障害・性・世代・言語・国籍などのあらゆる多様性があふれ、皆が支え合う社会を目指したフェスティバル「True Colors Festival – 超ダイバーシティ芸術祭 – 」が2019年9月〜2020年7月まで東京都内を中心に開催されます。主催は日本財団。ロフトワークは、この大規模な芸術祭を1年間実行するにあたり、主催者チームはもちろん、そのほか多くのパートナー企業・団体と連携しながら、プログラム企画・制作支援、コミュニケーションデザインや、フェスティバル全体のディレクション・運営サポートを担当しています。

「True Colors Festival - 超ダイバーシティ芸術祭 -」

1年間を通じて、ダンス・ミュージカル・音楽ライブ・演劇・ファッションショーなど、多彩な身体表現による「True Colors パフォーミングアーツ」を展開。また、各演目で参加者のアクセシビリティを高めるための支援を行う「True Colors アテンダント」、次世代のダイバーシティに関わる人材育成を目指す「True Colors アカデミー」を通して、学びを深めます。東京オリンピック・パラリンピック直前の2020年7月には、集大成となる「True Colors コンサート」を開催します。

「True Colors Festival – 超ダイバーシティ芸術祭 – 」は、ダイバーシティ&インクルージョンの実現に向けて、新しい価値観が生まれる機会を創出していきます。

「True Colors Festival - 超ダイバーシティ芸術祭 -」の詳細については公式サイトをご覧ください!

「True Colors Festival - 超ダイバーシティ芸術祭 -」

よりひらかれ、より届くことを目指したコミュニケーションデザイン

ロフトワークは、「True Colors Festival – 超ダイバーシティ芸術祭 -」が障害・性・世代・言語・国籍などのあらゆる多様性があふれる場となるようコミュニケーションをデザインしています。

フェスティバルのアクセシビリティを高め、より多くの方にひらかれ、関わってもらえるものにできるかはとても重要な要素です。公演の現場運営や情報設計を進めるにあたり、多くの実績を積んでいるフェスティバル関係者らと連動しながら、ウェブサイトなどへの情報アクセスから、車椅子利用者や視覚障害者の方のためのマップの作成、多言語展開のフライヤー制作、要請に応じて点字のチラシ制作などを計画しています。公演会場にも「ゆずりあいゾーン」の配備を徹底し、手話通訳や、字幕対応なども積極的に対応しています。また、ひらかれた場づくりが継続して実現していけるようフェスティバルボランティアである「True Colors アテンダント」のコアメンバーは、ユニバーサルマナー検定3級が取得できる研修を積みます。また、現場の経験を重ねることで2020年以降のイベント運営のマナーを身につけることを目指しています。

さらに今回のフェスティバルの運営では、さまざまな当事者の方々を中心に構成されたアドバイザリーボードを定期的に開催していきます。メッセージや情報を届けたい方々に、適切に届けられるよう、色々な視点からのご意見をいただきながら1年の会期の中でも運営や情報設計の見直しを常に行い、運営していきます。

私達が目指すのは「ダイバーシティ」という言葉に普段接点のない人たちにも、多くの接点をつくり「誰にとっても関係があること」と感じてもらうことです。そのために様々な切り口でのコミュニケーションを用意しました。

DESIGN

「True Colors Festival」の顔となるVI。1つのフェスティバルの中で多様なプログラムが1年間を通して点在するため、VIにはフェスティバルの中心となるイメージが必要でした。また、強いけど弱い、かっこいいんだけどかわいい、といったような、矛盾する印象を合わせ持つ、しなやかなVIを実現していきたいと考え、グラフィックデザイナーの服部一成さんにデザインを依頼。個性的な文字が並ぶロゴを中心に、Webサイト、SNSといったデジタルツールから、Tシャツ、キャップ、エコバッグのような身に付けられるもの、さらに、フラッグ、風船、フォトブースといった会場を彩るツールまで幅広く展開します。にぎやかなグラフィックが、フェスティバルのテンションを上げ、ステージを盛り上げていきます。

クリアファイル
パスケース
全体チラシ

TRUE COLORS FESTIAL ロゴデザインについて
デザイナー 服部 一成氏より

「超ダイバーシティ芸術祭」を象徴する、多様なかたちの文字の集合によるロゴです。文字のアウトラインは閉じずに開いていて、様々な色で塗られることでロゴができあがっています。丸いもの、直線的なもの、アンバランスなものなど、個性的な文字が並び、フェスティバルを彩ります。

FASHION

このプロジェクトはパフォーミングアーツの祭典ですが、「ファッション」もまさに身体表現の一つであり、「服」は自分自身を表現するツールといえます。表現者も参加者も「着る」という行為をとおして、同じ舞台に立てる。洋服は、誰しもの日々の生活のそばにあるカジュアルな存在だからこそ、多様な思想にもアクセスができるのではないかと考え、「ファッション」を切り口にしたコミュニケーション施作を企画しました。

メッセージTシャツの作成「WEAR YOUR True Colors プロジェクト」

出演者も参加者も多種多様な人が集まる「True Colors Festival」だからこそ、発信したいメッセージも一様ではありません。ユニフォームTシャツにもダイバーシティを反映したい。そんな思いから企画はスタートしました。

この多様なメッセージをTシャツにする「WEAR YOUR True Colorsプロジェクト」では、ミュージシャン、アーティスト、デザイナー、編集者など、立場も考え方も多様なクリエイターの方々に参加いただき、まずは12種類のTシャツを制作。今後、フェスティバル期間を通して一般公募でメッセージとデザインを募りアワードを実施します。受賞デザインは商品化を予定しています。
(参加予定作家:IVAN/市田誠/カナイフユキ/コムアイ/戸田雅夫/haru./Laila Cassim/RYUCHELL(りゅうちぇる)/ラブリ ほか多数)

Message by RYUCHELL / Design by Ms. Little Chico
Message by JUN(NEUT Magazine) / Design by Ragelow

このほか、フェスティバルのファーストアクトの出演者であり、身体に障害のある多国籍のブレイクダンスチーム「イルアビリティーズ」のメンバーらと、スペシャルアーティストとのコラボレーションTシャツ、日本のストリートブランドを中心にファッションシューティングも実施。また、パフォーミングアーツの演目のひとつとして「True Colors ファッション」と、2019年11月に新たにオープンする渋谷PARCOで、「True Colors Festival」に連動したポップアップショップも展開する予定です。

MOVIE/ACADEMY/STORY

DESIGNやFASHION以外でもMOVIE/ACADEMY/STORYの3つの切り口で、コミュニケーションデザインを企画。

「MOVIE」
アーティストたちのパフォーマンス中のかっこいい姿だけではなく、彼らの等身大の人間としての姿と想いを伝える演目の舞台裏を描いたメイキングムービーを制作します。プロセスを公開することでより作品・アーティストへの理解を深めてほしいのはもちろん、パフォーミングアーツの演目は一期一会が魅力。映像を通じて、現場に来ることができない様々な観客にもフェスティバルの魅力を届けていきます。また密着取材やインタビューを通してアーティスト達の人となりを映し出していきます。障害を持つアーティストが活躍する姿を、ときとして超人的と描かれることも増えていますが、今回、彼らを特別な存在としてでなく、なるべく日常の姿を伝え、わたしたちと変わらないところを多く映し出していきたいと考えています。ムービーは9月上旬からYoutubeチャンネルに随時アップを予定です。

「ACADEMY」
学ぶこと・出会うことに興味関心がある方へのアプローチとしてワークショップや、レクチャーを定期的に開催していきます。また多彩なパフォーミングアーツの演目による「True Colors パフォーミングアーツ」では扱いきれない「ダイバーシティ」の幅広いテーマを扱うことによって、「True Colors Festival – 超ダイバーシティ芸術祭 -」の全体像を拡張していきます。日常に潜む「ズレ」をテーマに、全4回のレクチャー(公開講座)と、公募メンバーによるスタジオのプログラムを実施予定。講師にはダンサー、ミュージシャン、医師、役者など、幅広い分野で活躍する方々を招聘していきます。

「STORY」
アーティスト、関係者、制作者、観覧者、ワークショップ参加者など、本フェスティバルに関わる多様な人の声を集めてWeb、SNSに掲載していきます。「True Colors Festival -超ダイバーシティ芸術祭」に関わることで、個人の中にどのような気付きが生まれるのか。一人ひとりの小さな声を広い集めていくことで、ダイバーシティ&インクルージョンの意味を改めて見つめ直せる機会をつくります。

プロジェクトメンバーよりメッセージ

今回のフェスティバルのディレクションに携わることができてたいへんに光栄です!身体芸術=パフォーミングアーツは、フィジカルであることの真実みと刹那さにより、誰かの根本をゆるがすような体験をときにもたらします。1年の間でさまさまな施作を通じて、その体験への橋渡しをどれだけ作れるか?!というのが、今回の我々の挑戦です。ダイバーシティに開かれたイベント設計についても日々現場を通して研鑽積み上げながらデジタルコミュニケーション・学び・消費など、我々の生活に密接にある行為や活動のなかに、きづきのキッカケをいっぱいつくっていきます所存です。みなさまどうぞよろしくおねがいします。(金森 香)

記事内では紹介しきれませんでしたが、True Colors パフォーミングアーツとして展開されるそれぞれの演目・パフォーマーもどれも本当に魅力的なものばかりです。この超ダイバーシティ芸術祭を通して、知らなかった世界と出会うきっかけが生まれ、新しい視点で世界を眼差すことのできる補助線のようなものを多く生み出すことができればと思います。(重松 佑)

ロフトワークについて

オープンコラボレーションを通じてWeb、コンテンツ、コミュニケーション、空間などをデザインするクリエイティブ・カンパニー。
グローバルに展開するデジタルものづくりカフェ「FabCafe」、素材と向き合うクリエイティブサービス「MTRL(マテリアル)」、クリエイターとの共創を促進するプラットフォーム「AWRD(アワード)」を運営。世界中のクリエイターコミュニティと共創することで、幅広いクリエイティブサービスを提供します。

株式会社ロフトワーク 広報:pr@loftwork.com

Keywords

Next Contents

循環型社会を目指すプレイヤーをつなぎ、後押しするコンソーシアム、
「crQlr(サーキュラー)」がWebサイトをリニューアル