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MORE THANプロジェクト最終報告会 Open session「RUNWAY」

この一年、経済産業省のJAPANブランドプロデュース支援事業「MORE THAN PROJECT」のもと、日本ならではの商材を海外市場に届ける挑戦を続けてきた16事業者たち。2015年3月3日、その最終報告会が開かれました。各事業者代表は、この日のために用意されたレッドカーペットを進み、緊張の面持ちでプレゼン。いずれも現在進行形ながら、一つの区切りとなるこの場にふさわしい、すばらしい成果が発表されました。

16プロジェクトすべてが商談ベースで世界進出を達成

この日一番にレッドカーペットを踏んだのはロフトワークの林千晶。「それぞれに悩み、不安を抱えつつ今日まで来たが、想像以上に実りが多く、有機的なつながりができたプロジェクトになった」と語る林は、「もっとやっていいよ!もっとやってみようよ!という雰囲気を作ってくれたみなさんのおかげ。素敵な化学反応を起こしてくれてありがとう。いま、心からこのプロジェクトを誇らしく思える」と、オープニングトークを締めくくりました。続いて、オープンセッション形式で16事業者による最終報告が行われました。

01「BY KAMAWANU

今までにない手ぬぐいの価値観を伝えようと、欧米文化に適応するスカーフを開発。アンビエンテを皮切りに、国内でもフェアを展開。1月にはメゾン・エ・オブジェへの出展も果たした。

「MORE THAN PROJECTのおかげで広がっている。重要なのは国内のPRを強化すること。海外に出たときにいい影響を与えられる。」(プロデューサー 青木昭夫)

02「Twist & Wash

尾州地域の撚糸技術や生地加工を海外へ紹介。ドイツの展示会を皮切りに、コペンハーゲンやアムステルダムなどを訪問し、さまざまな人と情報交換。アンビエンテへの出展を機に、オーストリアの美術館での取り扱いが決定。

「今後もいろんな人との出会いを中小企業につないでいくかけ橋でありたい。」(プロデューサー 小林隆臣)

03「“kaawaii”spread to the world!

増田セバスチャンがプロデュースする「6%&DOKIDOKI」の服飾雑貨を世界に発信。海外視察やファンミーティングを経て商材開発に着手。昨年12月にマイアミでのアートイベントで発表し、大盛況。

「今年さらなる海外展開を計画中。今後もアート活動とリンクさせながらブランドをPRしていく。」(有限会社シックスパーセント キタムラミカ)

04「marumasu scarves from Tokyo

丸枡染色が染め上げるMADE IN TOKYOのストールをスカーフの本場欧州へ。ハイファッションとプロダクトの2つの展示会に参加しながら様々な店と直接商談。ボンマルシェで唯一扱われる日本製スカーフブランドになった。

「日本製で高品質は当たり前、1901年の歴史や工場が作る新しいデザインの挑戦と誇り。欧州にはない独自性がしっかり伝わった。 (丸枡染色株式会社 松川和広)

05「Edo Karakami project

江戸からかみを海外にインテリアとして紹介。イタリアの天井に唐紙を貼る仕事や、ミラノ万博のフードコートへの採用など、受注が決定。ボローニャでは江戸からかみイベントを開催。

「ボローニャでのイベントはテストマーケティングが目的。建築家やデザイナーに見てもらい、次につながる資料にしたい。」(プロデューサー 柳智子)

06「Green’s Green by moretrees

木の枡にセットした苔玉「masumoss」をパリで展開。パリ17区に苔玉専門店を構えるフランス人ディストリビューターとの契約が決まり、メゾン・エ・オブジェでの初お披露目も果たした。

「ディストリビューターと共にバイヤーとコンタクトを取りつつ、地に足を付けてパリ、EU圏へ販路を広げていきたい。」(プロデューサー 水谷伸吉)

07「Washoku in the UK, ENGAWA

2015年2月、ロンドン中心部の最高級ホテルに和食レストラン「engawa」をオープン。さらに出店地を広げると共に、日本文化の発信拠点としての役割を目指す。

「さまざまなプロダクトを持つ企業や職人と一丸となり、日本の文化を海外発信できる箱になれればと思っている。」(ソルト・コンソーシアム株式会社 大鳥進吾)

08「Japanese Traditional Sushi Ball

特殊冷凍技術を使った新鮮な手毬寿司を、パーティーやケータリングが盛んな海外で発信。シンガポールにオープンする日本料理屋の定期メニューに決定。国内のケータリング事業も多数受注。

「ストーリーを作りながらお膳立てしてきたが、食べてもらえばわかる!という高い商品力が一番の成功要因。」(プロデューサー 引地海)

09「Arita Porcelain Lab Paris Launch

200年続く有田焼窯元「弥左エ門窯」のモダンブランド「ARITA PORCELAIN LAB」を、世界に発信、販売する活動。ヨーロッパを中心に精力的に活動、販路を拡大しています。

「日本が誇る有田焼をヨーロッパで再び花開かせるために、2015年はさらに飛躍する年にしたい。」(プロデューサー 市川 由紀)

10「KANAORI:The Metal Textile

今年2月、スウェーデンでの国際家具見本市に出展し、「KANAORI」を素材として提案。建材メーカーや小物メーカーからお声がかかった。現在、石川金網の成功に続こうと、地元荒川区の事業者も相談に訪れている。

「ここにいる事業者やクリエイターさんからも、KANAORIを使ったご提案をお待ちしている。」(プロデューサー 松田龍太郎)

11「“ORIGINS”K.CHOEMON’s Journey

伝統工芸と密着した日本文化をヨーロッパの生活に根付かせるべく活動。今年2月、パリのギャラリーで上出長右衛門窯の展示会を行い、器を使ったホームパーティーも併催。パリの消費者の生の声を聞いた。

「パリの人たちにハッピーなものづくりを伝えられたのは、すばらしいチームワークのおかげ。」(プロデューサー 丸若裕俊)

12「Japan Made × Singapore Design

シンガポールでショップを経営するデザイナーをキーマンに、彼のネットワークを使い、日本の伝統的産業と現地デザイナーとが連携して“現地で売れる商品”を開発。毎月新商品を発表する計画で進んでいる。

「モノが出来たときにすぐに売れる環境があることが非常に大事。蒔いたタネがどう開くか楽しみ。」(プロデューサー 大谷啓介)

13「Field Suite Project

期間限定で日本各地の絶景にワンランク上のアウトドアフィールドを創るため、自然に融合するラグジュアリーなテントを開発。モニターツアーは海外参加者から大好評を得た。今年の夏から日本全国を回る予定。

「日本のすばらしさを伝えていくため、日本に来てもらうきっかけづくりをしたい。」(株式会社スノーピーク 伊豆昭美)

14「Banshu Hamono

世界の使い手のために播州刃物が出来ることを追求。調査、販路開拓を行う中で、ニューヨークのパタンナー集団とつながり、立体裁断用ハサミを3種類発表。アンビエンテではその場で5社から受注した。

「使い手と作り手がコミュニケーションできる機会を作れたことが成果につながった。」(プロデューサー 小林新也)

15「Tokushima JAPAN BLUE Project

伝統的な染色染料である藍を使った商品を開発。アジア圏の展示会に出展し、商談も決定。同じく染料を作ってきた街、トゥールーズと交流を図りながら、商品開発や展示会、販促を進める話も出ている。

「後継者問題への取り組みと同時に、ブルーをキーワードに街起こしをしていく計画もある。」(プロデューサー 宮木健二)

16「Birdy Hand-Polished Bar Tools

世界トップバーテンダーを巻き込んでブランディングを行うことで、車のパーツメーカーが開発したバーツールの認知度が一気に向上。ドイツのバーショーでは高い評価を得て商品は完売した。

「現在スウェーデンやオーストリアでも展開中。スピリッツメーカーから商品開発の依頼も来ている」(プロデューサー アンドレス ロペス)

明確なビジョン、チームビルディング、秀逸なスキームが 次につながるすばらしい結果を生んだ

左から鶴本氏、朝霧氏、山田氏

続いて、一年間の活動を見守ってきたアドバイザー陣が登壇。今日に至るまでのプロセスや成果についてコメントをもらいました。

「このプロジェクト自体が大きなワークショップになっていて、展示会に出たら終わりではなく、ビジョンとリサーチとアクションを循環させながら進めるクリエイティブファシリテーターが存在する。それが、より高い到達点を可能にしたのだと思う。しかも、これが本当の結果ではなく、ここから始まるすばらしい余韻を感じている。」(クリエイティブ&マネージングディレクター 鶴本晶子氏

「明確な目的があり、チームビルディングがあり、専門的な知識を持つプロデューサーが率いている構図がすばらしい。得意分野やアウトプットは違っても、集合体としての場の中で化学反応が起こるのは大歓迎。それぞれ単独のプロジェクトではあるが、集合体としてどう盛り上がっていくのか、いいご縁も生まれつつあり今後が楽しみ。」(COEDOBREWERY代表 朝霧重治氏

「海外に出て、コミュニケーションの大事さを痛切に感じられたと思う。面積や棚が決まっているときに、最後にモノを言うのは、作り手やプロデューサーとのコミュニケーションの濃さ。簡単に言うと、汚くないエコひいきをどれだけ持てるか。それが結果的に販売や流通につながっていく。これは日本も海外も同じ。」(バイヤー 山田遊氏

左から栗栖氏、裏谷氏、田子氏

「このプロジェクトのスキーム自体が秀逸。事業者も、ロフトワークも、経産省も、全員が定期的に会ってプロセスを共有していくアプローチは今までになかったもの。悩みを共有しアイデアを出し合いながら進められたことが結果につながった。今後よりダイナミックなプロジェクトに発展していくことを期待したい。」(SLOW LABEL代表 栗栖良依氏

「最初に誘われたときから非常に面白いと思っていたが、バラエティ豊かですばらしい。海外に出ていくときには多様な文化と出会うことになるが、それぞれの文化が力を尽くしているように、日本が凝り固まって出ていくのではなく、そこに芽生えている地域のものをどこかで一体化していくことが必要になると思う。」(三越伊勢丹研究所 裏谷恵子氏

「すばらしいサポート体制は、本当に羨ましいくらい。経験を積むごとにスキルは上がっていくが、最終的にはやっぱり“人”。コミュニケーションがきちんと活性化できれば、商売は後から付いてくる。外の人が日本ってすごい!と思えば、日本に来てどんどんお金を落としてくれる。これが本質的なビジネスだし、本当の心のつながり。」(デザイナー田子學氏

今日が最後ではない、ここからが新たな始まり

諸永氏(左) 磯辺氏(右)

最後は、MORE THAN PROJECTの主催者である経済産業省と、会場を提供した東急電鉄によるショートピッチで、最終報告会を締めくくりました。

経済産業省の諸永裕一氏は、プロジェクトの立ち上げ当初を振り返り、「みなさんとの最初の出会いは紙。提案書を拝見し、外部審査委員の審査と面談を経て、年度内に必ず商談ベースの成果を出すことを条件に、この16チームを選定した」と説明。想像以上の成果が出た今、その理由をこう分析します。「みなさんが2ヵ月に1回顔を合わせるようにした狙いは2つ。競争心を持つと同時に、同じように悩み苦しんでいることを感じてもらうこと。そして、同じ時期に海外の同じ場所に出ていく人たちを日本にいるうちにつなぎ、成功率を高めること。」

さらに、今後に期待を寄せ、「今日、この滑走路を飛び立ったあとも連携を続けてほしい。ここで出来たネットワークを活かし、来年度は違う事業で組んでみたいといった話も大歓迎。もし来年度も同じ形でやることがあるとすれば、倍率はもちろん、審査のレベルが上がるのは必至。みなさんライバルですよ!」と会場の笑いを誘っていました。

続いて、東急電鉄の磯辺陽介氏が登壇。「我々は、渋谷の再開発を進めるチームとしてプロジェクトにご一緒させていただいた。再開発をきっかけに街全体が魅力的になっていくために一番大事なのは、この街を舞台に活躍してくれる人が増えること。そういう意味で、クリエイティブな活動や取り組みを、“場の提供”という形でサポートしている。また、この渋谷ヒカリエ『8/』というスペースは、これまで展開されてきた数々のプロジェクトを含め、『地域×デザイン』の発信拠点になりつつある。だからこそ、このプロジェクトもここでやるのがピッタリだし、必然だったと言える」と磯辺氏。

さらに、「願わくばこの渋谷から、この『8/』から、さまざまなクリエイティブが花開いていってほしい。そのためには、みなさんがここでつながり、次のアクションへと動いていければいいなと思う」と語り、世界に飛び立つメンバーへのエールとしました。

イベント概要

日本ならではの商材で海外市場の獲得を目指す中小企業と、海外市場のニーズやライフスタイルを熟知する「プロデューサー」がタッグを組み、海外への挑戦をし続けた一年の成果。その発表をオープンセッション形式で開催します。事業年度は3月で終了しますが、チームの海外市場獲得の挑戦は始まったばかり。参加者の皆様との出会いが、更なる躍進の糧となり、新しい挑戦へと繋がります。

日本の強みを活かした商品やものづくりに興味がある方はもちろん、海外進出のナレッジや世界への情報発信の手法を知りたい企業、クリエイター、プロデューサーの皆さんのご参加をお待ちしています。

開催概要

セミナータイトル MORE THANプロジェクト最終報告会 Open session「RUNWAY」
開催日時 2015年3月3日(火) 13:00 – 17:00 (12:30 開場/17:00 – 19:00 交流会)
場所 渋谷ヒカリエ 8/COURT
参加費 無料
定員 60名
主催 経済産業省・株式会社ロフトワーク
シティパートナー 東急電鉄
ご注意 ※申し込み多数の場合は抽選とさせていただきます
詳細 MORE THAN プロジェクトサイトよりご確認ください
お問い合わせ JAPANブランドブランドプロデュース事業 
MORE THAN プロジェクト事務局
Mail: morethan@loftwork.com

プログラム

□プロジェクトチームセッション
[登壇者]
株式会社かまわぬ
株式会社山陽
有限会社シックスパーセント
丸枡染色株式会社
株式会社東京松屋
株式会社WPPC
ソルト・コンソーシアム株式会社
株式会社三嶋フーズ

□ 休憩(名刺交換)

□ プロジェクトチームセッション
[登壇者]
有田製窯株式会社
石川金網株式会社
合同会社上出瓷藝
株式会社キハラ
株式会社スノーピーク
株式会社タナカマイスター
徳島藍ジャパンブルー推進協議会
横山興業株式会社

□ 休憩(名刺交換)

□ アドバイザーセッション

□ ライトニングトーク(ショートピッチ)
[登壇者]
東急電鉄
経済産業省

□ 懇談会・商談会

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関連企画として、展示会を渋谷道玄坂のFabCafe TOKYOで開催。
プロジェクトの成果をご覧頂けます。
下記リンクから詳細をご確認下さい。
http://fabcafe.com/tokyo/events/morethan-meetup

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