスさんとタイタクーさんが大切にしているのは、こうした大規模な開発だけではありません。生態学に基づいた自然共生型の都市デザインとして、小規模な取り組みこそ、大きなインパクトを生み出すことができると主張しています。

たとえば、イベントにおいて、マクダラスさんは、駐車場を水田にするとしたら?と、議論を展開。タイタクーさんは、チュラロンコーン大学の中庭の事例を用いて、小規模な取り組みの重要性を語りました。

日本でも異常気象が常態化する中、現象として現れる自然災害に対処するだけでなく、都市においてこそ、人間の自然への対応力や新しい関係の再構築が必要とされていくのではないでしょうか。

タイタクーさんが手がけたバンコクのチュラロンコン大学の広場リニューアルプロジェクト「From Gray to Green」(写真はリニューアル前の様子、コンクリートで固められている)
バンコクの地形や環境、知恵などをふまえて、水が自然に排水されるデザインを設計

こんな方におすすめ

  • 都市計画やランドスケープデザインに関わる方
  • バイオフィリアデザインに関心のあるデザイナーや建築家、デベロッパー、土木事業に関わる方
  • エリアデザインの計画や施策に携わる行政担当者
  • サーキュラーデザインやネイチャーポジティブに取り組んでいる企業の担当の方

Program

20min

イントロダクション、ゲスト紹介

  • 森田敦郎(大阪大学, 人間科学研究科教授/Ethnography Lab, Osaka 代表)
  • Sarah Ho(SPCS, 進行役)
20min

プレゼンテーション I

  • ブライアン・マクグラス(パーソンズ美術大学 都市デザイン学部 教授)
20min

プレゼンテーション II

  • ダナイ・タイタクー(元チュラロンコン大学建築学科、環境建築家)
20min

クロストーク、質疑応答

  • ブライアン・マクグラス
  • ダナイ・タイタクー
  • 森田敦郎(大阪大学, 人間科学研究科教授/Ethnography Lab, Osaka 代表)
  • Sarah Ho(SPCS, 進行役)

Information

閲覧料
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閲覧方法
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共催

大阪大学人間科学研究科 Ethnography Lab、SPCS(株式会社ロフトワーク)

ご注意
  • 本プログラムは全編英語で進行しています。自動翻訳のテキストをスライドとあわせて表示していますが、完全な日本語ではありません。あくまで理解のサポートとしてご覧ください。
  • 前半の音質および全編の画質が不安定です。あくまで資料としてご覧ください。
  • 申し込みフォームにてご登録いただいたメールアドレス宛に動画のURLをお知らせいたします。

自然のアンコントローラビリティを身体化し、新たな共創関係を探究するコミュニティ

マイクロバイオーム、放射線、ウィルス、細菌。コントロールできない自然の力は、厄介者やエラーと扱われることも多く、排除や操作がおこなわれてきました。しかし、人間が操作しきれない生物多様性をいかにポジティブに捉え直し、「エラー」をクリエイティブに生かすシステムをデザインできるかが、これからの活動のポイントとなってくるでしょう。

SPCS(スピーシーズ)は、プロトタイピングしながら自然との共創関係を探るシリーズプログラムです。  毎シーズンさまざまな領域の講師を迎えてワークショップを実施。自然を人為的にコントロールするのではなく、創造的なアプローチを探究します。また、自身の好奇心や課題感と自然のメカニズムをリンク・身体化させ、価値観や手法をアップデートさせるべく、プロトタイピングや、スペキュラティブなアウトプットにチャレンジしています。

活動全体のコンセプト/過去の活動についてはこちら >>
SPCS|スピーシーズ バイオロジカルデザインを探求するコミュニティ

Moderators

森田 敦郎

大阪大学, 人間科学研究科教授/Ethnography Lab, Osaka 代表

森田 敦郎

人類学者。テクノロジー・社会・環境の関係をエスノグラフィの手法を通して研究してきた。とくに、日々の暮らしが環境・気候危機といかに繋がっているのかを、物流、エネルギー、生産などのインフラストラクチャーに注目して理解しようとしてきた。工藝をモデルに循環型モノづくりを目指すパースペクティブの理念に共感し、ファブビレッジ京北のラボ事業に参加。「つくること」を通して、暮らしを支えるテクノロジーと環境の関係を探究するクリティカル・メイキングの実験も行っている。

詳細を見る 人類学者。テクノロジー・社会・環境の関係をエスノグラフィの手法を通して研究してきた。とくに、日々の暮らしが環境・気候危機といかに繋がっているのかを、物流、エネルギー、生産などのインフラストラクチャーに注目して理解しようとしてきた。工藝をモデルに循環型モノづくりを目指すパースペクティブの理念に共感し、ファブビレッジ京北のラボ事業に参加。「つくること」を通して、暮らしを支えるテクノロジーと環境の関係を探究するクリティカル・メイキングの実験も行っている。
サラ・ホー

loftwork, マーケティング/ SPCS

サラ・ホー

2016年シンガポール国立大学を卒業 (Communications and New Media 学士)し、シンガポールのエドテックのメーカースペースTinkertanker Pte Ltdにて、STEAMプログラムやキットを開発。2020年、東京の文化ファッション大学院大学に入学、ゼロウェイストパターンを研究した。教育と人をつなげることに熱意を持ち、2022年12月ロフトワーク京都入社。そのほか、ゼロウェイストシステムや、ものづくり、文化交流のための新しい媒体に興味を持つ。

詳細を見る 2016年シンガポール国立大学を卒業 (Communications and New Media 学士)し、シンガポールのエドテックのメーカースペースTinkertanker Pte Ltdにて、STEAMプログラムやキットを開発。2020年、東京の文化ファッション大学院大学に入学、ゼロウェイストパターンを研究した。教育と人をつなげることに熱意を持ち、2022年12月ロフトワーク京都入社。そのほか、ゼロウェイストシステムや、ものづくり、文化交流のための新しい媒体に興味を持つ。

・申し込みフォームにてご登録いただいたメールアドレス宛に動画のURLをお知らせいたします。
・本動画は、前半の音質および全編を通して画質の荒れがあります。ご了承ください。

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