SPCS|スピーシーズ
自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ
Member
41
Posts
15
Member Pic
35
Member
41
Posts
15
自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ
Outline
SPCSについて
SPCS(スピーシーズ)は、プロトタイピングしながら、生態系のメカニズムを探究し、自然をコントロールしないデザインや、人間以外の種との創造的な共創関係を探究するコミュニティです。
自然科学、デザイン、アート、エンジニアリング、文化などが複合的に混ざり合った活動を領域横断で取り組むことで、技術や知識を開き、価値観や手法をアップデートすべく、活動しています。
SPCSが目指していることは、「自然をコントロールしないデザイン」の探究によって、人と自然の創造的な共創関係を創造することです。
自然を操作しない。自然と共創する方法を探究する活動体
マイクロバイオーム、放射線、ウィルス、細菌。コントロールできない自然の力は、時に厄介者やエラーと扱われることも多いものです。一方で、自然の複雑な変数の組み合わせによって形作られるような活動は、時を超えて私たちを魅了し続けます。私たちは、これらの「操作できない」力に畏れを感じながらも、同時に愛着や憧れ、時に執着を感じてしまいます。
人間が操作できない部分を排除するのではなく、いかにポジティブに捉え直し、遊び、クリエイティブに生かす「器」をデザインできるかは、これからの私たちの活動において、ますます重要なポイントとなってくるでしょう。
たとえば、ムラサキ貝の開閉がどんな最新センサーよりも水質汚染の状態を検知できるという性質を生かして作られたニューヨークの浮き桟橋や、蚕の遺伝子にインプットされた動きによって作られたパビリオンのように。自然を観察し積極的に関わることで、新たなクリエイションを生み出し得るのです。
SPCS(スピーシーズ)は、プロトタイピングしながら自然のアンコントローラビリティ(操作できなさ)を探究する活動体です。自身の好奇心や課題感と自然のメカニズムをリンク・身体化させ、価値観や手法をアップデートさせるべく、領域横断の実験を行っています。
生物多様性の問題に「創造的活動」で向き合う重要性
環境のバランスを保っている生物多様性。しかし、生物の絶滅スピードは1970年代から加速し、たった30年間で全生物の68%が絶滅。今も1日100種類以上の生物が絶滅しつづけているといいます。地球環境の問題の中で、温暖化と並んで生物多様性の問題は年々深刻になっており、人間以外の生物との共生という観点から、経済活動を再構築していく必要が急速に高まっています。
一方で、自然保護が目的では人間の行動は変わりません。人間のニーズを充足させながら、いかに生物多様性を再構築できるか? そのためには、これまでの経済活動では不具合やエラーとして捉えられていたことを肯定的に受け入れながらも、人間にとって気持ち良い状態をデザインするための、領域横断的かつ創造的な試行錯誤の場が必要です。
SPCSのコミュニティを運営するFabCafe Kyotoは、イノベーションと未来のエコシステムをプロトタイプする場です。2022年9月、新たに生物多様性の課題に取り組むべくSPCSのコミュニティを立ち上げ、「自然のアンコントローラビリティ(操作不可能性)」を探るアプローチをはじめました。
“マルチスピーシーズ(複数種)”とは?
「Multispecies(マルチスピーシーズ)」とは、近年、人間中心的な経済活動による地球環境の悪化と再構築の必要性が、デザイン・文化人類学・生物学・経済学など、あらゆる分野から指摘されており、そのひとつとして「マルチスピーシーズ」という考え方で主張され始めています。
たとえば、総合地球環境学研究所のChristoph Rupprecht 元・総合地球環境学研究所上級研究員(現・愛媛大学社会共創学部環境デザイン学科准教授)らによる19人の研究者からなる地球研を中心とした学際的チームが「グローバル・サステナビリティ」誌に掲載した論文”Multispecies Sustainability”では、人類のためのウェル・ビーイング(well-being、幸福・良き生)の課題を指摘したうえで、マルチスピーシーズに基づく持続可能性の新しい概念を提言しています。
SPCSで取り組むこと
- 自然のコントロールできなさや不安定さをテーマに、さまざまなテーマを設定し、プロトタイピングを通して、自然と人間の共創関係や、非人間中心のデザインアプローチを実践する。
- それまでに接続していなかった領域を繋ぎ、知識や技術を開くべく、国内外の先進的な取り組みを共有する機会を企画・実施する。
- 活動は領域横断で行い、そこで培われた知識や技術はできる限りオープンに開いていく。
- Design with Natureの実践の場として、必ず自然科学に関わるテーマを扱う。
こんな方におすすめ
- 自然や環境と人間の関わり方をクリエイティブな方法で探ることに興味のある方
- 自然と人間の関係をデザインしている、建築やメーカーの方
- 自然現象から新たなインスピレーションを得たり、表現手法を開拓したいデザイナー、クリエイター
- サーキュラーデザインに取り組んでいる企業の企画およびR&D担当の方
- 生物学やバイオロジカルデザインに興味があるが、探求の仕方や一時情報の収集方法を学びたい方
Project: Multispecies’ Tea Ceremony 一服と十人による庭園の解釈
2023年4月15日(土)と22日(土)の2日間、京都 東本願寺の庭園である渉成園の茶室「代笠席(たいりつせき)」にて、生物多様性の美しさを五感で体験できる稀有な茶会を開催しました。
提供されたのは、キノコのお茶や虫の糞のお茶をはじめとした3種類のお茶。さらに茶室の内外には、生物多様性という視点から庭園を鑑賞するための仕掛けとして、10点のアート作品を展示しました。総合芸術でありコミュニケーションの場である茶席において、実験的な試みを行った本プロジェクトは、「宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要」期間中の参画企画として開催されました。
- Art works|Reiko Ohya、Shunsuke Hirose、Kimzo、Shinya Hasebe、Hayate Nagashima、Noi Kanekawa、Keisuke Saeki、Kazuma Takeuchi(Max)、Tomomi Hosono、Takamitsu Ohta (listed in no particular order)
- Hosts of ceremonies|Mikafi(Marius Disler, Romain Allemann)、Chuhicha(Tsuyoshi Maruoka)、Fungicha(BARNA Gergely Péter, Thomas Ortiz
- Supervisor of the tea ceremony|Fukutaro Nakayama
- Visual design|Takamitsu Ohta
- Movie|Yuya Maeda
- Collaborators / supporters|Ōtani-ha (Higashi Honganji Temple), Ueyakato Landscape, NOMURA MEDIAS Co.,Ltd.
- Organizer|SPCS(Nami Urano, Sarah Ho)
Inspirations
インスピレーション1:Pier-35 EcoPark|デイヴィッド・ベンジャミン
コロンビア大学大学院建築・計画・保存研究科助教のデイヴィッド・ベンジャミンが主催する、ニューヨークを拠点に生物システムと建築材料の建築的応用を研究テーマとしているデザイン事務所、The Livingのプロジェクト「Pier 35 EcoPark」。ムラサキ貝の性質を活用することで、水質を可視化し、水辺の生態系をリサーチ・再生させることに寄与した。
インスピレーション2:Foraged Colors|吉田 勝信
たとえば、ポジティブエラーを制作手法に取り入れたデザインワークを行なっている吉田勝信。採集、デザイン、超特殊印刷を活動の領域とし「色を選ぶ→色を作る」プロジェクト「Foraged Colors」を行なっている。採集物から印刷インクを作り、現行の印刷機へのインストールを目指す。(現段階では活版印刷機まで通過。)また、福祉事業所とコラボレーションし表紙が全て手描きの冊子(1000部)など。豪雪地における雪掻きをいかに楽しむかといったように産業技術におけるアンコントローラブルな条件をいかに好意的に解釈するかが、これからのクリエイションのポイントになってくるはず。
Event
Project
Activity
-
第57回造本装幀コンクールにて審査員奨励賞を受賞
2024.10.03
-
-
-
サステナブルなまちづくりに向けた動機のデザイン タイの実践事例に学ぶ
2024.08.28 #まちづくり #生物多様性 #都市開発・エリアマネジメント
-
-
大阪城東部地区セッション Vol.2 環境と市民をつなげるタイの最新事例 ゲスト: カラヤ・コヴィドビシット(FabCafe Bangkok 共同創業者)
2024.07.16 #サステナビリティ #ダイバーシティ&インクルージョン #地域
Member
Ana Laura Cantera
UNITREF University
バイオエレクトロニック・アーティスト、研究者、教授
太田 陽介
植彌加藤造園株式会社
植彌加藤造園株式会社
鷲田 悟志
植彌加藤造園株式会社
植彌加藤造園株式会社
Georg Tremmel
BioClub
Community manager / BCL artist
吉田 勝信
グラフィックデザイナー
Julia Moser
テキスタイル&ファッションデザイナー/Growing Patterns Living Pigments創設
近藤 倫生
東北大学大学院生命科学研究科 教授
はが みちこ
アート・メディエーター
森田 敦郎
大阪大学
人間科学研究科教授/Ethnography Lab, Osaka 代表
広井 良典
京都大学
人と社会の未来研究院 教授
久保田 康裕
株式会社シンク・ネイチャー
代表取締役
パティ・チュー(Patti Chu)
マナ・インパクト
マネージングパートナー
ジョバンニ・イネッラ
VCUartsカタール
准教授
ブライアン・マクグラス
パーソンズ美術大学 都市デザイン学部
教授、前構築環境学部長
島 健治
三井住友フィナンシャルグループ
サステナビリティ企画部 上席推進役 シニア・サステナビリティ・エキスパート
中山 福太朗
茶人
ダナイ・タイタクー
キングモンクット工科大学トンブリ校(KMUTT)建築・デザイン学部(SoA+D))
環境建築家
住田 孝之
住友商事グローバルリサーチ株式会社
代表取締役社長 / 住友商事株式会社,常務執行役員兼任
佐藤 拓哉
京都大学
生態学研究センター 准教授
ゲルゲイ バルナ
サーキュラーデザインエンジニア/クリエイター
萩原 丈博
ソニーマーケティング株式会社
MESH事業室 室長
村田 華蓮
ソニーマーケティング株式会社
MESH事業室 プロダクトプランナー
川上 雅弘
京都産業大学
生命科学部 産業生命科学科 准教授
杉崎 麻友
Shojinmeat Project (Forsea Foods | BD Manager)
トマ オルティス
インディペンデントエンジニア
ベッツィー・ピーターソン
オーガスト・デザイン・コラボラティブ
エグゼクティブ・ディレクター
Harpreet Sareen
Parsons School of Design, The New School
Interaction and Media Design 助教
マーティン・ウィケルスキー
マックス・プランク動物行動研究所所長、コンスタンツ大学教授
Kalaya Kovidisith
FabCafe Bangkok
Founder
マイケル・コトゥトワ・ジョンソン
アリゾナ大学
自然資源環境学部 専門補佐
アウケ・ブライ
Respyre
CEO兼共同設立者
伊藤 光平
株式会社BIOTA
代表取締役
稲村 徳州
九州大学
大学院芸術工学研究院 助教
山下 昌毅
有限会社修美社
代表取締役
堤 卓也
堤淺吉漆店
専務 / 一般社団法人パースペクティブ共同代表
杉田 真理子
For Cities
共同代表理事
サラ・ホー
loftwork
マーケティング/ SPCS