新型コロナウィルスの感染拡大は私たちの生活に大きな影響を及ぼしていますが、子供たちが通う学校の休校もその一つです。長くなってしまった春休み、子供たちがどのように過ごし、また学習の機会を設けようか、悩まれている方も少なくないのではないでしょうか。

自宅での学習を支援するため、企業を中心にさまざまなサポートを開始していますが、昨年度よりロフトワークと取り組みをすすめるつくば市でも、休校が開始される3月6日(金)にあわせ、自宅学習のサポートがはじまります。

はじまるのは、「つくば市ならではの」自由研究サポート

つくば市が始めるのは、「つくばこどもクエスチョン オンライン」。
休校期間中に児童・生徒が取り組める自由研究の機会を提供するもので、

  • 自分の興味を発見する
  • 興味を持ったことについて自分で問いを設定し、調べ、自分なりの解をだす
  • そのための、自主的な学習計画づくりができる
  • といった力がつくことが期待されるとしています。
    (注:動画のライブ配信や研究者への質問受付はつくば市在住の小学生、中学生に限定となりますが、ワークシートのダウンロードはHPでどなたでも可能です。動画は後日一部公開されますので市外の方も視聴可能です。)

    希望する児童・生徒は、専用のワークシートをダウンロードし、これを埋める形で自由研究をすすめます。
    特徴は、オンライン上で研究者や司書に相談ができること。事前に特設サイトで受け付けた質問に対し、つくば市のYouTubeチャンネル上でのライブ配信で回答します。(休校期間内の3回を予定。)
    回答には、「つくば科学教育マイスター」など、つくば市がすすめる「科学のまち つくば」の取り組みに参加されているさまざまなフィールドで活躍する科学者の方10名以上が参加されます。

    企業による支援は学習ドリルやオンライン授業などが中心のようですが、このような、自治体の施策を活かした取り組みは全国でもめずらしいのではないでしょうか。

科学のまち つくば × 未来をつくる子どもたちを育てる「つくばSTEAMコンパス」

今回の取り組みのフレームワークは、ロフトワーク・FabCafeが企画・運営した体験型科学教育イベント「つくばこどもクエスチョン2020」(2020年2月22日開催)がベースとなっています。
『つくばの研究者と一緒に、きみの興味を研究にしよう!』をテーマに、個性豊かな研究者やファシリテーターたちが、身近なものや空想から仮説・問いを立て、問いを探求するプロセスを描くためのサポートを行いました。

「つくばこどもクエスチョン2020」の様子

本などで調べながらワークシートを完成
わからないことは研究者のみなさんに質問
研究計画書として発表しました

「つくばこどもクエスチョン」は、つくば市が主催する「つくばSTEAMコンパス」の活動の一つ。
「つくばSTEAMコンパス」は、つくば市が科学教育の推進に向け、つくば市在勤の研究者と、研究機関、科学イベントを見える化し、こどもたちの考える力を継続的に伸ばしていくシステムづくりの一環で立ち上がったプラットフォームです。
Webサイトでは、イベント情報のほか、子供たちに研究や研究者の方に親しみを感じてもらえるようなコンテンツが掲載されていく予定です。

つくばSTEAMコンパス

「つくばSTEAMコンパス」は、こどもたちが好奇心を起点にモノゴトを探究していくことを支援するプラットフォームです。
https://tsukuba-steam.com/

変化の激しい時代において、未来予想図はあてになりません。
世界をサバイブするためには、決められたゴールを目指すより、「何をしたいか」という「コンパス」を持つことが重要です。
様々な分野で活躍する研究者やプロフェッショナルとの対話の中で「なんでだろう」「つくりたい」という素直な気持ちの芽生えと探究する心を育てていきます。

主催:つくば市役所
企画・運営:ロフトワーク/FabCafe

全国でも先駆的な取り組みが注目されるつくば市。
今回のような緊急対応が求められるなかでもつくば市らしいサービスの提供を可能にするのは、市政運営への取り組み方と、それに伴い変化した組織が関係しているかもしれません。

つくば市副市長・毛塚幹人氏とロフトワーク・諏訪光洋による対談を行いました

都市を「人の手に戻す」行政の挑戦

「つくばこどもクエスチョン オンライン」について

実施概要

  1. 「⾃由研究⽤ワークシート」の提供、⾃由研究を進めるための学習素材の紹介
  2. 特設サイトでの研究内容についての質問受付
  3. 研究者・司書によるオンライン相談会の開催(Youtube ライブ配信)
  4. 提出された⾃由研究への「つくば研究者賞」の選定・授与

対象者

つくば市に在住する⼩学⽣、中学⽣

主催・企画協⼒・協⼒

主催:つくば市/つくば市教育委員会
企画協⼒:株式会社ロフトワーク/FabCafe LLP
協⼒:つくば科学教育マイスター/科学技術広報研究会(JACST)/オンライン司書の会/つくば市立中央図書館/第二映像企画

今回協力される研究者の方は、こちらをごらんください。
https://tsukuba-steam.com/kodomo-question/

Keywords

Next Contents

「ETHICAL DESIGN WEEK TOKYO 2024」内関連イベントに
Layout シニアディレクター宮本明里とバイスMTRLマネージャー長島絵未が登壇