Web担当者が押さえておきたい写真撮影のポイント5つ
株式会社パソナキャリアカンパニー(以下、パソナキャリア)の新卒採用のためのWebサイトリニューアル、プロジェクト「ハンモック。」では、コンテンツを軸に顧客とのエンゲージを深めるための取り組みを行った。
Webサイトのターゲットである就職活動生は、とにかく「リアルな情報」を欲している。
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そこで本プロジェクトでは、パソナキャリアの採用チームみずから、定期的な情報発信に挑戦することに。
しかし、どうやったらカジュアルな情報発信はできるのでしょうか? そこで今回は、パソナキャリアの皆さんにロフトワーク流の「Webで映える写真撮影のポイント」を共有。その内容の一部をコラムでお届けします。
1枚の写真は10の言葉よりも雄弁に語る。
ロフトワークのコミュニケーションディレクター・中田いわく、「コミュニケーションを盛り上げるのは、10の言葉より1枚の写真」。確かにダラダラ文章を書くより、笑顔の写真一枚のほうが説得力があります。
ということで、Webサイト用の取材に同席し、撮影ポイントを伝えることになりました。講師役は、ロフトワークで長年撮影を担当している、WEBマスターの山口です。
取材で実際に作成された原稿はこちら。
ここからは取材の際にパソナキャリア採用チームの質問に山口が答えた基本技術の要点を5つのPoint形式でご紹介。なお、ここであげるポイントは、プロのカメラマンではない、Web担当者が手持ちの機材でよりよい撮影ができるポイントを列挙した点をご理解ください。
Point1:どんなカットが必要かおおまかに決めておく
撮影する写真をページの中で具体的にどう使うか、原稿のキービジュアル、自分の考えを語っているシーン、集合写真、などあらかじめ考えておくと最終的に利用する大まかなカット数や撮影の段取りなどを組み立てることが出来き、後で撮り忘れに悩まされることもなくなります。
Point2:撮影ポジションは考えて決める
現場に着いたら撮影に入る前に被写体の位置と撮影するポジションを決めます。ここで注意するのは以下。
- 窓(太陽光)の位置
- 被写体の後ろ側に映るもの
被写体が窓辺にいるといわゆる逆光状態になってしまうので注意。また被写体の後ろはできれば空間があり、緑などがあると被写体は引き立ちやすくなります。
Point3:構図にひと工夫する
撮影ポジションが決まったら、構図も一工夫します。インタビューではその人の言葉を伝えることが目的なので、以下2点を意識します。
・被写体と同じ目線で撮影する
被写体者が座っていてカメラマンは立っている場合が多いので、上からのアングルになりがち。被写体と同じ目線で撮影することで、より人柄や印象をとらえた写真を撮影できます。
・被写体の視線の先を空ける
視線の先を空けることで、意思のこもった写真になりやすく、構図も安定します。
Point4:枚数は多めに撮っておく
撮影後の選定は大変ですが、慣れるまでは1時間のインタビューで100枚〜200枚撮ってしまってもいいです。「引き」や「寄り」、表情違いなどできるだけ色々なバリエーションを撮っておくと、後で選びやすくなります。数打てば当たる的発想です。
また、良い笑顔が撮れるのは話が盛り上がってきたインタビュー後半ということも少なくありません。
また、選定の際にはピント、構図(寄り・引き)、表情(真剣・笑顔)、などを考慮に入れてキレイにとれている代表的なものを数枚それぞれ選びます。
今回の取材では数十枚の中からこちらを選定しました。
Point5:カメラマンも邪魔にならない程度に主張する
撮影している時に、机の上の物の場所を変えてほしかったり、話の流れの中で関係する小物を足したくなる時があります。取材中なのでなかなかそれを言い出しづらいのですが、撮影はその時にしかできないので、イイ写真をとるための流れを遮らない程度に自己主張します。
以上ここまでは、撮影機材を問わずに押さえておきたいポイントを列挙しました。参考までにロフトワークの事例インタビュー時の設定とよく使う撮影機材を紹介します。
カメラの設定
山口が設定しているという項目は以下。
撮影モード:「A」絞り優先 → これはずっと固定
以下は撮影中も臨機応変に変更 – – – – – – – – – – – –
絞り値:F2〜4
ISO感度:通常は〜800で撮影し、暗いと思ったら1600〜3200に。
ただし上げすぎた時のノイズに注意
露出補正:暗いと思ったらISO感度と組み合わせて調整+1.0程度に。
測光方式:人を撮影する時はスポット測光
ホワイトバランス:見た目に近い色を選択
それぞれの設定による写りの違い
ロフトワークのインタビュー取材時の主要機材
カメラ:Nikon D600
レンズ:Nikon AF-S NIKKOR 24-70mm 1:2.8G ED
Nikon AF Nikkor 50mm
Sigma 24-70mm F2.8 IF EX DG HSM
フラッシュ:スピードライトSB-910
自前コンテンツ力はPDCAを高速回転させる
Webコンテンツを内製する最大のメリットは、PDCAをスムーズに回せることです。つくってみる、検証する、改善する……のサイクルを繰り返しながら、より良いコミュニケーションを築くことができます。
幸い、今は、綺麗な写真が撮れる機材が手頃に手に入る時代。PDCAをしっかり回していけば、専門家でなくともコンテンツの品質を上げて行くことができます。
実際、パソナキャリアの新卒採用チームは、まったくの未経験だったにも関わらず、サイト公開から1ヶ月足らずで30件のコンテンツを制作。ソーシャルメディアと連携して継続的なコミュニケーションを築くことに成功しています。
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