招待制イベント大阪城東部地区セッション Vol.4
森之宮アースダイブ

森之宮のまちづくりの方向性を探すセッションシリーズ

現在、大阪城の麓、大阪城東部地区(JR/大阪メトロ森ノ宮駅周辺)において、2028年春のまちびらきを目処にまちづくりの検討が進んでいます。大阪公立大学森之宮キャンパスが2025年9月にオープンし、また今後新駅開業もひかえ、地域や大学と共に進める街づくりが目指されています。そうした中、森之宮において、UR森之宮ビルを活用し、暮らしと学びの実験フィールド『ほとりで』が10/1にオープンし、弊社がプログラムの全体設計および実施を担当することになりました。

1年目の活動としては、インプットとコンセプト醸成のフェーズとして、複数の視点から森之宮を見つめることを通して、エリアの開発に関わる方々や自治体、地域の方々と一緒に、森之宮エリアにおけるまちづくり活動のコンセプトを作っており、土地の歴史や特徴を踏まえたうえで、人々の生活と環境が共存できる街のあり方を探索したいと思っています。

本イベントでは、歴史の長い森之宮の過去の環境と森之宮を2名の研究者とともに見つめます。開発に関わる関係者はもちろん、過去や現在に森之宮に関わりのあった方や、これから関わりたいと思っている方もぜひお越しください。

森之宮の新旧の環境にダイブする

過去と現在を見ずに未来はデザインできません。これから森之宮で実際にまちづくり活動を企画・実施していく上でも、活動フィールドの環境を学んだり、観察の仕方を知る必要があります。

そこで今回は、長きに渡って自然と人のインタラクションが繰り返されてきた森之宮に向き合うにあたって、今ある環境やこれまで積み重ねてきた歴史を自然科学的な視点から見つめる機会にしました。

プログラムは2段階構成で開催し、2名の専門家に、過去の森之宮と現在の森之宮の環境を解説・分析いただきます。また、おふたりからのインプットと共有いただくデータを見た上で、実際に森之宮を歩きながら、エコトーン(異なる環境が混じり合っている場所、環境が変わっていく境目)を探してみようと思います。

セッションを通じて、土地の特徴や植生、場所によっての環境の特徴の違いなどから、活動場所や導線・アクティビティを設計する上での課題や制約、あるいは、魅力守るべき特徴が見えてくるかもしれません。さらには、環境に関するデータを見つめることから、「良い環境とは何か?」という問いを投げかけ、ウェルビーングにつながる自然環境のあり方を考える機会に繋がるヒントが得られたら幸いです。

前半:森之宮の過去を植生史から見つめる

引用元:公益財団法人大阪市博物館協会大阪文化財研究所 2014 『大阪上町台地の総合的研究-東アジア史における都市の誕生・成長・再生の一類型-』公益財団法人大阪市博物館協会大阪文化財研究所

森之宮の環境がどのように変わってきたのかを、長年大阪をベースに植生史を研究されている株式会社パレオ・ラボの辻本裕也さんに解説いただきます。辻本さんは、古植物学および古生態学を専門とされており、森之宮エリアの調査もされています。

辻本さんには、かつての森之宮の環境や植生とその変遷を解説いただくとともに、人の活動がどのように環境に影響を及ぼしてきたのか(また、それによって人が影響し返された歴史はあるのか)、あるいは、時代ごとのシンボリックな植物や土壌環境、素材などについてもお聞きしたいと思っています。

辻本 裕也

ゲスト辻本 裕也(株式会社パレオ・ラボ 分析調査研究部)

1962年9月7日生まれ。1985年、岡山理科大学理学部卒業。約40年間にわたり、考古遺跡の発掘調査に伴う分析・調査業務に従事。専門分野は古植物学および古生態学。考古遺跡における過去の景観復元を主題とし、当時の人間活動の解明を目的に研究を続けている。特に、景観生態学的な視点から遺跡周辺の自然環境を分析し、人間と自然、特に植生との共生および相互関係の変遷について検討を行っている。

後半:森之宮の現在を熱・風・緑から見つめる

後半は、現在の森之宮の環境を見つめるため、大阪公立大学 大学院農学研究科 緑地環境科学専攻 准教授の松尾 薫さんにお越しいただきます。松尾さんは各地で都市部における緑地計画の研究・プロジェクトに取り組まれています。また、森之宮エリアのホットスポットや風の通り道のマッピング、また、緑地シミュレーションのお取り組みを解説いただきながら、現在の森之宮周辺の環境の特性を解説いただきます。

引用元:「MSSGモデルを用いた大阪都心部における都市形態の改善による熱環境への影響に関する研究」(2025 牧尾巧)
松尾 薫

ゲスト松尾 薫(大阪公立大学 大学院農学研究科 緑地環境科学専攻 准教授)

広島大学大学院工学研究科にて博士(工学)を取得。日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)、大阪府立大学大学院生命環境科学研究科助教、を経て、現職。学生時代は、建築学分野で都市環境を専門とし、現在は造園学分野で緑地計画を専門としてる。気候変動による都市の高温化や豪雨の増加、人口減少による空き地の増加に適応した都市づくりに向けて研究を行っている。例えば、自身での気象観測調査に加えて気象シミュレーションモデルやGIS(地理情報システム)を用いて都市の環境を把握し、どのような場所に緑地が必要かを検証している。

これまでのプレフィールドワーク&セッション

生態系と共存する都市デザインとは
大阪城東部地区フィールドワーク
ゲスト:
森田敦郎氏(大阪大学、人間科学研究科教授/Ethnography Lab Osaka 代表)
ブライアン・マクグラス氏(パーソンズ美術大学 都市デザイン学部 教授)
ダナイ・タイタクー氏(モンクット王工科大学トンブリ校のランドスケープアーキテクト兼ランドスケープエコロジスト)
https://loftwork.com/jp/project/20231221_ur_morinomiya_fieldwork

サステナブルなまちづくりに向けた動機のデザイン
タイの実践事例に学ぶ
ゲスト:
カラヤ・コヴィドビシット氏(FabCafe Bangkokの共同創業者)
https://loftwork.com/jp/project/20240729_ur_osakajotobu_session

まちと向き合う4つの視点をインプット
大阪城東部地区セッション&フィールドワーク
ゲスト:
陸奥 賢氏(大阪まち歩き大学 学長)
杉本 容子氏(株式会社ワイキューブ・ラボ 代表取締役)
伊勢 武史氏(京都大学 フィールド科学教育研究センター 准教授)
狩野 佑真氏(Creative Director /Designer)https://loftwork.com/jp/project/20250718_ur_osakajotobu_session3

こんな方におすすめ

  • 都市における人と自然が共生するデザインについて模索されている方
  • 大阪城東部地区エリアの活動に興味のある方/関わりたい方

バナー写真撮影:松本 陵

Program

14:30-14:45

イントロダクション

14:45-15:05

ゲストトーク1|辻本裕也氏

  • かつて森之宮の環境はどんなところだったか
  • 森之宮の環境や植生がどのように移り変わってきたのか
  • 人の活動がどのように環境に影響を及ぼしてきたのか(また、それによって人が影響し返された歴史はあるのか)
  • 時代ごとのシンボリックな植物や土壌環境、素材とは
15:05-15:25

ゲストトーク2|松尾薫氏

  • 森之宮エリアの気温&緑地シミュレーションのご紹介
15:25-17:15

フィールドワーク&ディスカッション

  • 森之宮のエコトーンを探す
17:00-17:30

クロージング

17:30-18:30

名刺交換/交流タイム
※ キャッシュオンでドリンク・アルコールドリンクをご用意します

概要

開催日
2025年11月5日(水)14:30-17:30(交流会〜18:30頃)
参加費
無料
定員
50名
会場

ほとりで(UR森之宮ビル)
〒536-0025 大阪府大阪市城東区森之宮1丁目6−85(地図

主催

UR都市機構、ほとりでパートナーズ

ご注意
  • 参加者の皆さんの写真やプログラムの内容は後日レポートなどに掲載されます
  • プログラムは、予告なく変更される場合があります。
  • 応募者多数の場合は抽選になる場合があります。

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[ お問い合わせ ]
ロフトワークほとりでプロジェクトチーム(浦野、太田)
Mail:lw_morinomiya@loftwork.com