FLEX(しなやかさ)とABLE(可能性)が融合するプロダクトデザイン

69作品の中から選出された「FLEXIBLE ↻ AWARDS」ファイナリスト5点を発表

株式会社山田商会が主催し、ロフトワークが企画運営を行う公募「FLEXIBLE ↻ AWARDS」のファイナリスト5点を発表しました。本アワードでは、「FLEXIBLE ↻ – しなやかさがつなぐ、暮らしと未来 -」をテーマに、FLEX(変化に適応するしなやかさ)とABLE(未来を切り開く可能性)が融合した創造的な表現を広く募集しました。形式・ジャンルを問わず、約1ヶ月の応募期間で集まった69点の多様な作品から、未来の暮らしに示唆を与える5点が選ばれました。

オンライン審査会では、自然素材のしなやかさを活かした作品・異素材を組み合わせた柔軟な作品・災害に備えたフレキシブルな作品・廃棄物を新たな技術で生まれ変わらせる作品など、これからの暮らしと未来をつくっていくような作品が評価されました。

選出されたファイナリスト5作品は、2025年7月27日(日)から8月6日(水)に、愛知県名古屋市熱田区にある「山田商会本社1階ショールーム 1Day Reform Lab 名古屋店」にて開催される、グループ展にて展示されます。多様な「しなやかさ」を宿した作品と出会える場へ、ぜひ足をお運びください。

展示概要

これからの暮らしと未来をつくっていくような、FLEXIBLEな作品が、愛知・熱田区に集まります。

展示什器には、山田商会で実際に使用されているガス管の配管を用いています。この什器は、社員や職人の手によって一つひとつ組み上げられたもの。日々の業務で培われた技術と創造性が形となり、アワードの「しなやかさ」というテーマを支える土台として機能します。

ものづくりの現場と、未来を見据える創造が交差する――そんな空間を、ぜひ会場で体感してください。

タイトル
FLEXIBLE ↻ AWARDS ファイナリストによるグループ展
会場
山田商会本社1階ショールーム 1Day Reform Lab 名古屋店
(愛知県名古屋市熱田区桜田町19-21)
会期
2025年7月27日(日)〜8月6日(水) ※8月3日(日)は休館
時間

平日:9:00〜17:30 / 休日:10:00〜15:00

入場料

無料

主催
株式会社山田商会
協力

株式会社ロフトワーク

ファイナリスト作品

全ファイナリストの作品は、以下のリンクからもご覧いただけます。

ファイナリスト5作品の発表ページ

作品名:曲がりを摘む

Metalium llc.
作品名:曲がりを摘む

曲がりを摘むは植物の形状の”曲がり”そのものを機能と見立ててライトの支柱とするデスクライトです。徐々に枯れていく曲がりは取り替えることができます。夜間の読書灯程度の明かりを灯すことができますので、寝室やダイニングなどでご活用ください。ミッドセンチュリーに台頭した機能性に重きをおいたモダンデザインの潮流に、もし感性が組み込まれたデザインのあり方があったなら生活や営みは変わっただろうか?あり得たかもしれないデザインの潮流を生み出し、今一度プロダクトを通じて問いてみたい。

作品名:SAND PRODUCT 『OUTLINE』

PULSE
作品名:SAND PRODUCT 『OUTLINE』

今回私たちが着目したのは航空機や自動車などの金属部品の中空部を形成する際に用いられる砂型成型技術と中子型です。この砂型は製造工程中に黒砂となり、使用後は廃棄され、消費者の目に触れることはありません。その砂型成型の技術と砂という素材に新たな価値を与えられないかと考えこのプロジェクトが始まりました。砂型を砂という素材と技術として見直すことで、既存技術の再構築や新しい砂の活用方法を検討し、普段当たり前に存在する砂の魅力を伝えるプロダクトです。

作品名:bio~菌糸と火山灰による壁面のデザイン~

齋藤巧・石澤航
作品名:bio~菌糸と火山灰による壁面のデザイン~

鹿児島県で古くから厄介者とされてきた桜島の火山灰。私たちは、火山灰をデザインとして利用するため、同じく自然素材である菌糸と混ぜ、成長する壁面を考えた。黒い火山灰が持つ質感や色合いと、成長するにつれ白くなる菌糸を組み合わせた。地域資源の有効活用という持続可能性を持つ、これからの壁面のデザインを提案する。

作品名:CAN CELL

ta_rabo
作品名:CAN CELL

レジャーから災害時までを想定した一人用の最小テント。NASA開発のアルミ蒸着フィルムを使用し、金面(熱吸収)と銀面(熱反射)をリバーシブルに組み替えることで、気候に応じて快適な環境を提供します。骨組みをなくし、ソーラーバッテリー+ファンで自立送風することで超軽量・省スペース化を実現。半透過素材による開放感と、外から見えないプライバシー性を両立し、カプセルホテルや宇宙船、常備薬から着想を得た「最小単位の居場所」です。折りたたみ可能で重量は500g程度、非常用持ち出し袋にも収納可能です。

作品名:mimiz

井上 知高
作品名:mimiz

タイルの溝にはめ込んだホースが、掛ける・置く・挟むといった家具の動作を担う。本来の用途ではない使い方であるにも関わらず強度やカスタム性などの家具として機能する新しい価値を常に手を動かしながら考え見出した。ホースの用途を再解釈することで、素材の既成概念を問い直し、認識の変化を促す設計を行った。

審査員と審査基準

審査員

一次審査には、稲波伸行氏と、橋田規子氏が参加し、5つの作品をファイナリストとして選出しました。7月25日に行われる二次審査には、山田豊久氏と鈴木啓之氏が参加します。

稲波 伸行

稲波 伸行(株式会社RW 代表取締役, 株式会社菰野デザイン研究所 取締役, 半田赤レンガ建物 館長)

1975年三重県菰野町生まれ。名古屋芸術大学美術学部デザイン科卒業。
大学時代の生死をさまよう経験からデザインにのめり込む。イギリスでの交換留学を経て、課題解決に向き合う真摯さだけでなく、人をワクワクさせる楽しさの両輪がデザインに必要であると学ぶ。大学卒業後、フリーランスとして独立。デザイナーとして活動するだけでなく、流通会社の立ち上げや、地域コミュニティをつくるNPOの立ち上げにも参画。「意匠や形」といった狭義のデザインだけでなく、課題解決や価値づくりとしての広義のデザインの実践を追求し続ける。まちづくりに関わる経験から、地域の魅力に惹かれ始め、現在は、日本の地域に根づいてきた文化をこれからの時代にも紡いでいくための「広義のデザイン」に取り組んでいる。
2008年RW創業。企業や事業の価値の再定義に伴走し、ミッション、ビジョンの構築や、新規事業の立ち上げ、事業の運用までサポートしている。

橋田 規子

橋田 規子(プロダクトデザイナー / 芝浦工業大学 デザイン工学科 教授)

愛知県蒲郡市生まれ。東京芸術大学デザイン科インダストリアルデザイン専攻卒業後、TOTO株式会社にて水周り設備のデザインに携わる。2008年退社後NORIKO HASHIDA DESIGN設立、2009年芝浦工業大学教授に就任、現在に至る。2013年博士(工学)取得。住宅設備、家具、生活用品のデザイン活動を実施。グッドデザイン賞、Red Dot賞、iF賞など受賞多数。グッドデザイン賞審査員(2009~2024)、キッズデザイン賞審査員.2020年単著「エモーショナルデザインの実践」オーム社 発刊。

山田 豊久

山田 豊久(株式会社山田商会 代表取締役社長)

1979年10月生まれ。幼いころからエネルギー問題に関心を持つ。2004年(平成16年)3月東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻修了、株式会社⼭⽥商会⼊社。2007年5月取締役就任。経営計画の策定や管理会計の導⼊、業務領域や部署間における多能工化を進める。2020年5月に代表取締役社⻑執⾏役員、2022年5月にHD代表取締役社⻑に就任。妻と1男2⼥。

鈴木 啓之

鈴木 啓之(株式会社山田商会 取締役専務執行役員経営本部長)

専門分野は労務、人事、経理で健康、年金問題及び財務分析を得意とする。2016年『山田商会ホールディング』の立ち上げを指導し、その後はM&Aを多数経験する。現在はグループ全体の新規事業創出を手掛け、インフラ企業ができる住空間の未来を創造する。愛知県社会保険委員会理事

審査基準

本アワードでは、強さと美しさを兼ね揃えた「しなやかさ」を大事にしています。作品の審査にあたっては以下の審査のポイントと、審査員の専門分野による独自の視点を評価の軸としました。

①Flexibility|柔軟性
変化や制約にしなやかに対応しながらも、ぶれない軸や独自の美しさを保っているか。

②Innovation|新規性
既存の枠を超え、独自の視点や技術を活かして新たな価値や可能性を生み出しているか。

③Narrativity|物語性
かたちや仕組みの背景にある想いや、プロセスに他者の共感を呼ぶストーリーが込められているか。

会場アクセス

山田商会本社1階ショールーム 1Day Reform Lab 名古屋店
愛知県名古屋市熱田区桜田町19-21

アクセス:JR金山駅より徒歩10分
※お車でお越しの際は、近隣のコインパーキングに駐車ください。

ACCESS

山田商会本社1階ショールーム

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